- 四十肩(五十肩)の特徴や、肩の痛みが発生する原因について解説します。
- 自宅でできる簡単な肩のストレッチ5選を紹介。痛みを和らげるための実践的な方法をお伝えします。
- ストレッチの効果を最大限に引き出すためのタイミングや注意点について説明します。
40代を迎えると、肩の痛みに悩むことが増えていませんか?
肩こりや四十肩(五十肩)の痛みは、生活の質を低下させる大きな原因となります。
しかし、少しの工夫とストレッチで、これらの問題を改善することができます。
本記事では、肩の痛みを和らげるための簡単なストレッチ方法を紹介します。どれも自宅で簡単にできるので、ぜひ試してみてください。


四十肩とは?なぜ痛くなるのか?

「四十肩」は、肩の痛みや可動域の制限を引き起こす症状で、40代以降の人々に多く見られます。
特に肩を動かすと痛みを感じたり、腕を上げたり、後ろに回すのが難しくなることがあります。
なぜこのような症状が起こるのでしょうか?ここでは、四十肩の症状と原因、そしてその背後にあるメカニズムについて解説します。
四十肩は正式には「肩関節周囲炎」と言います。
四十肩の症状と原因
四十肩の主な症状には、
- 肩の強い痛み
- 肩の動きに制限がかかる
- 肩を使った後に痛みが悪化する
などがあります。
初期には肩を動かすと軽い痛みを感じることがありますが、時間が経つにつれて痛みがひどくなり、日常生活に支障をきたすこともあります。
四十肩の原因としては、肩を支える筋肉や腱、靭帯が加齢により柔軟性を失い、炎症を引き起こすことが挙げられます。
また、肩の使い過ぎや不良姿勢、運動不足なども四十肩を引き起こす要因となることがあります。
これらの要因が重なることで、肩の関節の可動域が狭くなり、痛みを引き起こします。
四十肩は、肩を急に動かしたり無理に使いすぎることが原因で悪化することがあります。普段から肩を適度に使うことが予防には重要です。
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肩の動きが制限される理由
肩の動きが制限される理由は、主に「肩関節周囲の炎症」と「筋肉の硬直」にあります。
肩関節は、最も自由に動く関節であるため、肩周りの筋肉や靭帯が痛むと、その柔軟性が低下し、腕を上げたり、回したりするのが難しくなります。
四十肩では、肩関節を取り巻く腱や筋肉に微小な炎症が発生し、筋肉が硬くなってしまいます。
その結果、肩の動きが制限されるだけでなく、痛みを伴いながら動かすことになります。
- 腕を上げる
- 腕を後ろに回す
などの動作が困難になります。
肩関節には「回旋筋群」と呼ばれる4つの小さな筋肉が関与しており、これらが炎症を起こすと肩の動きが制限される原因になります。
これを「ローテーターカフ」筋群と呼び、肩の動きには非常に重要な役割を果たします。
四十肩が楽になる5つのストレッチ

ここからは四十肩が楽になる5つのストレッチを紹介する前に、「肩の筋肉は筋膜を通じて指先まで繋がっている」ことを紹介します。
肩の筋肉は「筋膜」を通じて指先まで繋がっています。「筋膜」とは筋肉を包む膜です。筋膜は筋肉と同じく、ストレッチすることで柔らかくなります。
肩の筋肉・筋膜が四十肩の影響で硬くなると、筋膜を通じて腕や指先の筋肉・筋膜も硬くなります。そのため、四十肩による痛みの解消には肩とは離れている指先や腕のストレッチも必要となります。
この記事では四十肩による痛みを解消するため、肩だけでなく、
- 指先
- 前腕(手首~肘)
- 上腕(肘~肩)
- 背中
の筋肉のストレッチも紹介します。
手指ストレッチ
指を引っ張る

- 指を1本ずつ引っ張る。
- 3秒間引っ張ったら次の指に変える。
- 親指から小指まで引っ張ったら、手を左右入れ替えて行う。
このストレッチは指先から肩までの筋肉を繋げる「筋膜」の緊張をほぐすため、四十肩の改善に有効です。
手指を引っ張ることで、肩や腕の筋肉が緩み、肩の可動域が広がりやすくなります。指を引っ張ることで血流も改善され、肩周りの筋肉の緊張が軽減されます。
指を大きくまわす

- 指を掴んで大きく3回まわす。
- 反対まわしも3回行う。
- 指を変えて行う(左右反対の手も同様に行う)。
指の関節を動かすことで、手首、肘、肩とつながる筋肉や靭帯が柔軟に動き、肩周りの血流が促進されます。
このストレッチを通じて、肩のこわばりを解消し、四十肩の痛みを和らげることができます。
前腕ストレッチ

- ストレッチしたい方の腕を前に伸ばし、手のひらを顔と反対側に向ける。
- 指先を真下に向ける。
- 前に伸ばした手と左右反対の手で、前に伸ばした指を掴んで反らす。
- 左右それぞれ30秒ずつ行う。
前腕ストレッチは、肩周りの筋肉と連携している前腕の筋肉を柔軟にするため、肩の可動域を改善します。
特に四十肩は肩だけでなく腕全体の筋肉が硬直することで動きに制限がかかるため、前腕をほぐすことが改善への一歩となります。
三角筋ストレッチ

- 片腕を横に伸ばす。
- もう一方の腕は横に伸ばした腕を下から抱える。
- 横に伸ばした腕を手前に引き寄せる。
- 左右それぞれ30秒ずつ行う。
三角筋は肩の筋肉の中でも重要な部分であり、四十肩においてはこの筋肉が硬直していることが多いです。
三角筋をストレッチすることで、肩の可動域が広がり、肩を動かす際の痛みを軽減することができます。また、肩全体の柔軟性が向上し、四十肩の改善に繋がります。
おへそは正面に向けたまま

横に伸ばした腕を手前に引き寄せることが肩のストレッチのポイントですが、腕を引き寄せた勢いで、おへそが横を向かないように注意しましょう。
菱形筋ストレッチ

- 両手を体の前で組む。
- 両手を出来るだけ前に伸ばし、背中をまるめる。
- 肩甲骨のあたりが伸びているのを感じる。
- 30秒行う。
菱形筋は肩甲骨を支える重要な筋肉で、四十肩ではこの筋肉が硬くなり、肩の動きに制限がかかります。
このストレッチによって、肩甲骨周りの筋肉がほぐれ、肩の可動域が回復します。菱形筋を柔軟にすることで、肩周りの緊張を緩和し、痛みの軽減に繋がります。
おへそをのぞく

しっかり背中をストレッチするためには背中をまるめる必要があります。
背中をまるめるためにおへそを覗き込みましょう。
大胸筋ストレッチ

- 壁の近くで立位で行う。
- 壁に対して横向きとなり、壁側の手を斜め後ろに伸ばして壁に手をつく。壁側の足を一歩後ろに引く。
- おへそを前に向け、壁と反対側の肩を後ろに引く。
- 左右それぞれ30秒行う。
大胸筋は肩の前面にある筋肉で、四十肩を改善するためには、前面の筋肉も柔軟にすることが重要です。
大胸筋をストレッチすることで、肩の前部が解放され、肩の動きがスムーズになります。肩関節周りの筋肉のバランスが整い、肩の可動域が向上します。
手を遠くに伸ばして肩を後ろに引く

壁を使った大胸筋のポイントは2つです。
- 壁について手は痛みのない範囲で出来るだけ遠くに伸ばす
- 壁と反対側の肩を後ろに引く
壁についた手はできるだけ斜め上、遠くに伸ばすことで胸のストレッチ感を強めることができます。
四十肩改善ストレッチの効果を高めるためのポイント

ストレッチの効果を最大化するためには、ただ実施するだけではなく、いくつかのポイントを意識することが重要です。ここでは、効果的なストレッチを行うためのコツを紹介します。
呼吸を意識すること
ストレッチ中に呼吸を止めてしまうことがあるかもしれませんが、これは筋肉を緊張させてしまい、ストレッチの効果を減少させてしまいます。
深い呼吸を意識して行うことで、体がリラックスし、筋肉や筋膜がより伸びやすくなります。息を吸う際には、肩をリラックスさせ、息を吐くときに筋肉を伸ばしていくと効果的です。
ストレッチ中の呼吸は、深くゆっくりと行い、筋肉が伸びるタイミングに合わせて息を吐くようにしましょう。
これにより、筋肉の緊張がほぐれ、ストレッチの効果がさらに高まります。
深い呼吸が基本のヨガは心身のリフレッシュに効果的!ストレスは四十肩にも悪影響を及ぼしますので、ストレスはヨガで解消しましょう!

ストレッチのタイミングと頻度
ストレッチの効果を高めるためには、適切なタイミングと頻度が重要です。
ストレッチは運動前後や長時間同じ姿勢を続けた後などに行うと効果的です。
特に、運動後は筋肉が温まっているため、ストレッチがしやすくなり、効果が高まります。
また、日常的にストレッチを行うことで、筋肉や関節の柔軟性が維持され、痛みの予防にも繋がります。
ストレッチは、毎日少しずつ行うことが大切です。
特に四十肩の改善が目的の場合、定期的にストレッチを行うことで、肩周りの筋肉の柔軟性が向上し、痛みが軽減しやすくなります。
まとめ:四十肩を解消して、楽な毎日を手に入れよう
四十肩を改善するためには、効果的なストレッチを行い、肩周りの筋肉を柔軟にすることが非常に重要です。
ストレッチをする際は、呼吸を意識し、適切なタイミングと頻度で実践することで、その効果を最大限に引き出すことができます。
少しずつでも毎日続けることで、肩の可動域が広がり、痛みが軽減されていきます。
四十肩の改善には時間がかかることもありますが、継続的にケアを行うことで、楽な毎日を取り戻すことができます。
肩の痛みを和らげ、柔軟性を回復するためのストレッチを日常生活に取り入れ、心地よい生活を目指しましょう!


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