【この記事でわかること】
- 副交感神経とは何か、交感神経との違い
- なぜ筋トレが副交感神経を高めるのか
- 副交感神経を整えるためのおすすめ筋トレ3選
- 筋トレをリラックス目的で行う際の注意点
- 自宅でできる副交感神経活性メニュー(動画あり)
疲れているのに眠れない。なんとなくイライラする。リラックスしたくても気持ちが落ち着かない──。
そんな悩みの背景には、「自律神経の乱れ」があるかもしれません。特に、休息や回復をつかさどる「副交感神経」が働きにくくなっていると、心も体も休まりません。
実は最近の研究で、「筋トレ」が副交感神経の活性化に役立つことがわかってきました。
この記事では、筋トレがどのように自律神経に影響を与えるのかをわかりやすく解説し、今すぐ実践できるリラックス筋トレもご紹介します。


副交感神経とは?|交感神経との違いを簡単に解説
交感神経と副交感神経の役割

私たちの体には「自律神経」と呼ばれる神経があります。これは意識しなくても体の働きをコントロールしてくれる、大切な神経系です。
その自律神経は、
- 活動・緊張をつかさどる「交感神経」
- 休息・回復をつかさどる「副交感神経」
の2つで構成されています。
日中は交感神経が優位になり、夜やリラックス時には副交感神経が働くのが理想的なバランス。しかし、ストレス社会ではこのバランスが崩れ、交感神経ばかりが優位になってしまいがちです。
「スマホの見すぎ」や「カフェインのとりすぎ」も、知らずに交感神経を刺激してしまう原因になります。
副交感神経が整うとどうなる?
副交感神経がうまく働くようになると、体にさまざまな良い変化が起こります。
- 心拍が落ち着き、呼吸がゆっくりになる
- 胃腸の動きが活発になり、消化がスムーズに
- 睡眠の質が向上し、深く眠れるようになる
- ストレスに強くなり、気持ちが安定する
つまり、副交感神経は「体を回復させるスイッチ」。このスイッチがちゃんと入ることで、健康な毎日をサポートしてくれます。
寝る前に深呼吸をゆっくり3回するだけでも、副交感神経は刺激されやすくなります。
深呼吸は「低気圧頭痛」を楽にすることもできます。詳しくは下記の記事へ!

筋トレは副交感神経を高めるって本当?|論文から解説

最新研究が明かす、筋トレの意外な効果
「筋トレって、リラックスとは真逆じゃないの?」と思うかもしれません。でも、ある研究がそのイメージをくつがえしました。
韓国の大学で行われた研究では、40〜60代の女性を対象に、8週間にわたって「有酸素運動グループ」と「筋トレグループ」に分けて運動を実施。
その結果、筋トレグループの方が、副交感神経の働きがより高まったと報告されています。
この研究から、「筋トレには体だけでなく、自律神経の回復機能を高める可能性がある」と考えられるようになったのです。
この研究では、筋トレが終わったあとの「回復モード」で副交感神経が活性化されていたことがポイントです。
論文について、もっと詳しく知りたい方は下記の記事へ!

なぜ筋トレでリラックスできるのか?

筋トレで副交感神経が活性化する理由は主に3つあります。
- 運動後に“休む神経”が働きやすくなる
運動中は交感神経が働きますが、終了後に「副交感神経」がグッと優位になります。
この切り替えが、神経の柔軟性を養います。 - 筋肉の動きで血流が良くなる
特に足や体幹の大きな筋肉を動かすと、全身の血液循環がスムーズに。
これがリラックス反応を引き出します。 - 「幸せホルモン」が出る
筋トレ後には、エンドルフィンやセロトニンといった、気分を落ち着かせるホルモンが分泌されます。
筋トレは「やる気スイッチ」だけでなく、「休息スイッチ」も押してくれる、万能なセルフケア法です。
副交感神経を優位にする筋トレ3選
① スクワット

- 足を肩幅に開いて立ちます
- 背すじを伸ばして、ゆっくり息を吐きながらしゃがむ
- 息を吸いながら立ち上がる
- 10回×2セット(慣れるまでは5回でもOK)
太ももやお尻は大きな筋肉が集中しており、ここを動かすと血流が一気に良くなります。呼吸を意識しながら行うと、副交感神経がさらに働きやすくなります。
「ゆっくり」と「呼吸を止めない」がリラックスのコツです!
スクワットのより詳しい方法を知りたい方は下記の記事へ!

② ヒップリフト

- 仰向けに寝て膝を立て、足を腰幅に開く
- お尻をゆっくり持ち上げる(息を吐きながら)
- 肩から膝が一直線になる位置でキープ
- 息を吸いながらゆっくり下ろす(10回×2セット)
骨盤まわりをやさしく動かすことで、緊張がやわらぎます。背中や腰の血流が改善され、全身の「ほっとする」感覚につながります。
骨盤が整うと、自律神経のバランスも整いやすくなります。
③ カーフレイズ(かかとの上げ下げ)

- 壁や椅子につかまりながら立つ
- ゆっくりかかとを持ち上げて、背伸び
- ゆっくりかかとを下ろす(10回×2セット)
ふくらはぎは“第二の心臓”と呼ばれるほど、血液循環に大きく関わっています。冷え・むくみ対策にもなり、副交感神経の働きをサポートします。
「足がほてって眠れない人」は、寝る1〜2時間前に行うのが特におすすめです。
ふくらはぎをもっと鍛えたい方は下記の記事で紹介している筋トレも行いましょう!ただし、就寝前に行うのは禁物です。

副交感神経を優位にする筋トレの注意点

強度を上げすぎない
ハードすぎる筋トレは交感神経が強く働いてしまい、逆効果になることがあります。
筋トレ終了後の感覚が「楽だ」「気持ちいい疲れ」くらいがベストです。
息が乱れるほどの運動はNG。リラックス目的なら「軽め」が基本です。
呼吸を止めない
呼吸を止めてしまうと、体が緊張してしまいます。常に「吸って、吐いて」を意識しながら動きましょう。
副交感神経は「吐く息」で活性化されると言われています。吐く時間を少し長めに意識すると◎。
寝る直前より、1時間前までに終える
筋トレ後は一時的に体温が上がるため、寝つきが悪くなることがあります。
寝る直前ではなく、1時間前までに終えるのが理想的です。
筋トレ→シャワー→ストレッチ→就寝、という流れが副交感神経に最適です。
YouTubeで副交感神経を優位にする筋トレをしよう
動画なら、フォーム確認&継続もラク!
「やり方がよくわからない」「続けられるか不安」という方は、YouTube動画で一緒に動くのが効果的です。私のYouTubeチャンネルで紹介している「筋トレ」を一緒に行いましょう!
まとめ|自分のペースで副交感神経を高めよう
副交感神経は、あなたの体と心をリラックスさせ、健康を支える大切な働きを担っています。
そして、「筋トレ」は、その副交感神経を優しく刺激できる身近な習慣です。
- 無理せず、軽く動く
- 呼吸を意識する
- 寝る前のルーティンにする
今日から1つ、はじめてみませんか?
自分のペースで整えていくことが、いちばんの近道です。


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