【この記事でわかること】
- すぐ実践できる「ストレスによる吐き気」を和らげる具体的な方法10個
- 医学・心理学の研究でも支持されている“科学的根拠のある対処法”
- 自己対処では危険なケース(医療機関の受診目安)
- 胃がムカムカする
- 吐き気が続く
- 検査しても「異常なし」と言われた…
それでもつらい「ストレスによる吐き気」。これは“気のせい”ではありません。
ストレスが強くなると自律神経が乱れ、胃の動きが低下したり、胃酸分泌が不安定になる ことで吐き気が起こります。
さらに「吐いたらどうしよう」という不安が重なると、吐き気が増幅されることもわかっています。
この記事では、医学・心理学の研究でも支持されている「ストレスによる吐き気」対処法を10個、わかりやすく解説します。
今すぐ試せる!ストレスによる吐き気対策10選(科学的根拠あり)
① 温熱+呼吸を組み合わせる(迷走神経を刺激)
ストレスで交感神経が優位になると、胃腸の動きは低下し、吐き気が出やすくなります。
お腹を温めることで血流が改善し、さらに“ゆっくりした呼吸”を加えると迷走神経(リラックス神経)が働き、胃腸の緊張を和らげることが期待できます。
「お腹を温める」単独より「温熱+呼吸」を同時に行う方が効果的と報告されています。
温熱+呼吸のポイント
- お腹またはみぞおちをホットタオルやカイロでじんわり温める
- 鼻から4秒吸う → 口から6〜8秒で長く吐く
- これを3〜5分ほど繰り返す
「吐く息を長く」がコツ。息を吐くほど副交感神経が働きやすくなります。
② ストレッチ
ストレスで体は無意識に緊張し、特に肩・首・胸まわりが固くなります。
これが自律神経の乱れを助長し、吐き気を悪化させることがあります。ストレッチで筋の緊張を解くことで自律神経の回復を助け、気持ち悪さの軽減につながります。
肩まわし

- 背筋を軽く伸ばし、両手を肩にのせる
- 肘で大きな円を描くように、前から後ろへ回す
- ゆっくり5〜10回
- 反対回しも同じ回数行う
「大きく・ゆっくり・呼吸を止めない」がコツ。肩甲骨がゴリゴリ鳴るのは問題ありませんが、痛みが出たら小さく行います。
胸をひらくストレッチ

- 立つ or 椅子に座ったままでもOK
- 背中の後ろで手を組む
- 肩甲骨を軽く寄せながら、胸を少し前へ開く
- 10〜20秒キープ × 2〜3回
顔を上げすぎると首に負担がかかるため、目線は水平〜やや下くらいがおすすめです。
首のストレッチ

- 背筋を軽く伸ばす
- あごを引いてから、ゆっくり頭を前へ倒す
- 首の後ろが気持ちよく伸びる位置で10〜15秒キープ
- 痛みのない範囲で行う
手で強く押さえつけないこと。「自分の頭の重さだけで伸ばす」くらいが安全で効果的です。
③ ウォーキング
ウォーキングのような“軽い有酸素運動”は、ストレスホルモン(コルチゾール)の低下や血流改善に役立つことが知られています。
体が動くことで脳と自律神経のバランスが整いやすくなり、胃腸の働きも徐々に回復し、吐き気やムカムカ感の軽減につながる可能性があります。
また、外の景色を見る・リズムよく歩くこと自体が、不安や緊張をやわらげる心理的効果も期待できます。
ウォーキングのポイント

- まずは 10〜20分 を目安に歩く
- 速く歩く必要はなし。「少し楽に話せるくらいのペース」でOK
- 外出が難しい日は、室内の歩行やその場足踏みでも代替可能
- 吐き気が強い場合は、無理せず短時間から始める
呼吸を止めないこと。呼吸が乱れるほどの運動は逆効果です。
YouTubeを活用「ホームウォーキング」
- 外に出る気力がない
- 天候や体調で外出が不安
そんな人のために、自宅で安全にできるウォーキング運動として私のYouTubeチャンネルで紹介している “ホームウォーキング” もおすすめです。
“運動しなきゃ”と思うほどハードルが上がります。「少し体を動かしてみよう」くらいの軽い気持ちでOK。
④ 少量をこまめに食べる(少量頻回食)
ストレスが強いと、自律神経の影響で胃のぜん動運動(食べ物を送り出す働き)が低下し、「胃が止まっている感じ」「食べると余計にムカムカする」といった状態になりやすくなります。
そんなときに 一度にたくさん食べると胃に負担が大きく、吐き気が悪化する ことがあります。
逆に、少量をこまめに摂る ことで胃の負担を減らし、ゆっくり胃腸を動かしていくことができるため、ムカムカや吐き気の軽減につながりやすくなります。
特に、「空腹でも気持ち悪い」「食べても気持ち悪い」という人に有効とされています。
少量頻回食のポイント
- 「満腹まで食べない」が基本
- 少量を複数回に分ける
- 消化に優しい食べ物を選ぶ(例:おかゆ・ヨーグルト・バナナ・柔らかい炭水化物)
「空腹すぎ」も吐き気の原因になるため、空腹で気持ち悪い人にも効果的です。
⑤ 脂っこい物・アルコール・刺激物・カフェインを控える
ストレスによって胃腸の働きが弱っているとき、
- 脂っこい食事 → 胃の消化時間が長くなり、ムカムカ悪化
- アルコール → 胃粘膜を刺激し、自律神経も乱れやすい
- 刺激物(辛い物・濃い味) → 胃酸を増やし、吐き気を助長
- カフェイン → 交感神経を刺激し、胃酸分泌を増加
つまり、“今の胃腸には負担が大きい仲間たち”。一時的に控えるだけでも、吐き気の軽減につながるケースが多くあります。
脂っこい物・アルコール・刺激物・カフェインを控える際のポイント
- 「完全にゼロ」ではなく「量と頻度を下げる」でも効果あり
- コーヒー → デカフェ or カフェインレス紅茶
- 辛い物が欲しい → だし・香りで満足感を出す
- 濃い味好き → “塩分より香りと旨味”に頼る
- 夜遅い時間の脂・アルコール・カフェインは、翌日の吐き気悪化につながりやすい
「一生我慢」ではなく「今しんどい間だけ控える」でOK。心理的負担を減らすことも大切です。
⑥ マインドフルネス・リラクゼーション

ストレスによる吐き気は、「体」だけでなく「心の反応」も深く関わっています。
特に、
- 「吐いたらどうしよう…」という予期不安
- 不安 → 体が緊張 → 吐き気悪化 → さらに不安
という 悪循環ループ が起こりやすいことが知られています。
マインドフルネスやリラクゼーション(瞑想)は、この“過剰に興奮した脳と自律神経”を落ち着かせ、
- 不安感を下げる
- 身体の緊張をゆるめる
- 胃腸を休ませる方向へ導く
という作用が、心理学・医学の研究でも確認されています。
マインドフルネス(瞑想)のポイント

- 静かな場所で、楽な姿勢で座る or 寝転んでもOK
- 目を閉じる or 半目でぼんやり
- 「呼吸」にだけ意識を向ける
- 吸う息 →「今吸ってるな」
- 吐く息 →「今吐いてるな」
- 3〜5分ほど続ける(長くなくて大丈夫)
「うまくやろう」としなくて大丈夫。“呼吸に気づく”だけで十分です。
⑦ 香りの刺激(ペパーミント・生姜・レモン)
意外ですが、香りは脳の吐き気中枢へ影響します。
- ペパーミント
- レモン
などの香りは、医療現場でも吐き気対策として使われることがあり、ストレス性の吐き気にも役立つと報告されています。
香り刺激のポイント
- ティッシュに1滴つけて香りを吸い込む
- アロマがなければレモンの皮の香りでもOK
- 強い香りすぎない程度で行う
香りの選択は好みでOKです。「自分が心地よい」と感じる香りが一番効果があります。
⑧ 手首のP6(内関)を刺激する

「ツボ押し=民間療法」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、手首の内側にある “P6(内関:ないかん)” は、医学研究でも吐き気軽減に有効とされている数少ないポイントです。
- 手術後の吐き気
- 乗り物酔い
- つわり
などでも研究が進み、医療現場で活用されることもあります。
P6は “手首の内側・中央付近にあるポイント”で、迷走神経(リラックス神経)に関わる反応を助け、吐き気を和らげると考えられています。
P6(内関)刺激のポイント
- 手首のシワから指3本分下、内側中央を探す
- 親指で30秒〜1分押す
- 吐き気を感じた時にも、予防的にもOK
痛いほど押す必要はありません。「少し効いている感じ」がベストです。
⑨ 睡眠リズムを整える

睡眠不足や睡眠リズムの乱れは、自律神経に大きく影響します。
特にストレスが強いときは、
- 眠りが浅い
- 夜中に目が覚める
- 朝スッキリしない
といった 質の悪い睡眠 → 自律神経の乱れ → 胃腸機能の不安定 → 吐き気悪化 という流れが起こりやすくなります。
逆に、睡眠の質が少し整うだけでも、体の回復力が高まり、吐き気・ムカムカの軽減につながる ことが研究でも示されています。
睡眠リズムを整えるポイント
- 寝る前のスマホ・刺激的な情報は減らす
- 寝る“時間”よりも、起きる時間を一定にする
- 寝る前に“体をリラックスに傾ける習慣”を作る
- 朝は太陽光を浴びる
- 眠れない日は「無理に寝ようとしない」
「完璧な睡眠」を目指す必要はありません。“少し整える”だけでも十分効果があります。
⑩ 「噛む刺激」を利用する(無糖ガムなど)
「噛む」という行為はただの動作ではなく、体にさまざまな良い影響を与えることが分かっています。
特にストレスによる吐き気があるときは、
- 噛む → 迷走神経(リラックス神経)を刺激
- 唾液分泌が増える → 胃酸バランスが整いやすくなる
- リズミカルな動き → 脳が“安心モード”へ切り替わりやすい
という流れが期待できます。
実際、医療の分野でも「咀嚼刺激」が、手術後の吐き気や不快感の軽減に役立つケースが報告されています。
「噛む刺激」のポイント
- 無糖ガムをゆっくり噛む
- 食事がとれない時の代替手段としても有効
- ミント系・ノンミントどちらでもOK
ポイントは “ゆっくり・一定のリズムで噛む” こと。ガチガチ噛むより、「カチ、カチ、カチ」と 落ち着いたテンポで噛む方がリラックス効果が出やすい です。
こんな症状がある場合は医療機関へ
ストレスが原因の吐き気は珍しくありませんが、中には 病気が隠れているケース もあります。
次のような症状がある場合は、早めに医療機関に相談してください。
受診の目安
- 吐物に血が混じる、黒い便が出る
- 強い腹痛・発熱・脱水症状がある
- 吐き気や嘔吐が長く続く
- 体重が急に減ってきた
- めまい・頭痛など他の症状が強い
- 妊娠の可能性がある / 薬の副作用が心配
まずは 内科(消化器内科) を受診するのがおすすめです。「ストレスだから…」と我慢せず、気になる時は早めに相談しましょう。
まとめ|「吐き気」は体からのSOS。優しく整えていきましょう
ストレスによる吐き気は、自律神経や胃腸の働きが乱れることで起こる身体反応です。決して「気のせい」や「弱さ」ではありません。
この記事で紹介した吐き気を解消する方法は、医学・心理学の研究でも支持されている、体にやさしく取り入れられる科学的アプローチです。
ただし、
- 吐物に血が混じる / 黒い便
- 強い腹痛・発熱・脱水
- 長く続く吐き気や急な体重減少
- 妊娠の可能性・薬の副作用が心配な場合
などは、自己判断せず医療機関へ相談してください。
つらいときは「頑張る」必要はありません。できることを少しずつ。あなたの体を守るための“やさしいケア”を続けてみてくださいね。
参考文献
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- Van Oudenhove L et al. Stress and gastrointestinal symptoms via brain–gut axis. Gastroenterology.
- Khoury B et al. Mindfulness-based therapy meta-analysis. Clin Psychol Rev.
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- Herring MP et al. Exercise training and stress reduction. Am J Prev Med.
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- Hunt R et al. Aromatherapy for nausea. J Perianesth Nurs.
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- Cochrane Review: P6 stimulation and nausea management.
- Besedovsky L et al. Sleep and autonomic regulation. Physiol Rev.
- Liu K et al. Chewing and vagal activity / gastric motility. Physiology & Behavior.


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