- 登山初心者こそ「筋トレ」で体づくりを始めよう!
- 膝・腰の負担を減らすために、鍛えるべき5つの筋肉を解説。
- 自宅でできる!登山をもっと楽しむための筋トレメニュー紹介
「登山は有酸素運動だから、筋トレは必要ない」と思っていませんか?
実は、登山初心者ほど筋力不足で膝や腰に負担をかけがち。
登りでは太ももやお尻の力、下りでは膝を守るための筋肉が重要になります。
この記事では、登山初心者に向けて、自宅で手軽にできる筋トレメニューを5つご紹介します。
バテにくく、ケガしにくい体を作って、山登りをもっと快適に楽しみましょう!


登山に必要な筋肉とは? ― 特に鍛えるべき部位とその役割

登山は、長時間にわたる坂道の上り下りを繰り返す全身運動です。
中でも、ここで紹介する6つの筋肉は「登山の要」ともいえる重要な部位。5つの筋肉を鍛えることで、疲れにくく、膝や腰のケガも防ぎやすくなります。
登山前にしっかり筋トレをしておくと、転倒やケガのリスクがぐっと減ります。安全に楽しむための“準備運動”としての筋トレは、まさに登山の保険と言えるでしょう。
大腿四頭筋(太ももの前側)
階段を登るときや坂道を登るときに大きな力を発揮するのが、大腿四頭筋です。
特に上り坂での踏み込みに使われ、登山中もっとも酷使される筋肉の一つ。
大腿四頭筋の筋力が不足していると、早い段階で脚が上がりにくくなったり、疲労がたまりやすくなります。
ハムストリングス(太ももの裏側)
ハムストリングスは、膝を曲げたり後ろに蹴り出す動作を支える筋肉。
下り坂ではブレーキのような働きをするため、膝の負担を軽減してくれます。
登山中に膝が痛くなる原因の多くは「筋力不足」や「筋肉の使い方」にあります。
特に下りで膝に負担がかかるのは、太もも裏(ハムストリングス)やお尻の筋肉がうまく使えていない証拠かもしれません。
ハムストリングスは柔軟性も大事!ということで、下記の記事で紹介しているストレッチで、ハムストリングスの柔軟性も向上させましょう!

臀筋(お尻の筋肉)
大臀筋を中心としたお尻の筋肉は、体全体を前に押し出す推進力を生み出します。
特に荷物を背負った登山では、お尻の筋力がしっかりしていると、腰や膝の負担がグッと軽くなります。
お尻の筋肉は筋力も大事ですが、柔軟性も大事!お尻の筋肉が硬くなると腰痛に繋がります。腰痛解消のためにもお尻をストレッチしましょう!

体幹(腹筋・背筋まわり)
上半身と下半身をつなぐ「体幹」は、姿勢を保つために不可欠。
道が不安定な山道では、体幹の強さがバランス力にも直結します。
体幹が弱いと、疲れやすいだけでなく、転倒リスクも高まります。
腓腹筋(ふくらはぎ)
ふくらはぎの筋肉である腓腹筋は、坂道や段差を登るときの「蹴り出し」をサポートする筋肉。
長時間の登山では、血流を促し足のむくみや疲労を防ぐ「第2の心臓」としての役割も担っています。
腓腹筋は登山後半のバテ防止にも欠かせない筋肉です。
ふくらはぎの筋肉は疲れやすい筋肉の一つ。筋トレも大事ですが、疲労回復も大切ですので、セルフマッサージでふくらはぎの筋肉の疲労回復に励みましょう!

登山初心者向け!登山で必要な筋肉を鍛える5つの筋トレ
ここからは上記で紹介した登山に必要な5つの筋肉を鍛える5つのトレーニングの方法を紹介していきます。
5つののトレーニングはすべて「道具いらず」で自宅でできるのが魅力!筋トレ初心者でも、1日10分程度から無理なく始められます。登山前の準備運動としてもおすすめです。
ランジスクワット

- 脚を腰幅にひらいて立った状態から、片足を一歩前に踏みだす。
- 前足と後ろ足の膝をそれぞれ90度曲げる。
- 後ろ足のかかとは床から浮かせる。
- 前に踏みだした足を元に戻し、左右交互に一歩前に踏みだす。
ランジスクワットは太もも(大腿四頭筋)と体幹筋(腹筋・背筋)を鍛えるトレーニングです。
登山では一歩ごとの踏み出しに似た動きが多く、ランジスクワットの動きがそのまま応用されます。
ランジスクワットは特に登りの推進力アップに効果的です。
歩幅で強度を調節する
肩幅に脚をひらき、左右交互に一歩前に足を出しましょう。歩幅は基本、一歩幅ですが体力・筋力に合わせて調節しましょう。
- 「楽だ」と感じる → 「歩幅を大きくする」
- 「きつすぎる」と感じる → 「歩幅を小さくする」
歩幅を大きくすると上半身が前に倒れやすくなります。上半身が前に倒れてしまうと体幹筋がしっかり鍛えられません。上半身をしっかり起こしてランジスクワットを行いましょう。
つま先と膝の向きを揃える

前脚の膝とつま先は真っすぐ前を向くようにしましょう。特に膝は内側を向きやすいです。
膝が内側を向いていると、膝を痛めやすいので注意しましょう。膝とつま先の向きが揃っているか鏡を使って確認するのがおすすめです。
カーフレイズ

- 足を腰幅にひらいて、つま先を真っすぐ前に向ける。
- かかとをできるだけ高く上げる。
- かかとを下ろす時も気を抜かず、そっと下す。
つま先立ちを繰り返すカーフレイズは、腓腹筋(ふくらはぎ)を鍛えるトレーニング。
登山中の坂道での「蹴り出し」や「バテ防止」に役立ちます。
血流促進効果もあり、足のむくみ予防にも◎。
片足かかと上げで強度を上げる

上記の方法で物足りない場合は、片脚でかかとの上げ下げを繰り返しましょう。
壁などに手をついて、片脚を上げたままかかとの上げ下げを繰り返します。全体重が片脚に掛かるので、負荷が強くなります。
クランチ

- 仰向けで両脚をあげる。膝と股関節を90度にする。両手は頭の後ろで組む。
- 膝の位置は変えずに腹筋の力で起き上がり、肘を膝にあてる。
- 頭をぶつけないように注意して、上体を元に戻す。
クランチは腹筋を鍛えるトレーニングです。
腹筋がつくと、登山中に姿勢を保つ体幹力がつき、疲れにくくなります。また、荷物を背負って歩く際の安定感も向上。腰痛予防にも効果的です。
腹筋をとにかく強くした!という場合は下記の記事で紹介している筋トレも追加して行いましょう!

脚の位置は変えずに肘を膝に近づける

両手は頭の後ろで組んで、腹筋に力を入れて起き上がります脚の位置は変えずに起き上がり、肘を膝に近づけましょう。上げた脚の位置が変わらないよう注意しましょう。
膝の位置を変えないために、馴れない内は壁に足の裏をつけて行いましょう。膝と股関節を90度にし、足の裏を壁につけます。この状態でクランチを行うと、膝の位置が変わらずに行えます。
バックエクステンション

- うつ伏せの状態で行う。
- 肘を曲げ、軽く肩甲骨を寄せる。
- 胸と足を出来るだけ高く上げる。
- 反動をつけずに繰り返す。
うつ伏せで上体を反らせるバックエクステンションは、脊柱起立筋などの背筋を鍛えます。
登山ではリュックを背負って長時間歩くため、背中が丸まりやすく、姿勢が崩れやすい状態に。背筋を強化することで疲れにくく、猫背や腰の負担も軽減されます。
ヒップリフト

- うつ伏せの状態で行う。
- 肘を曲げ、軽く肩甲骨を寄せる。
- 胸と足を上げる。
- 反動をつけずに繰り返す。
仰向けでお尻を持ち上げるヒップリフトは、主に臀筋とハムストリングスを強化します。
これらの筋肉は、登りで体を押し出す、下りでブレーキをかける動作を支えてくれます。膝への負担軽減にもつながります。
片足でお尻を上げると強度が上がる

ヒップリフトではトレーニングの強度が物足りない場合は、片足でヒップリフトを行いましょう。片脚で行う場合も、
- お尻に力を入れること
- 膝から頭まで斜め一直線になるようにすること
を意識して行いましょう。
片足ヒップリフトも膝から肩がななめ一直線になるようにします(お尻の上げ過ぎに注意です)。
筋トレの効果を引き出す!実践のポイントと継続のコツ
せっかく筋トレを始めても、やり方を間違えると効果が半減してしまいます。
ここでは、登山の体力づくりにつなげるための正しいトレーニング方法と、続けるためのコツを紹介します。
筋トレの回数・セット数・頻度の目安
- 回数:10~15回を目安に
- 強度:「ややキツイ」~「キツイ」と感じる程度
- セット数:1~3セット(体力に応じて増やす)
- 頻度:週2~3回が理想。筋肉を回復させる「休息日」も大切。
初めは週2回、1セットずつでもOK。
筋トレが終わった時に「楽だ」と感じたタイミングが回数、またはセット数を増やす時です。無理なく始めて、少しずつ回数やセット数を増やしていきましょう。
フォームが命!
「正しいフォーム」で行うことが、ケガの予防にも、効率的な筋力アップにも不可欠です。
鏡を見ながらチェックしたり、最初はスローで丁寧に動くのがおすすめです。
回数より質を重視しましょう。
続けるコツ:ハードルを下げて習慣化
- 「1日10分だけ」と決める
- 朝や入浴後など、生活の中に“ルーティン”として組み込む
- 筋トレの前後にストレッチや呼吸を入れて、心地よく締めくくる
- カレンダーやアプリで「記録」して、達成感を積み上げる
特に登山の予定がある場合は、逆算して少しずつ筋力アップを目指すと目標が明確になり、モチベーション維持にもつながります。
まとめ
登山は自然の中で心身をリフレッシュできる素晴らしいアクティビティですが、意外と体力や筋力を必要とする場面も多くあります。
特に下り坂や長時間の歩行は、膝や腰に大きな負担がかかるため、あらかじめ筋肉を鍛えておくことが、疲労軽減やケガ予防に直結します。
今回紹介した5つの筋トレは、どれも特別な道具を必要とせず、初心者でも取り組みやすい内容です。
- 「登山をもっと楽しみたい」
- 「翌日に疲れを残したくない」
と感じる方こそ、今日からの少しの積み重ねが、山での景色や達成感を何倍にもしてくれます。
まずは週2回、短時間からでもOK。無理なく、でも確実に、山を楽しむカラダづくりを始めてみましょう。


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