【この記事でわかること】
- セロトニンとメンタルの関係がやさしく理解できる
- 科学的に認められた「セロトニンを増やす食べ物」がわかる
- 毎日の食事に取り入れやすい具体的な食品とポイントがわかる
ストレスや不安、メンタルの不調が続く人の多くは「セロトニン不足」が関係しているといわれています。
セロトニンは“心を安定させる神経伝達物質”ですが、その材料の90%以上は腸で作られています。つまり、食べ物の影響がとても大きいということです。
今回は、科学的に認められている「セロトニンを増やす食べ物」を10種類厳選して、
- なぜ効果的なのか
- どう食べれば良いか
までわかりやすく紹介します。
セロトニンとは?

セロトニンは「心を安定させるホルモン」といわれ、
- 自律神経の調整
- 感情コントロール
- ストレス抑制
- 睡眠の質
にも関わります。
セロトニンが不足すると…

セロトニンが不足すると、
- イライラしやすい
- 考え込みやすい
- 不安が増えやすい
- 夜の寝つきが悪い
といった不調が出やすいことが知られています。
セロトニンと食べ物の関係
セロトニンは「トリプトファン」というアミノ酸から作られます。
さらに、トリプトファンがセロトニンに変わるには
- ビタミンB6
- 鉄
といった栄養素が必要です。
また、セロトニンの約90%は腸内で作られるため、発酵食品や食物繊維など“腸に良い食べ物”もとても大切になります。
科学的に認められた“セロトニンを増やす食べ物”10選

1. 大豆製品(豆腐・味噌・豆乳など)
大豆にはセロトニンの材料となる「トリプトファン」が豊富です。
さらに味噌など発酵された大豆食品は腸内環境も整えるため、腸でのセロトニン産生にもプラス。つまり“材料補給+腸ケア”の両方ができる、非常に効率のよい食品です。
おすすめの取り入れ方
- 朝の味噌汁
- 冷奴、厚揚げ
- 豆乳ラテ
豆乳は“無調整”の方がタンパク質が多くおすすめです。
下記の記事では、大豆プロテインとホエイプロテインはどちらが筋肉を大きくするのに効果的であるかを、調査した論文を要約しています。プロテイン愛好者必見です!

納豆
納豆は高トリプトファン食品なうえ、発酵によって腸内環境に良い菌が含まれています。
腸でのセロトニン産生を高める重要な食品で、セロトニン研究でもたびたび登場する食材です。
おすすめの取り入れ方
- 朝食に1パック
- ご飯がきつい日は豆腐にかけてもOK
「納豆+卵」はセロトニン的には優秀な組み合わせです。
3. 卵
卵はトリプトファンだけでなく、セロトニン合成に必要な「鉄」「ビタミンB6」も同時にとれるバランス食材です。つまり材料と補酵素が両方そろっている食品です。
おすすめの取り入れ方
- 卵かけご飯
- ゆで卵
- 目玉焼き
1日1〜2個なら健康上の心配はほぼありません。
4. 鶏むね肉
鶏むね肉は吸収されやすい良質なたんぱく質で、トリプトファン含有量も高い食品です。また脂質が少ないため普段使いしやすいのもポイント。
おすすめの取り入れ方
- サラダチキン
- 蒸し鶏
- 鶏ハム
鶏むね×味噌は「トリプトファン+腸ケア」のおすすめコンビです。
5. 鮭(サーモン)
トリプトファンだけでなく、
- ビタミンB6
- DHA/EPA
が含まれるため、セロトニンの材料と神経伝達の両方を助けてくれる食品です。
おすすめの取り入れ方
- 焼き鮭
- ホイル焼き
- サーモン丼
強火で焼きすぎるとビタミンが逃げやすいので注意。
6. バナナ
バナナはトリプトファンとビタミンB6をセットで含む特徴的なフルーツです。
血糖コントロールにも良く、間食にも最適。
おすすめの取り入れ方
- 朝1本
- ヨーグルトに追加
バナナ+ヨーグルトはセロトニン的に最強コンビです。
7. チーズ
乳由来のトリプトファンがしっかり含まれています。
また少量でも満足感があり、間食に最適。
おすすめの取り入れ方
- ベビーチーズ1個
- ナッツと一緒に
カロリーが気になる人は「カッテージチーズ」を選ぶと◎
8. ヨーグルト
たんぱく質と腸内環境を整える乳酸菌が含まれ、材料+腸ケアの両方に働きます。
とくに朝に食べると血糖の安定にも役立ちます。
おすすめの取り入れ方
- バナナやナッツを追加
- 甘さ控えめのものを選ぶ
「ギリシャヨーグルト」はたんぱく質が多く特におすすめ。
下記の記事では科学的に認められているヨーグルトの効果について詳しく紹介しています!

9. かつお節
かつお節はトリプトファン含有量が非常に高い食品で、少量でもセロトニン材料の補給に役立ちます。
おすすめの取り入れ方
- 味噌汁に追加
- 豆腐にかける
- おひたしにひとつまみ
常温保存できるので“常備トッピング”に最適です。
10. レバー
鉄が豊富で、トリプトファンがセロトニンに変わる際の補酵素として重要な働きをします。
鉄欠乏はセロトニン不足を招きやすいことも報告されています。
おすすめの取り入れ方
- レバー煮
- レバニラ炒め
食べ過ぎは必要ありません。月に数回でOK。
食事も大事!でも運動と組み合わせるともっと良い
セロトニンは食べ物だけでなく、リズム運動(ウォーキング・軽いジョギング・ヨガなど)で脳内での分泌が高まりやすくなります。
つまり、
- 食べ物=材料を増やす
- 運動=スイッチを入れる
という役割があります。
毎日の食事に1つ加えつつ、散歩やヨガを少し取り入れると、より効果的なセロトニンケアになります。
朝ウォーキング
朝日を浴びながら軽めに歩くことで、脳のセロトニン分泌が自然に高まりやすくなります。歩き方は普段のペースでOKですが、一定のリズムで歩くとより効果が出やすくなります。
朝ウォーキングのポイント
- 朝、外に出て10〜20分歩く
- 外に出られない日はベランダや窓際に立つだけでもOK
- スマホを見るより、空を見る意識で
朝日が体内時計を整え、セロトニンのリズムをつくるきっかけになります。難しければまず“5分だけ”からでも十分です。
ウォーキングでは物足りない方には「インターバル速歩」がおすすめ。ダイエットや筋肉量の向上などに効果的です。詳しくは下記の記事へ!

ヨガ
呼吸と動きを合わせるヨガは、セロトニン神経を刺激しやすい運動と言われています。
とくに「ゆっくり呼吸+身体を伸ばす」ポーズは、心の安定にプラスします。ここでは家でもできる3つのポーズを紹介します。
三日月のポーズ

- 足を前後に開いて前足に体重を乗せる
- 後ろ足は膝を床につける
- 両腕を上に伸ばして胸を開く
呼吸と一緒にゆっくり伸びること。腰を反らしすぎず、胸の広がりを感じるのがコツです。
椅子のポーズ

- 足を肩幅に開き、お尻を後ろに引いて腰を落とす
- 両手は耳の横に伸ばし、背中をまっすぐに
太ももの筋肉を使うと体幹の安定につながります。呼吸が止まりやすいので、鼻から吸って長く吐く意識を忘れずに。
お腹をねじるポーズ

- 座って片手を後ろにつき、反対側の手は膝の外側へ
- 背すじを伸ばして、ゆっくり体をねじる
勢いよくねじるのはNG。呼吸に合わせて、少しずつ角度が深まる感覚を味わいます。
リズム運動
ウォーキングやヨガと同じく、一定のリズムに合わせて身体を動かす運動は、セロトニン神経を刺激することがわかっています。特に音楽に合わせて動く運動は、自律神経にもプラスに働きやすいと言われています。
おすすめのリズム運動
私のYouTubeチャンネルでは「ストレスをぶっ壊す!ダンスエクササイズ」という動画を配信しています。音楽に合わせて楽しく動けるため、運動が苦手な方でも取り入れやすい内容になっています。
まとめ|完璧じゃなくてOK。まずは1品から
セロトニンを増やす食べ物は、全部そろえなくても大丈夫です。
まずは「朝食に1つ足す」くらいから続けてみてください。小さな積み重ねが、心と体をやさしく整える土台になります。
参考文献
- Young SN. How to increase serotonin in the human brain without drugs. J Psychiatry Neurosci. 2007.
- Jenkins TA et al. Influence of tryptophan and serotonin on mood and cognition. Neurosci Biobehav Rev.
- Markus CR, et al. Effects of meals rich in carbohydrates versus proteins on mood. Am J Clin Nutr.
- Fernstrom JD. Effects of dietary tryptophan on brain serotonin and serotonin-dependent behaviors. Adv Exp Med Biol.
- O’Hara AM, Shanahan F. The gut microbiome and mental health. Mol Psychiatry.
- Mayer EA. Gut feelings: the emerging biology of gut–brain communication. Nat Rev Neurosci.
- Sabbatini AR, et al. Effects of exercise on serotonin metabolism. Neurosci Biobehav Rev.
- Chaouloff F. Exercise and brain serotonin: what is the relationship? J Sports Sci.


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