【この記事でわかること】
- 基礎代謝の意味と仕組み
- 基礎代謝が下がる原因
- 科学的に証明された代謝アップの10の方法
- 今日からできる生活習慣の工夫
- YouTubeでできる朝トレ紹介
「食事を減らしているのに痩せない」「昔より太りやすくなった」──それは基礎代謝の低下が関係しているかもしれません。
基礎代謝とは、私たちが何もしていなくても使っているエネルギーのこと。
- 呼吸をしたり
- 心臓を動かしたり
- 体温を保ったり
と、生きているだけで消費される“見えないカロリー”です。
この記事では、基礎代謝の意味をわかりやすく解説し、科学的に証明された代謝を上げる10の方法を紹介します。
「痩せやすい体づくり」を始めたい方は、ぜひ参考にしてください。


基礎代謝とは?

基礎代謝とは、体を動かしていないときにも使われているエネルギーのことです。
例えば、寝ている間も心臓は動き、呼吸をし、体温を保っています。これらすべてにエネルギーが必要で、これが“基礎代謝”です。
1日に使うカロリーのうち、およそ7割が基礎代謝だと言われています。つまり、運動よりも「体の中で自然に消費されるエネルギー」のほうが大きいのです。
基礎代謝が高い人・低い人の違い
- 筋肉が多い人は代謝が高い(筋肉はエネルギーをたくさん使う)
- 年齢とともに筋肉が減ると代謝が下がる
- 男性より女性のほうが代謝はやや低め
同じ体重でも、筋肉が多い人は“燃費が良い体”。一方、運動不足や加齢で筋肉が減ると“燃費の悪い体”になります。
基礎代謝が下がる主な原因

- 運動不足による筋力の低下
- 加齢による筋肉の減少
- 睡眠不足やストレスによるホルモンの乱れ
- 食事を抜く、極端なダイエットによるエネルギー不足
30代以降は、1年で約1%ずつ筋肉量が減ると言われています。何もしないと、10年で約10%も代謝が下がる可能性があります。
科学的に証明された!基礎代謝を上げる10の方法

① 筋トレで筋肉量を増やす
筋肉は「体のエンジン」。筋肉が多いほど、何もしていなくてもエネルギーを消費します。
特に下半身の筋肉(太もも・お尻)は体全体の筋肉の約60%を占めるため、スクワットなどの大筋群トレーニングが代謝アップには最も効果的です。
女性でも軽めの負荷で回数を多く行うことで十分効果があり、週2〜3回を続けると安静時代謝量(RMR)が上がることが報告されています。
筋トレ後24〜48時間は代謝が高い状態が続き、“太りにくい時間帯”を作れる。
下記の記事では筋トレ初心者向けの筋トレを紹介しています!

② 有酸素運動で“EPOC効果”を得る
有酸素運動を行うと、運動後も体は「酸素を多く使う状態」が続きます。
これはEPOC(運動後過剰酸素消費量)と呼ばれ、体が回復する過程でカロリーを消費し続ける現象です。
- ウォーキング
- サイクリング
- HIIT(高強度インターバルトレーニング)
など、自分に合ったペースで行えばOK。短時間でも代謝アップ効果があります。
1日20分の軽いウォーキングでも代謝は上がる。継続が何より大切。
下記の記事ではHIIT(高強度インターバルトレーニング)のダイエット効果を詳しく解説しています!

③ タンパク質をしっかり摂る
たんぱく質を食べると、消化のときに多くのエネルギーを使うため、炭水化物や脂質よりも「食べるだけで代謝が上がる」栄養素です。
この現象は食事誘発性熱産生(DIT)と呼ばれ、高たんぱく食では1日の消費カロリーが約10%増えるという報告もあります。
朝食でたんぱく質を摂ると、1日の代謝リズムが整いやすい。
④ 水を飲む(ウォーターボーリック効果)
体は冷たい水を飲むと、その温度を体温に合わせようとエネルギーを使います。この反応により、水500mlで代謝が約30%上がるという結果が報告されています。
特に朝起きた直後のコップ1杯の水は、体を“活動モード”に切り替えるスイッチになります。
冷水でなくてもOK。常温〜ぬるま湯をこまめに摂るのが◎。
⑤ 睡眠を整える
睡眠不足が続くと、筋肉を作るホルモンが減り、食欲をコントロールするホルモン(レプチン・グレリン)が乱れます。その結果、「脂肪がつきやすく、筋肉が減りやすい」状態になり、代謝が下がる原因になります。
7時間前後の規則正しい睡眠を心がけましょう。
寝る90分前に入浴し、室温を少し低めにすると睡眠の質が向上します。
「睡眠の質を下げる原因は男女によって異なる」ことを下記のサイトで解説しています!睡眠の質にお悩みの方必見です!

⑥ ストレスを減らす&笑う(自律神経を整えて代謝アップ)
ストレスが続くと、体が常に緊張した「戦闘モード(交感神経優位)」になり、血流が悪化して代謝が下がります。
反対に、リラックスしているときは「副交感神経」が働き、呼吸が深くなり、体温や血流が整い、代謝がスムーズになります。
- ヨガ
- 深呼吸
- ストレッチ
などのゆるやかな運動は、副交感神経を刺激し、ストレスホルモン(コルチゾール)を減らす効果があります。
さらに、「笑う」ことも科学的に代謝アップに有効です。
笑うと呼吸と心拍が一時的に上がり、体が温まり、エネルギー消費が10〜20%ほど増えるという研究もあります。
好きな音楽を聴いたり、軽く笑える動画を観たりするだけでもOK。“リラックス+笑顔”が、代謝を高める最強コンビです。
⑦ 朝日を浴びる
朝の光を浴びることで、体のリズムをつくる「体内時計」がリセットされます。このリズムが整うと、体温とホルモン分泌が安定し、1日の代謝サイクルが活発になります。
起きたらすぐカーテンを開けて、3分間でも日光を浴びてみましょう。
朝の散歩は「代謝アップ+メンタル安定」にも効果的。
⑧ 入浴で体を温める
お風呂に入ると体の深部体温が上がり、血流が良くなります。これにより酸素と栄養の巡りが改善され、代謝が活性化します。
特に40℃前後のお湯に10〜15分つかると、安静時代謝が一時的に約10〜15%上昇することがわかっています。
寝る1時間前の入浴で「代謝アップ+快眠効果」のダブルメリット。
⑨ スパイスを活用(カプサイシン・ショウガ)
唐辛子に含まれる「カプサイシン」や生姜の「ジンゲロール」は、交感神経を刺激し、体温と代謝を上げる働きがあります。
香辛料を使うと一時的に心拍数や体温が上がり、エネルギー消費が約10%増えるとの報告も。
スープや味噌汁に少量加えるだけで、代謝スイッチがON。
みんなが大好きなカレーにスパイスを入れるだけで腸内環境が整います!詳しくは下記の記事へ!

⑩ 腸内環境を整える(消化吸収を助ける)
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、体全体の調子を左右する臓器です。
腸内環境が乱れると、栄養の吸収がうまくいかず、筋肉を作るための材料やエネルギー代謝に必要な物質が不足します。
反対に、腸が整うとエネルギー利用効率が上がり、代謝がスムーズになります。発酵食品(ヨーグルト・納豆・味噌)や食物繊維を意識して摂りましょう。
1日1回「発酵食品+野菜」を組み合わせるだけでもOK。腸から整えると、代謝だけでなく気分や睡眠の質も良くなります。
今日からできる!基礎代謝を上げる生活習慣チェックリスト
基礎代謝を上げるには、特別なトレーニングよりも“毎日の小さな習慣”を積み重ねることが大切です。
ここでは、科学的に効果が示されている「日常でできる代謝アップ習慣」を紹介します。
朝の習慣:体内時計を整えて代謝スイッチON

- 起きたらすぐカーテンを開けて日光を浴びる(セロトニン分泌を促進)
- コップ1杯の水を飲む(ウォーターボーリック効果)
- 朝食にタンパク質を入れる(卵・納豆・ヨーグルトなど)
朝の行動で“体内リズム”が整うと、1日の代謝が活発にスタートします。
たんぱく質といったらプロテインですが、プロテインはよく腎臓に悪いと言われています。しかし、これは本当なのでしょうか?下記の記事では腎臓とプロテインの関係について科学的根拠を基に紹介しています。
プロテインを飲む方必見です!

日中の習慣:こまめに動いて血流を促す

- 1時間に1回は立ち上がって軽く伸びをする
- エスカレーターより階段を選ぶ
- デスクワーク中は姿勢を意識して座る
“ちょっと動く”を積み重ねることで、NEAT(非運動性活動熱産生)が自然に増えます。
夜の習慣:リラックスして回復モードへ

- ぬるめのお湯(約40℃)に10〜15分浸かる
- スマホは寝る1時間前にOFF
- ストレッチや深呼吸で副交感神経を優位に
夜に心身をリラックスさせることで、睡眠中の代謝・ホルモンバランスが整います。
食生活の習慣:代謝を支える栄養を意識

- 毎食にタンパク質+野菜を入れる
- 発酵食品や食物繊維で腸内環境を整える
- 冷たい飲み物を減らして、体を冷やさない
“栄養を入れる”だけでなく、“消化・吸収を助ける”ことが代謝の底上げにつながります。
心の習慣:笑う・リラックスする

- 好きな音楽や動画で気分を軽く
- 深呼吸でストレスをリセット
- 1日1回「ふっと笑う瞬間」を作る
笑うと呼吸・血流・体温が上がり、代謝ホルモンが活性化します。ストレスを減らすことは、体のエネルギー効率を上げる最短ルートです。
動画で一緒に!朝の「モーニング筋トレ」で代謝スイッチON
朝に軽く体を動かすと、体温と代謝が一気に上がり、1日を通して“脂肪が燃えやすい体”に切り替わります。私のYouTubeチャンネルでは、短時間で全身を動かせる「モーニング筋トレ」を紹介しています。
まとめ|基礎代謝を上げれば、自然に“痩せやすい体”になる
- 基礎代謝は、生命活動に使われるエネルギーのこと
- 筋肉・運動・食事・生活習慣のすべてが代謝を左右する
- 難しいことを続けるより、“小さく継続”が大切
「基礎代謝を上げる=体を味方につけること」。毎日のちょっとした行動で、代謝は必ず変わります。
参考文献
- Campbell WW, et al. Journal of Applied Physiology, 1994.
- LaForgia J, et al. Sports Medicine, 2006.
- Johnston CS, et al. American Journal of Clinical Nutrition, 2002.
- Boschmann M, et al. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 2003.
- Spiegel K, et al. The Lancet, 2004.
- Kirkwood G, et al. Journal of Psychosomatic Research, 2017.
- Buchowski MS, et al. International Journal of Obesity, 2007.
- Cajochen C, et al. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 2005.
- Ludy MJ, et al. Physiology & Behavior, 2012.
- Cani PD, et al. Gut, 2009.
- 藤田智子ほか. 体温と代謝研究, 2018.


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