夜中にトイレに起きる回数を減らす科学的に正しい方法10選|今日からできる改善策

【この記事でわかること】

  • 夜中のトイレに起きる原因に対して、科学的根拠のある改善方法10個がわかる
  • 減塩・水分調整・むくみ対策・睡眠改善など、今日から実践できる生活習慣のポイントがわかる
  • どんな場合に病院を受診すべきかなど、夜間頻尿の見逃してはいけないサインがわかる

私は医療系運動指導士として病院やスポーツジムで活動しています。

「寝ている途中でトイレに起きてしまい、ぐっすり眠れない…」そんな悩みを抱える人は多くいます。

夜間にトイレへ行くことは、医学的には「夜間頻尿(やかんひんにょう)」と呼ばれ、その原因は加齢だけでなく、

  • 水分・塩分の摂り方
  • カフェインやアルコール
  • 足のむくみ

など多岐にわたります。実は、生活習慣だけで夜中のトイレ回数が減ることは複数の研究で報告されており、すぐに始められる方法ばかりです。

この記事では、医学的根拠に基づき、夜中にトイレへ行く回数を減らす方法を10個紹介します。

目次

夜中トイレに起きる回数を減らす科学的に正しい方法10選

1. 就寝2〜4時間前の水分を控えめにする

夜中のトイレを減らすうえで最も基本となるのが、「水分をとる時間の調整」です。

「夜にたくさん飲む → 就寝後に膀胱がいっぱいになる」という単純な流れですが、研究でも夕方以降の水分調整が夜間頻尿の改善に有効であることが示されています。

水分摂取のポイント

  • 日中はしっかり水分補給して、夕方以降を控えめにする
  • 寝る前の“なんとなくの一杯”を見直す
  • 口が乾く場合は一口ずつにする

水分制限というより、“飲むタイミングの調整”が重要です。

2. カフェイン・アルコール・炭酸飲料を夕方以降に控える

カフェインやアルコールは「尿を作りやすくする作用(利尿作用)」に加え、「睡眠を浅くして起きやすくする」作用もあります。

つまり、夜間頻尿を“2つの方向”から悪化させる飲み物です。

控えたい飲み物

  • コーヒー、紅茶、緑茶
  • エナジードリンク
  • ビール、ワイン、チューハイ
  • コーラや甘い炭酸飲料

「夕方 〜 寝る3〜4時間前までを目安に控える」と、夜のトイレがぐっと減りやすくなります。

下記の記事では「カフェインが睡眠にどのくらい影響するのか」を紹介しています。

note(ノート)
【論文要約】カフェインはどのくらい睡眠に影響する?科学的データに基づく適切な摂取タイミング|覆面さん 【論文要約】カフェインはどのくらい睡眠に影響する?科学的データに基づく適切な摂取タイミング

3. 塩分を減らす

塩分の摂りすぎは、体が余分な水分をため込み、夜になって尿としてまとめて排泄しやすくなります。

日本人を対象にした研究でも、減塩だけで夜間のトイレ回数が有意に減少したと報告されています。

減塩方法のポイント

  • ラーメンやうどんのスープを残す
  • 漬物・ハム・ソーセージ・加工食品を控える
  • しょうゆは“かける”ではなく“つける”

「塩分を少し減らすだけ」で効果が出る人も多くいます。

4. 足のむくみを寝る前に戻す

夕方に足のむくみがある人は要注意です。

むくみ(=下半身に溜まった水分)が、寝た瞬間に血液へ戻り、腎臓で尿として処理されることで夜間に尿量が増えるという仕組みが知られています。

むくみ対策①脚上げ

脚上げは、夕方に足に溜まった水分を重力の力で自然に「心臓の方へ戻す」ことができる、最も簡単なむくみ対策です。

  1. 壁に向かって仰向けになり、お尻を壁に近づける
  2. 足全体を壁にもたせかけ、つま先が上を向く姿勢にする
  3. そのまま 10〜20分ほどリラックス
  4. 呼吸をゆっくり、腰や首に無理のない姿勢で行う

夕方〜寝る2時間前に行うと最も効果的です。腰痛がある人は、お尻を壁から少し離してOK。

シンプルですが、研究でも「むくみ対策は夜間尿量の減少につながる」と示されている有効な方法です。

むくみ対策②足首まわし

足首まわしは、ふくらはぎ〜足先の血流を促し、溜まった水分を上半身へ戻す“ポンプ作用”を高めるエクササイズです。

  1. 片方の足の指の間に、自分の手の指をしっかり差し込む
  2. 足首を ゆっくり大きく円を描くように 回す
  3. 外回し・内回しをそれぞれ 10〜20回
  4. 反対側の足も同じように行う

足首がよく動くと、ふくらはぎの筋肉がスムーズに働き、足の水分が戻りやすくなります。むくみを取ることで夜間の尿量が増えにくくなります。

5. 寝る直前に「予防排尿」をする

寝る前に「まだ出ないかも?」と思っても、一度トイレに行くことで夜間の1回分を“前倒し”できます。

ガイドラインでも推奨されている、シンプルながら効果的な方法です。

予防排尿のポイント

  • 就寝直前に必ず1回トイレへ
  • ルーティン化すると効果が安定

とても簡単ですが、効果を実感する人が非常に多い方法です。

6. 骨盤底筋トレーニング

「トイレが近い」「急に行きたくなる」など、膀胱が敏感になっているタイプには特に有効です。

膀胱トレーニングと骨盤底筋トレーニングは、薬以外の治療としてガイドラインでも推奨されています。

骨盤低筋群トレーニング:ヒップリフト

ヒップリフトは、骨盤底筋をはじめ、お腹・お尻・太もも裏など「下半身の支える筋肉」をまんべんなく鍛えられるエクササイズです。

  1. 仰向けになり、ひざを軽く曲げて立てる
  2. 息を吐きながら ゆっくりお尻を持ち上げる
  3. ひざ・お腹・胸がまっすぐになる高さまで上げ、そのまま 2〜3秒キープ
  4. 息を吸いながら、ゆっくりお尻を下ろす
  5. 10回 × 1〜2セットを目安に行う

腰を反らせ過ぎず、お腹の力を軽く入れたまま行いましょう。動作はゆっくり、反動を使わないことも大切。

7. 睡眠時無呼吸症候群(いびき)の治療

大きないびきや「呼吸が止まっている」と指摘される場合、夜間頻尿の原因が睡眠時無呼吸にあるケースが非常に多いです。

無呼吸が改善すると、夜中のトイレも同時に改善するという研究が多数あります。

睡眠時無呼吸症候群チェックリスト

睡眠時無呼吸症候群チェックリスト

当てはまる項目にチェックを入れてください。








※このチェックは自己チェック用です。診断を行うものではありません。気になる結果の場合は医療機関にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群を改善するにはダイエットが欠かせません。下記の記事で紹介している「体脂肪率を落とす方法」を実践しましょう!

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8. 寝酒をやめる

「寝る前に飲むとリラックスできる」と感じても、実際には睡眠が浅くなり、利尿作用でトイレも増えます。
寝酒は夜間頻尿を悪化させる“二重の要因”です。

改善ポイント

  • 飲むなら就寝3〜4時間前までに
  • 量を半分以下にする
  • 飲まない日を作る

睡眠の質が改善し、結果的に夜間のトイレも減りやすくなります。

9. 利尿薬・降圧薬などの“飲む時間”を主治医と相談

薬の服用時間は夜間頻尿に大きく影響します。とくに利尿薬(尿を出しやすくする薬)は、飲む時間を変えるだけで夜中のトイレが減る場合があります。

相談したいポイント

  • 利尿薬はなるべく午前~午後早めに
  • 夜に利尿作用が強い薬を飲まない
  • 勝手に変更せず、必ず医師と相談する

シンプルですが、薬の時間調整は非常に効果的な対策の一つです。

10. 背景にある病気の治療を行う

夜間頻尿は「身体からのサイン」であることも多く、その背景にある病気を治療することで劇的に改善するケースがあります。

夜間頻尿を引き起こしやすい病気

  • 糖尿病(血糖が高いと尿量が増える)
  • 心不全(体が水分を溜め込む)
  • 前立腺肥大
  • 尿路感染症
  • 腎臓の病気

夜間のトイレが2回以上続く場合は、これらの確認をおすすめします。

心臓病や腎臓病の原因は動脈硬化ですが、動脈硬化は運動で予防・改善できます。下記の記事ではヨガの基本的なポーズを組み合わせた「太陽礼拝」を紹介しています。太陽礼拝で動脈硬化を予防・改善しましょう!

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動画で夜間のトイレの回数を減らす!ぐっすり眠れるストレッチ(YouTube)

夜中にトイレへ起きる問題は、睡眠の質とも深く関係しています。眠りが浅いと、少しの尿意でも目が覚めやすくなってしまうため、寝る前に身体と心をゆるめることはとても重要です。

私のYouTubeチャンネルでは、副交感神経(リラックス神経)を高め、眠りの質を上げることを目的にした“ぐっすり眠れるストレッチ” を紹介しています。

まとめ:生活習慣を整えるだけで“夜中のトイレ”は減らせる

夜中にトイレへ行く回数は、

  • 水分の摂り方
  • 塩分
  • カフェイン
  • アルコール
  • むくみ
  • 睡眠の質

といった日常の工夫で大きく変わります。

科学的に効果が認められた10の方法は、どれも今日から取り組めるものばかり。
まずは1つ、できそうな方法から試してみてください。

ぐっすり眠れて、翌朝の目覚めが変わります。

参考文献

  • Efficacy of non-drug lifestyle measures for the treatment of nocturiaSoda. T, et al./Lifestyle Measures & Nocturia/2010
  • Effect of salt intake reduction on nocturia in patients with excessive salt intakeMatsuo T,et al./Salt Reduction & Nocturia/2019
  • Nocturia: A multifactorial condition with multiple causes and treatments.Tikkinen KAO, et al./Nocturia Overview/2017
  • The standardization of terminology in nocturia.Van Kerrebroeck P., et al./Nocturia Terminology/2002
  • Nocturia: causes, consequences and clinical approaches.Pressman MR., et al./Nocturia Review/2020
  • Effects of CPAP treatment on nocturia in patients with obstructive sleep apnea.Miyauchi Y., et al./CPAP & Nocturia/2015
  • Nocturia and obstructive sleep apnea: reviewing the connection and treatment results.Vrooman OPJ., et al./OSA & Nocturia Review/2020
  • Lower urinary tract symptoms and nocturia: epidemiology and lifestyle factors.Yoshimura K./LUTS & Nocturia/2019
  • Nocturia: impact on quality of life in adults.Coyne KS., et al./Nocturia & QOL/2003
  • Relationship between lower-extremity edema and nocturnal polyuria.Kuwana M., et al./Edema & Nocturnal Polyuria/2018
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スポーツインストラクター|健康運動指導士|心臓リハビリテーション指導士|ヨガインストインストラクター|スポーツジム・病院勤務|読書好き|漫画も好き|名言が好き|運動・健康について情報発信|YouTubeでトレーニング動画配信中

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