【この記事でわかること】
- 息苦しさを引き起こす意外な原因「呼吸筋のこり」について
- 呼吸筋をゆるめて息苦しさを和らげるストレッチ方法
- ストレッチの効果を高めるタイミングと実践のポイント
- 病気との見分け方と医療機関を受診すべきサイン
「深呼吸してもスッキリしない」
「息が浅くて、なんだか酸素が足りない気がする」
そんな息苦しさを感じることはありませんか?
その原因、もしかすると“呼吸筋のこり”かもしれません。
呼吸筋とは、呼吸を助ける筋肉のこと。姿勢の悪さやストレス、運動不足でこの筋肉が硬くなると、肺をしっかり広げることができず、呼吸が浅くなってしまいます。
この記事では呼吸筋のこりをほぐすストレッチを紹介します。
呼吸が深くなると身体が楽になるだけでなく、心もリフレッシュできます。息苦しさはストレッチで解消しましょう!


息苦しさを引き起こす3つの原因
姿勢の悪化で胸が縮こまりやすい
長時間のスマホやPC作業によって、猫背や前かがみの姿勢が習慣化すると、胸郭(きょうかく)が押しつぶされ、呼吸が浅くなります。
胸が広がらないため、空気がしっかり入らず、息苦しさを感じるようになります。
肩が前に出ている人は、胸郭の可動域が狭くなっているかもしれません。
スマホやパソコンの使い過ぎは脳を疲れさせます。ストレッチは脳のリフレッシュにも効果的です!

呼吸筋のこりで呼吸が浅くなる
- 横隔膜
- 肋間筋(肋骨の間の筋肉)
- 胸鎖乳突筋(首の前の筋肉)
など、呼吸に関わる筋肉が固くなると、吸える空気の量が減り、結果として「酸素が足りない」と感じやすくなります。
浅い呼吸は、慢性的な疲労や集中力低下にもつながります。
ストレッチで筋肉をほぐすと、自然と呼吸が深くなります。
肩こりは「腕ストレッチ」で解消しましょう!スマホやパソコンを長時間使う人にオススメです!

自律神経の乱れによる過呼吸傾向
ストレスが続くと、自律神経のバランスが崩れ、呼吸が早く浅くなります。
無意識に呼吸が早まることで「息苦しい」「胸がつかえる」といった不快感につながります。
ゆっくりと吐く呼吸を意識するだけでも、副交感神経が働きやすくなります。
息苦しさを和らげる呼吸筋ストレッチ
ここからは息苦しさを和らげる「呼吸筋ストレッチ」を紹介します。
背筋・体側 ストレッチ

- 両手を組んで、真上に腕を伸ばす。
- 背筋を伸ばして、背中のストレッチを行う。
- 次に両手を組んだまま、横に倒して脇腹のあたりをストレッチする。
- 左右それぞれ30秒行う。
体の側面や背中には、肋骨の間にある「肋間筋」や、呼吸の主役である「横隔膜」と連動する筋肉が集中しています。ここを伸ばすことで、肋骨の動きが柔らかくなり、肺がしっかりと膨らみやすくなります。
胸 ストレッチ

- 壁の近くで立位で行う。
- 壁に対して横向きとなり、壁側の手を斜め後ろに伸ばして壁に手をつく。壁側の足を一歩後ろに引く。
- おへそを前に向け、壁と反対側の肩を後ろに引く。
- 左右反対それぞれ30秒行う。
大胸筋が硬くなると、肩が内側に入り、胸が閉じてしまいます。胸が縮こまると肺を圧迫し、深い呼吸がしづらくなるため、胸を開いて大胸筋をほぐすことで空気が入りやすくなります。
首の後ろ ストレッチ

- 椅子、または床に座って行う。
- 背筋を伸ばし、頭を前に傾ける。
- 両手を組んで後頭部に乗せる。
- 首の後ろ側がストレッチされていることを意識する。
- 30秒行う。
首の後ろが緊張すると、呼吸の補助に使われる筋肉(僧帽筋など)が過剰に働きやすくなり、呼吸が「がんばっている」状態になります。ここをゆるめると、過剰な力みが取れて自然な呼吸に戻ります。
首の横 ストレッチ

- 床、または椅子に座った状態で行う。
- 頭を横に倒し、耳を肩に近づける。
- 首の側面の伸びを感じ、左右それぞれ30秒ずつ行う。
首の側面の筋肉が緊張すると、呼吸が浅く速くなりやすいのです。ストレッチでほぐすことで、落ち着いた深い呼吸がしやすくなります。
首の前 ストレッチ

- 背筋を伸ばして座る。
- 両手を胸の骨にあてる。
- 口を閉じたまま、上を向く。
- 喉のあたりがストレッチされているのを感じる。
- 30秒行う。
首の前の筋肉は、無意識の緊張やストレスによって硬くなりやすく、気道の周りを締めつけているような感覚を生むことも。やさしくストレッチすることで喉まわりがゆるみ、「吸いやすさ」が戻ります。
背中 ストレッチ

- 両手を体の前で組む。
- 両手を出来るだけ前に伸ばし、背中をまるめる。
- 肩甲骨のあたりが伸びているのを感じる。
- 30秒行う。
肩甲骨の間にある菱形筋は、猫背や巻き肩で硬くなりやすい部位。ここをほぐすと肩甲骨が開きやすくなり、胸が開いて呼吸がしやすくなります。姿勢改善にも効果的です。
ストレッチはいつやるのが効果的?
呼吸筋ストレッチの効果を最大限に活かすには、「いつ行うか」も大切なポイントです。
息苦しさを感じやすい時間帯や、生活の中で呼吸が浅くなりやすい場面に取り入れることで、ストレッチの効果がより実感しやすくなります。
朝起きた直後に:眠っていた呼吸を目覚めさせる
起きたばかりの体はこわばっており、呼吸も浅くなりがちです。体側や胸をやさしく伸ばすことで、横隔膜や肋骨の動きをスムーズにし、1日を深い呼吸でスタートできます。
寝起きにあくびが出やすいのは、体が自然に酸素を求めているサインです。
昼の仕事の合間に:姿勢をリセットして息苦しさを防ぐ
デスクワークが続くと、姿勢が崩れて胸が圧迫され、無意識に呼吸が浅くなってしまいます。
肩・首・胸をゆるめるストレッチを数分行うだけで、酸素がしっかり取り込めるようになり、集中力やパフォーマンスもアップします。
午後の眠気を感じたときこそ、酸素不足のサインかもしれません。
夜寝る前に:副交感神経を高めて安眠モードに
ストレスで交感神経が優位になったままでは、呼吸が浅く速くなり、寝つきが悪くなってしまいます。
ゆっくりと呼吸を意識しながらストレッチを行えば、副交感神経が働きやすくなり、心身ともにリラックスできます。
寝る前に照明を暗くしてストレッチをすると、より深いリラックスが得られます。
下記の記事で自律神経の整え方をマスターしましょう!

無理のないタイミングで継続がカギ
完璧を目指して毎日朝昼晩…と頑張る必要はありません。
「この時間ならやれそう」と思えるタイミングを1つだけ決めて、そこから習慣化していくことが長続きのコツです。
続けるコツは、「きっかけ」と「場所」を決めておくこと(例:歯みがきの後、仕事前、ベッドの上など)
【まとめ】呼吸筋ストレッチで息苦しさから解放されよう
「息苦しい」と感じたとき、それは体からのSOSサインかもしれません。
呼吸筋がこって動きにくくなると、どれだけ深呼吸しようとしても、肺が広がらず酸素がしっかり吸えなくなります。
呼吸筋をゆるめるストレッチを生活の中に取り入れることで、呼吸がスムーズになり、心身ともにラクになります。
「なんだか苦しいな」と感じたときこそ、1日3分でできる呼吸筋ストレッチをぜひお試しください。


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