【この記事でわかること】
- 副交感神経とは何か。
- 科学的根拠のある「副交感神経を優位にする方法10選」
- 今日から無理なく始められる“体・生活・栄養”の整え方
- 最近ずっと緊張している感じがする
- 休んでも心も体も抜けきらない
- 自律神経が乱れている気がする…
そんな方の多くは、交感神経(緊張・戦うモード)が優位になりすぎ、 副交感神経(安心・回復モード)に切り替わりにくくなっている可能性があります。
本記事では、「なんとなくリラックスできそう」ではなく、 科学的な根拠がある副交感神経を優位にする方法だけ整理し、 今日から始められる形でまとめてご紹介します。
副交感神経とは?

自律神経は大きく分けて2つあります。
- 交感神経 … 活動・緊張・興奮の神経
- 副交感神経 … 休息・回復・安心の神経
ポイントは、どちらが「悪い」「良い」ではなく、バランスが大切ということ。
ただし、現代社会では
- ストレス
- 情報過多
- 寝不足
- 常に考え続ける生活
によって、交感神経が“ずっとON”になりがちです。
交感神経がずっとONの状態だと、
- 眠れない
- 疲れが抜けない
- 常に焦る
- 動悸・不安
- 肩こり
という不調として現れます。
下記の記事では「科学が認めた睡眠の質を高める10個の方法」を紹介しています。睡眠の質でお悩みの方必見です!

科学的に認められた副交感神経を優位にする方法【10選】
① 意図的な「長いため息(ロングサイ)」をする
“ため息=ネガティブ”というイメージがありますが、実は体が自然に行っている自律神経を整える呼吸の調整反応です。
長く吐く呼吸は迷走神経を介して心拍や緊張レベルを下げ、脳の過剰興奮を落ち着かせるメカニズムが示されています。
特に「吐く息が長い呼吸」は、副交感神経が働きやすい方向にスイッチを切り替えるサインになります。
長いため息(ロングサイ)のポイント
- 「はぁ〜……」と長く吐く
- 1〜2回で十分
- 深呼吸より“長い吐息”を意識
ため息は「弱さ」ではなく、体が自分を守る自然反応。安心して行ってOKです。
② “安心できる声・優しい音・自然音”を聞く
副交感神経の中枢と言われる迷走神経は、「安心・安全」を感じる社会的刺激に反応することが知られています。
- 穏やかな声
- 自然音
- やさしい音
は脳の“危険監視モード”を弱め、体に「今は安全」というメッセージを伝えます。
結果、呼吸や心拍が落ち着き、副交感神経が働きやすい状態になります。
副交感神経を高める音を聴くポイント
- 自然音(波・雨・森の音)
- 落ち着く声のラジオや朗読
- 静かで柔らかい音環境をつくる
「音楽」よりも、“安心を感じる音かどうか”が最重要ポイント。
自然音を聞きたい時は、直接自然の中に飛び込む「森林浴」もおすすめ。下記の記事では「科学が認めた森林浴の効果」を紹介しています。

③ 皮膚刺激(温かい触覚/ブランケット・蒸しタオル・セルフハグ)
皮膚は「外界との境界」。
温かく、やさしい触覚刺激は、脳に“守られている”“安全”という安心シグナルを送ります。
これは迷走神経系やオキシトシン分泌とも関連し、
- 心拍
- 緊張
- 精神的安定
にプラスの影響を与えます。結果、体は“戦闘モード”から“安心モード”に切り替わりやすくなります。
皮膚刺激のポイント
- 肩にブランケットをかける
- 蒸しタオルを首・目元に
- 軽く自分を抱くセルフハグ
ポイントは “温かさ+包まれる感覚”。安心感が副交感神経を後押しします。
④ ストレッチ
身体が緊張すると交感神経が働きやすくなります。
逆に、やさしく筋肉を伸ばすことで筋緊張がゆるむと、呼吸が深まり、“リラックスしやすい神経状態”へと移行しやすくなります。
特に、首・肩・背中はストレスで固まりやすく、ここを緩めることが大きな効果につながります。
① 首(首の後ろ)

- 床にあぐらや楽な座り方で座る
- 背筋を軽く伸ばし、あごを軽く引く
- そのまま 頭を前に“コロン”と預けるように前に倒す
- 両手を後頭部に軽く添え、重みを少しだけ乗せる
- 痛みゼロの範囲で 10〜20秒 キープ
「伸ばすぞ!」ではなく“頭の重さに任せて預ける”感覚が理想。呼吸がスーッと楽になればOKです。
② 肩(三角筋)

- 右腕を肩の高さで前に伸ばす
- その腕を 体の前を横切るように左方向へ 引く
- 左手で右ひじ or 右腕を軽く抱えてサポート
- 痛みゼロで 10〜20秒 キープ(左右交互に)
肩を上げないことが一番大切。“脱力した肩を横に寄せてあげる”イメージで行うと副交感神経と相性◎。
③ 背中(菱形筋)

- 床座位で背すじを軽く伸ばす
- 両腕を前に伸ばし 手の甲を合わせる(指を軽く絡めてもOK)
- そのまま腕を軽く前に押し出す
- 同時に 背中を丸め、肩甲骨を左右に広げる意識
- 10〜20秒キープ
手を前に出すことが目的ではなく、「肩甲骨が左右に広がる感覚」を作るのが目的。
背中の奥の緊張が“ふわっ”と抜ければ成功です。
⑤ 夜の強い光・スマホ刺激を減らす
夜の強い光やブルーライトは、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を抑え、交感神経を優位に保ち続ける方向に作用します。
その結果、寝ても回復しづらくなり、自律神経バランスが崩れてしまいます。
光環境を整えることは、副交感神経が働きやすい体内リズムを取り戻す基本です。
強い光・スマホ刺激を減らすポイント
- 寝る60分前から照明を落とす
- 可能ならスマホを手放す
- まずは画面の明るさを弱くするだけでもOK
完璧を目指す必要なし。“今より少し減らす”だけでも効果があります。
スマホの使い過ぎで起こる「スマホ首」はストレッチで解消できます。肩こりや目の疲れでお悩みの方必見です!

⑥ ゆっくりよく噛む(咀嚼回数を増やす)
咀嚼は脳幹を通じて自律神経に影響し、一定リズムの刺激が心の落ち着き・集中の安定と関連することが報告されています。
さらに「ゆっくり食べる」こと自体が副交感神経が担当する“消化モード”を助けるため、神経系のリラックスにもつながります。
ゆっくりよく噛むポイント
- いつもより5〜10回多く噛む
- 早食いを避ける
- 食べている最中にスマホやタブレットを操作しない
食べ方そのものが、自律神経ケアになるという視点が大切です。
⑦ 中強度のウォーキング
一定リズムの有酸素運動は、心拍変動(HRV:自律神経の柔軟性の指標)を改善することが報告されています。
これは、体がストレス反応とリラックス反応を“切り替える力”を取り戻すという意味で、副交感神経が働きやすい身体づくりに直結します。
中強度のウォーキングのポイント

- 会話できるくらいのペース
- 「ややきつい」と感じるペース
- 軽く汗ばむ程度
- 安静時心拍数+20~30拍
- 5〜15分からでOK
目的は「鍛える」ではなく、“気持ちよく動く習慣”をつくること。
⑧ 寝た姿勢・横たわった状態での軽いエクササイズ
仰向けや横向きの姿勢は、人が本能的に“安全”と感じやすい姿勢。
この状態で体をやさしく動かすことで、安心+体の活性化という良い刺激が同時に得られます。体と神経の両方向から、リラックスをサポートする方法です。
① ヒップリフト

- 仰向けに寝て、膝を立てる(足は腰幅)
- 手は体の横、肩の力は抜く
- お尻を締める意識でゆっくり持ち上げる
- 膝〜体〜肩が軽く斜め一直線になったら止める
- ゆっくり下ろす
- 8〜12回 × 1セット(余裕があれば2セット)
腰で反らないよう注意。「お尻で持ち上げて、お尻で下ろす」意識が安心&効果的。
② プランク

- うつ伏せ → 肘と前腕を床につける
- 体を軽く持ち上げる(まずは膝つきでもOK)
- お腹を“少しだけ引き締める”意識
- 呼吸を止めず 10〜20秒 を目安にキープ
「頑張るプランク」にしないことが一番重要。息が乱れない“楽なプランク”が、副交感神経と相性◎。
③ 足ひらき

- 横向きで寝て、膝を軽く曲げる
- 体はリラックス、上側の足だけを ゆっくり開く→閉じる
- 骨盤がぐらつかない範囲で
- 左右 各8〜12回
高く上げる必要なし。「股関節がやさしく動いている感覚」だけで十分。
⑨ 血糖スパイクを避ける
「血糖スパイク」とは、食後に急激に血糖値が上昇すること。
急激な血糖上昇と下降は、身体にとって強いストレス刺激。これが交感神経を刺激し、結果として自律神経の安定を崩す要因になります。血糖を“穏やかに”保つことは、神経の安定にも直結します。
血糖スパイクを避けるポイント
- 食物繊維・たんぱく質を一緒に
- 空腹で甘いものをいきなり食べない
- 「ゆっくり吸収」を意識
厳しい制限は不要。ゆるく意識するだけでも十分効果があります。
⑩ マグネシウムを意識して摂る
マグネシウムは「リラックスのミネラル」と呼ばれ、神経の興奮抑制・筋緊張の緩和に関与。
不足すると神経が過敏になりやすく、ストレスへの耐性が下がるとも報告されています。“不足しやすい栄養素”だからこそ、少し意識して補う価値が大きいのが特徴です。
マグネシウム摂取のポイント
- 納豆
- ナッツ
- ほうれん草
- 玄米
などを普段の食事にいれる。
特別なサプリより、まずは食事で“少し意識する”ところから。
マグネシウム不足は「睡眠の質」にも悪影響を与えます。詳しくは下記の記事で!

やってしまいがちなNG行動
- いきなり激しい運動でリフレッシュしようとする
- 「気合い・我慢」でなんとかしようとする
- 寝る直前までスマホ・強い光にさらされる
- お酒でリラックスしようとする
- 完璧に全部やろうとして疲れてしまう
副交感神経を整えるコツは、 「頑張る」ではなく「安心できる状態を少し増やすこと」。
無理なく続けられる“やさしい一歩”から始めるのがいちばん効果的です。
まとめ|副交感神経を高めるには安心できる環境づくりから
副交感神経は“休む神経”というより、“安心の神経”。
だからこそ大切なのは、
- 体と心に「大丈夫」というサインを与えること
- 無理や刺激を減らし、安心できる時間を少しずつ増やすこと
- 「頑張って整える」ではなく、「安心できる状態を作る」こと
です。
この記事で紹介した副交感神経を高める方法10個すべてを完璧にやる必要はありません。
気になったものを1つだけ始めるだけでも十分効果があります。小さな一歩が、自律神経を整える大きな一歩になります。
参考文献
- Thayer JF, Lane RD. A model of neurovisceral integration: implications for health psychology. Psychophysiology.
- Porges SW. The Polyvagal Theory.
- Stanford University Neuroscience Group
- Harvard Medical School – Effects of light exposure and sleep on autonomic function
- Exercise and HRV: Routledge et al., Frontiers in Physiology.
- Nutrition and stress: Science of magnesium, glucose stability and autonomic balance


コメント