【この記事でわかること】
- 副交感神経とは?整えることのメリット
- 副交感神経を優位にする7つのストレッチ
- 日常に取り入れやすいコツとタイミング
- 寝ても疲れが取れない
- 理由もなくイライラする
- ふとした時に息苦しさを感じる
そんな“原因不明の不調”に悩まされていませんか?
病院で検査をしても異常がなく、どうしていいか分からない…。その不調、実は“自律神経の乱れ”が原因かもしれません。
この記事では、心と体を「休息モード」に切り替えるために大切な副交感神経を優位にする7つのストレッチをご紹介します。
今日からすぐにできるストレッチを取り入れて、心身のバランスを整えましょう。


副交感神経とは?優位にする意味
自律神経には、私たちの体を自動でコントロールしてくれる2つの神経があります。
- 交感神経:活動・緊張モード(仕事中、運動中など)
- 副交感神経:休息・回復モード(寝る前、リラックス時)
現代社会ではストレスやスマホ・夜更かしの影響で、交感神経ばかりが働きがちです。この状態が続くと、眠れない・疲れがとれない・気分が不安定といった不調が現れます。
逆に、副交感神経を優位にすることで
- ぐっすり眠れる
- 気持ちが落ち着く
- 胃腸の調子が整う
- 回復力が上がる
といった嬉しい効果が期待できます。
回復力を上げるには筋トレもおすすめ!筋トレ初心者は軽めの筋トレから始めましょう!

ストレッチが副交感神経を優位にする理由
ストレッチは、なぜ副交感神経を活性化させるのに有効なのでしょうか?
その理由は、筋肉と神経の密接な関係にあります。
①筋肉の緊張をゆるめると「安心モード」に切り替わる
ストレスや疲労がたまると、無意識のうちに首・肩・背中・腰などの筋肉が緊張します。筋肉がこわばった状態では、交感神経(興奮・緊張モード)が優位になります。
反対に、ストレッチによって筋肉がゆるむと、体は「もう戦わなくていい」「安心していい」と判断し、副交感神経(リラックス・回復モード)が優位になるのです。
日中のパソコン作業やスマホの使用で特に固まりやすいのが「肩甲骨まわり」。ここをほぐすだけでも、呼吸がしやすくなりリラックスしやすくなります。
肩こりを解消したいなら、「脇ストレッチ」も一緒に行いましょう!

② ゆっくりとした動きと呼吸が神経を落ち着かせる
ストレッチでは、急激な動きや筋トレのような強い刺激がなく、ゆったりした動きと呼吸がメインになります。
これは、「脳の“安全信号”」として働き、自律神経のバランスを整えるスイッチになります。
呼吸と心拍は連動しています。ゆっくりと息を吐くと心拍が下がり、脳が「安心してよい」と認識します。吐く時間を長めに意識するのがポイントです。
ゆったりとした呼吸と言えば「ヨガ」。ヨガは身体だけでなく心も癒してくれ、副交感神経を優位にします。

③ ストレッチには“内臓”にも作用する効果がある
背骨まわりやお腹の筋肉をやさしく動かすストレッチは、内臓の動きをコントロールする副交感神経の中枢(延髄・迷走神経)にも刺激を与えます。
これにより、消化・吸収・免疫などの働きがスムーズになり、体全体の調和が取れるようになります。
特に「仰向けねじりストレッチ」や「骨盤まわりのストレッチ」は、腸の動きをサポートし、便秘改善にもつながります。お腹が動く感覚を大事にしましょう。
内臓機能を高めるには「足ツボマッサージ」がオススメ!

副交感神経を優位にするストレッチ
ここからは副交感神経を優位にするストレッチを7つ紹介します。
肩のストレッチ

- 片方の腕を肩の高さで横に伸ばす。
- もう一方の腕で、横に伸ばした腕を下から抱える。
- 伸ばした腕を手前に引き寄せ、肩の筋肉の伸びを感じる。
- 左右それぞれ30秒ずつ行う。
肩の筋肉はストレス時にすくめやすい部位。この緊張を緩めることで、肩まわりの血流が改善し、全身のリラックス感が増します。
背中のストレッチ

- 両手を肩の高さで前に伸ばし、両手を組む。
- 背中をまるくして、肩甲骨のあたりの伸びを感じる。
- 30秒ストレッチを行う。
肩甲骨まわりの筋肉は交感神経が高ぶると縮こまりやすい筋肉。
肩甲骨をひらく、このストレッチは、胸郭の可動域を広げて呼吸を深めるため、副交感神経が活性化されやすくなります。
体側のストレッチ

- 床にあぐらの状態で座る。
- 片手を上に伸ばし、もう一方の手は体の後ろにつく。
- 上に伸ばした手を斜め上に伸ばす。
- 体側(脇のあたり)の伸びを感じながら、左右それぞれ30秒ずつ行う。
体側のストレッチにより肋骨まわりが開き、横隔膜が動きやすくなる。
横隔膜は副交感神経(迷走神経)の通り道で、呼吸を深める鍵となるため、体側を伸ばすことで神経刺激が入りやすくなります。
首のストレッチ

- 床、または椅子に座った状態で行う。
- 頭を横に倒し、耳を肩に近づける。
- 首の側面の伸びを感じ、左右それぞれ30秒ずつ行う。
首まわりは自律神経が集まる重要なエリア。
首の筋肉の緊張がゆるむと、副交感神経が優位になりやすい。
腰のストレッチ

- 床に両足を伸ばして座る。
- 片膝立て、伸ばした足をまたぐ。
- 立てた膝の外側に肘をあて、腰をねじって後ろを向く。
- 腰のあたりの伸びを感じながら、左右それぞれ30秒ずつ行う。
やさしくひねる動きは、背骨周辺にある副交感神経の反射ポイント(脊髄)を穏やかに刺激し、自律神経の調整に効果的。
太もも後面のストレッチ

- 両脚を前に伸ばして座る。
- 上半身を前に伸ばし、手を軽く前に伸ばす。
- 太もも後面の伸びを感じながら、30秒行う。
太ももの筋肉が緩むことで、骨盤・仙骨の安定性が高まり、副交感神経の働きがスムーズに。
また、ゆっくり前屈する動きが「頭を下にする=副交感神経を優位にする姿勢」とも言われます。
太もも後面のストレッチは全身の疲れを解消する効果もあります。詳しくは下の記事をご覧ください。

膝を曲げてOK

どうしても太ももの後面のストレッチが「キツイ」、「苦しい」、「辛い」と感じる場合は膝を曲げて行いましょう。膝を曲げることで上半身を前に倒しやすくなります。
膝を曲げてストレッチする場合も、骨盤を立てて座りましょう。
ふくらはぎ

- 両手を壁などにつき、足を前後にひらく。
- 後ろ足のかかとを床につけたまま、前足の体重をかける。
- 左右それぞれ30秒行う。
第二の心臓とも言われるふくらはぎのストレッチで血液循環が良くなり、末端の冷えや緊張が改善。
筋肉のポンプ機能を整えることで、内臓(副交感神経が支配)への血流もアップ。
つま先を前に向ける

後ろ足のつま先を真っすぐ前に向けましょう。
後ろ足のつま先が斜め内側、または外側を向いているとふくらはぎ全体がストレッチされません。つま先は真っすぐ前に向けてふくらはぎのストレッチを行いましょう。
副交感神経を優位にするストレッチのポイント
ストレッチは、副交感神経を優位にするのにとても効果的です。ただし、効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
① 呼吸を意識しながら行う
ストレッチ中に呼吸が浅くなったり止まってしまうと、逆に交感神経が優位になってしまうことも。「鼻から吸って、鼻からゆっくり吐く」鼻呼吸を意識しましょう。
特に、鼻から空気を吐く時間を長めにする(8秒以上)のがコツです。
鼻呼吸は副交感神経を優位にする効果があるだけでなく、免疫力の向上といった効果もあります。
② 痛みを感じない“心地よい”範囲で
「効かせよう」と無理に伸ばすのは逆効果。
副交感神経を優位にしたい場合は、「気持ちいい」と感じる範囲で止めることが大切です。ゆっくり・丁寧に行いましょう。
③ 夕方〜寝る前に行うのがおすすめ
ストレッチのタイミングは、交感神経が活発になる昼間ではなく、夜に近い時間帯がベストです。
特に入浴後の体が温まっているタイミングで行うと、筋肉がゆるみやすくなり、深いリラックス効果が得られます。
まとめ|ストレッチで副交感神経を優位にする
副交感神経を優位にするストレッチは、筋肉をゆるめるだけでなく、呼吸や神経系、内臓までやさしく整えるもの。
紹介した7つのストレッチは、いずれも「副交感神経のスイッチ」となる大切なポイントばかりです。
7つのストレッチを毎日の習慣にしてみませんか?


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