【この記事でわかること】
- 骨格筋率とは?平均値と理想の目安
- 骨格筋率を上げるために必要な運動の考え方。
- 初心者でも取り組める筋トレメニュー7選とその効果。
- 骨格筋率を上げるための継続と食事のポイント。
- 「筋トレしているのに、骨格筋率がなかなか上がらない」
- 「体脂肪は減ってきたのに、筋肉量が増えている実感がない」
そんな悩みを抱えていませんか?
骨格筋率を上げるには、体の大きな筋肉を効率よく鍛え、継続的に刺激することがポイントです。
この記事では、医療系運動指導士の視点から、骨格筋率アップに効果的なトレーニングと実践のコツをご紹介します。


骨格筋率とは?平均値と理想の目安
骨格筋率の定義

骨格筋率とは、体重に占める“骨格筋(自分の意思で動かせる筋肉)”の割合を指します。
骨格筋は、
- 姿勢を保つ
- 関節を動かす
- 歩く
- 走る
といった日常動作の基本となる筋肉です。
例えば、体重60kgの人の骨格筋量が24kgなら、骨格筋率は40%。
この数値が高いほど、「筋肉がしっかりついていて代謝が良い体」と言えます。
骨格筋率とは、「体重に占める骨格筋の割合」のことを指します。一般的に体組成計(InBodyなど)で計測される項目です。


骨格筋率の目安
骨格筋率の基準は年代と性別によって異なります。
性別 | 年齢 | 低い | 普通 | 高い |
---|---|---|---|---|
男性 | 20代 | 33%以下 | 33~38% | 38%以上 |
男性 | 30代 | 32%以下 | 32~37% | 37%以上 |
男性 | 40代 | 31%以下 | 31~36% | 36%以上 |
男性 | 50代 | 30%以下 | 30~35% | 35%以上 |
女性 | 20代 | 29%以下 | 29~34% | 34%以上 |
女性 | 30代 | 28%以下 | 28~33% | 33%以上 |
女性 | 40代 | 27%以下 | 27~32% | 32%以上 |
女性 | 50代 | 26%以下 | 26~31% | 31%以上 |
骨格筋率は、筋肉量の増減だけでなく、体重の変化によっても左右されるため、定期的に測定して変化の傾向をチェックすることが大切です。
骨格筋率の目安は、体組成計のメーカーや、年齢、性別によって異なります。上記はあくまでも目安であり、個人差が大きいことを理解しておきましょう。
測定時の注意点
体組成計の結果は体内の飲食物や水分の影響を強く受けます。そのため、骨格筋率の測定前2~3時間は食事を避け、水分の摂取も測定前の1~2時間は避けるようにしましょう。
骨格筋率を上げることのメリット
- 基礎代謝の向上
- 脂肪燃焼効果
- 運動の能力の向上
- 姿勢の改善
- 関節への負担の軽減
- 疲れにくくなる
- 睡眠の質の向上
- 自信がつく
骨格筋率が上がると、見た目の引き締まりだけでなく、基礎代謝が上がり、太りにくく疲れにくい身体になります。
骨格筋率が高い人ほど、体内でのエネルギー消費が多く、脂肪が蓄積しにくい体質になっていきます
関節の痛みを和らげるにはストレッチも効果的です。下記の記事では膝痛を軽くするストレッチを紹介しています。

骨格筋率を上げる筋トレのポイント
骨格筋率を上げるには、筋トレをただ頑張るだけではいけません。正しい方法で行うことで、確実に成果を出すこと出来ます。
回数とセット数
筋トレ初心者であれば、
- 1種目あたり10~15回
- 「ややキツイ」と感じる強度
- 1~3セット
を目安に行いましょう。
筋トレに馴れたらキツイと感じるまで追い込む
筋トレに馴れてきたら「キツイ」と感じる回数・セット数を設定しましょう。
「楽だ」と感じる筋トレは効果が出ません(出にくいです)。筋トレの効果をしっかり出すためには「キツイ」と感じる回数とセット数を行わなければなりません。
最後の数回で「キツイ」と感じる負荷が理想です。
正しいフォームで行う
間違ったフォームでは、鍛えたい筋肉に効かず、関節に負担がかかってケガの原因になります。
最初は鏡でフォームを確認したり、動画を参考にしながら丁寧に行いましょう。
フォームを意識すると、同じ回数でも筋肉への刺激が1.5倍以上になるという研究もあります!
効果が現れるのを3か月は待つ
筋肉の変化は、およそ3週間〜2ヶ月ほどで少しずつ実感できます。
骨格筋率はすぐに数値に出るわけではありませんが、継続することで確実に身体は変わっていきます。
「筋肉が育つスピード」は人それぞれ。まずは体重より、見た目と体の感覚に注目するとモチベーションを保ちやすいです。
やる気を維持する工夫
筋トレは「継続」が命。
お気に入りの音楽をかけたり、トレーニング記録をつけることで、楽しみながら続ける工夫をしましょう。
「昨日より1回多くできた」などの小さな達成感を積み重ねることが成功のカギとなります。
筋トレを行う時はやる気を高める音楽を流しましょう。
音楽はやる気を高める効果があるため、筋トレの継続には欠かせません。YouTubeやSpotifyを活用し、やる気を上げる音楽を流しましょう。

休養と栄養も大事
筋肉は「鍛える→休ませる→成長する」のサイクルでつくられます。
十分な睡眠とタンパク質を中心とした栄養補給が、筋肉の修復・合成をサポートしてくれます。
最近は筋トレ後にプロテインやサプリメントを摂ることが主流となっていますが、まずは三食しっかり食べましょう。三食食べた上で、プロテインやサプリメントを活用しましょう。


骨格筋率を上げる!7つのの筋トレ
ここからは骨格筋率を上げる筋トレを7つ紹介します。
フルスクワット

- 脚は肩幅程度ひらく。
- 膝を深く曲げ、お尻を床に近づける。
- 膝を伸ばして、元の状態に戻る。
- 膝の曲げ伸ばしを繰り返す。
フルスクワットは太ももとお尻の筋肉を鍛えます。太ももとお尻の筋肉は身体の中でも大きい筋肉のため、鍛えることで骨格筋率が上がりやすい特長があります。
背中を真っすぐにする

フルスクワットは背中を真っすぐにして行いましょう。背中がまるくなってしまうと腰や肩に負担が掛かってしまいます。膝を曲げる前に、背中が真っすぐであることを確認しましょう。
フルスクワットの細かな方法は下記の記事で紹介しています。

支えを使ってもOK
筋力に自信がない場合は、椅子の背もたれやテーブルを支えに使いましょう。
フルスクワットはかかとに重心が掛かるため、尻もちをつきやすい筋トレです。後ろに倒れないように注意して行いましょう。
カーフレイズ

- 足を腰幅にひらいて、つま先を真っすぐ前に向ける。
- かかとをできるだけ高く上げる。
- かかとを下ろす時も気を抜かず、そっと下す。
カーフレイズはふくらはぎを鍛える筋トレです。かかとを上げる時だけでなく、かかとを下げる時も重要なトレーニングです。
片脚カーフレイズ

- 足を腰幅にひらいて、つま先を真っすぐ前に向ける。
- 片足を挙げる。
- 片足は挙げたまま、もう一方のかかとをできるだけ高く上げる。
- かかとを下ろす時も気を抜かず、そっと下す。
- 決めた回数を行ったら、左右の足を入れ替える。
片足カーフレイズはカーフレイズよりも強度が高い筋トレです。カーフレイズでは物足りない場合、挑戦してみましょう。
プッシュアップ

- 両手とつま先をマット(または床)について、背中を真っすぐにする。
- 肘を曲げ、胸をマットに近づける。
- 胸がマットにギリギリまで近づいたら、肘を伸ばす。
- 反動(勢い)をつけずに行う。
プッシュアップは胸の筋肉を鍛えます。胸の筋肉は上半身の筋肉の中ではサイズが大きな筋肉です。
胸の筋肉をつけたい!という方には下記の記事で紹介している筋トレがおすすめです。

肘付きプッシュアップ

- 両手と膝を床につき、膝下を上げた状態から始める。
- 肘を曲げて胸を床に近づける。
- 胸が床につく寸前で、肘を曲げるのを止める。
- 肘を伸ばして、元の状態に戻る。
肘つきプッシュアップも反動をつけずに行いましょう。
また、肘つきプッシュアップはノーマルプッシュアップがキツ過ぎて出来ない人向けのトレーニングです。
- 女性
- 運動不足な方
- 筋トレ初心者
- 高齢者
におすすめのトレーニングです。
バックエクステンション

- うつ伏せの状態で行う。
- 肘を曲げ、軽く肩甲骨を寄せる。
- 胸と足を上げる。
- 反動をつけずに繰り返す。
バックエクステンションは背中を鍛える筋トレです。背中の筋肉は身体の中でサイズが大きな筋肉なため、バックエクステンションは骨格筋率を上げるのに効果的なトレーニングです。
「背中が凝っている」と感じたら背中のストレッチを行いましょう。ストレッチで背中の筋肉をほぐすことで、背中の筋トレの効果も上がります。

ヒップリフト

- 仰向けの状態で両膝を立てる。
- お尻に力を入れて、お尻を持ち上げて、膝から頭まで斜め一直線になるようにする。
- ゆっくりお尻を下げる。
- お尻の上げ下ろしを繰り返し行う。
ヒップリフトのポイントはお尻を鍛えるトレーニングです。お尻を上げた際にお尻をキュッと小さくしましょう。
お尻を重点的に鍛えたい場合は下記の記事で紹介している筋トレも行いましょう。お尻を鍛えることで「ヒップアップ」し、姿勢も改善されます。

片足ヒップリフト

ヒップリフトではトレーニングの強度が物足りない場合は、片足でヒップリフトを行いましょう。片脚で行う場合も、
- お尻に力を入れること
- 膝から頭まで斜め一直線になるようにすること
を意識して行いましょう。
片足ヒップリフトも「膝から肩がななめ一直線にすること」と「腰を反らさないこと」に注意して行いましょう。
パームカール

- 鍛えたい方の腕を真下に伸ばし、反対の手は真下に伸ばした手首を掴む。
- 真下に伸ばした方の肘を曲げる。
- 肘を曲げる際、肘を曲げるのを妨げるように手首を掴んだ手に力を入れる。
- 肘を伸ばす際も肘を伸ばすのを妨げるように、手首を掴んだ手に力を入れる。
パームカールは力こぶの筋肉を鍛える筋トレです。
腕の疲労は肩こりや首こり、目の疲れに繋がります。腕が疲れてだるい時は下記の記事で紹介しているストレッチを行いましょう。

クランチ

- 仰向けで両脚をあげる。膝と股関節を90度にする。両手は頭の後ろで組む。
- 膝の位置は変えずに腹筋の力で起き上がり、肘を膝にあてる。
- 頭をぶつけないように注意して、上体を元に戻す。
クランチは腹筋を鍛えます。
膝の位置は変えない

クランチのポイントは膝の位置を変えないことです。膝の位置がずれてしまうと、腹筋以外の筋肉に刺激が入ってしまい、腹筋を鍛える効果が減ってしまいます。
膝の位置を変えないために、壁に足の裏をつけて行いましょう。膝と股関節を90度にし、足の裏を壁につけます。この状態でクランチを行うと、膝の位置が変わらずに行えます。
骨格筋率Q&Aコーナー|骨格筋率UPに関するよくある質問
骨格筋率って、何%以上なら良いんですか?
一般的に、男性は33%以上、女性は27%以上が理想的と言われています。あくまで目安ですが、基準にしてみてください。
筋トレは毎日やったほうがいいの?
毎日やる必要はありません。週2~3回でも十分効果があります。筋肉には「回復の時間」も大切なので、休息日もトレーニングの一部です。
家で筋トレしても骨格筋率は上がりますか?
はい、もちろんです!自重トレーニングでもしっかり負荷をかければ、筋肉は育ちます。続けることが大切です。
有酸素運動だけじゃダメ?
有酸素運動も健康には良いですが、骨格筋率を上げるには「筋トレ」が必要です。有酸素運動と組み合わせるのがベスト。
筋トレしてるのに体重が増えました…なぜ?
それはむしろ良い兆候かも!筋肉は脂肪より重いので、筋肉が増えると一時的に体重が増えることがあります。見た目や体の引き締まりを基準に考えてみましょう。
プロテインは飲んだ方がいい?
無理に飲む必要はありません。まずは三食をしっかり、バランス良く食べることを意識しましょう。
- 豆乳
- 納豆
- 卵
など、たんぱく質が豊富な食材を摂るようにして下さい。
まとめ|骨格筋率アップは“正しいトレーニング×継続”で達成できる
骨格筋率を上げるには、筋肉をつけるだけでなく、身体のバランスを整えることも重要です。
「やみくもな筋トレ」ではなく、大筋群を中心に、全身をしっかり動かす戦略的なアプローチが効果を発揮します。
筋肉は、あなたの体を「動かす」「守る」「変える」力そのもの。
骨格筋率を上げる習慣は、未来の健康と自信を育てる第一歩です。今日から始めて、少しずつ「筋肉のある体」をつくっていきましょう。


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