- スロージョギングは、変形性膝関節症の予防・改善に役立つ、膝にやさしい有酸素運動です。
- 軽い負荷で関節液の循環を促し、太ももの筋力維持や体重管理に効果的です。
- この記事では正しいスロージョギングの方法を紹介します。

- 「最近、膝が痛くて歩くのがつらい」
- 「運動したいけど、膝に負担がかかるのが不安」
このような悩みを持つ中高年の方に注目されているのがスロージョギングです。
ジョギングと聞くと「膝に悪いのでは?」と思うかもしれませんが、スロージョギングは歩くのと同じゆっくりとしたスピードで、膝に負担をかけずに走る方法。
スロージョギングは関節液の循環を促すだけでなく、太ももの筋力維持・向上、体重減少効果もあり、膝の痛みの解消や予防に大変効果的です。
この記事では、変形性膝関節症の症状や原因、スロージョギングの効果とやり方を丁寧に解説します。


変形性膝関節症とは

まずは簡単に変形性膝関節症について紹介します。
主な症状と原因
変形性膝関節症は、
- 加齢
- 体重増加
- 筋力低下
などが原因で膝関節の軟骨がすり減り、炎症や変形を伴う疾患です。
主な症状は、
- 膝の痛み
- 膝のこわばり
- 階段の上り下りでの不快感
- 膝関節の変形
など。初期は朝や動き始めに痛みが出やすく、進行すると歩行そのものが困難になることもあります。
変形性膝関節症は女性に多く見られ、50代以降の発症が増加。O脚の進行と関連があるとされています。
なぜ運動が必要なのか?
痛みがあると安静にしたくなりますが、過度な安静は筋力低下や関節機能の悪化を招きます。
特に、太ももの筋肉(大腿四頭筋)は膝の安定に欠かせない存在です。
適切な運動は、関節周囲の筋力を維持・強化し、膝関節の負担を軽減するだけでなく、痛みの軽減や生活の質(QOL)向上にもつながります。
体重と膝の関係

体重が多いほど膝への負担が増えるため、体重を落とすことで変形性膝関節症による膝の痛みをとることができます。ここでは体重と膝の関係について簡単に紹介します。
体重が1㎏増えると膝関節にかかる負担は体重の3~4倍になると言われています。つまり、体重が10kg増えると、膝関節には30~40kgの負担が加わることになります。
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スロージョギングとは?

スロージョギングは、「ニコニコペース」と呼ばれる会話ができる程度の息切れしないスピードで走る運動です。
見た目は小走りに近く、スピードは時速4〜5km程度。ゆっくり走りますがウォーキングよりカロリー消費が高く、全身を使うため代謝も促進されます。
歩く速さは一般的に時速3~4㎞です。スロージョギングは歩く速さと同じくらいの速さで走るジョギングです。
スロージョギングの効果

スロージョギング体と心に効果をもたらします。
- 体力の向上
- 筋力の向上
- 骨密度の向上
- ダイエット(脂肪燃焼)
- ストレス解消
- 認知症予防
- 高血圧の改善
- 高コレステロール血症の改善
- 高血糖(糖尿病)の改善
スロージョギングはウォーキングよりも消費カロリーが多い特長があるため、ダイエットに効果的な運動です。
スロージョギングをはじめとする有酸素運動は高血圧の改善に有効ですが、ストレッチも効果的です。

スロージョギングは膝への負担が軽い

スロージョギングの最大の特徴は、「フォアフット着地」。
指の付け根で優しく着地することで、膝への衝撃を最小限に抑えることができます。
また、フォアフット着地は上下動が少ないフォームで、関節への負担が軽減され、変形性膝関節症の方にも実践しやすい運動です。
着地時の衝撃は膝関節に大きな負担をかけますが、スロージョギングでは膝関節への衝撃が小さく、膝への負担を軽くすることができます。
スロージョギングが膝に優しい3つの理由

関節液の循環が促進される
運動により関節が動くと、関節内で関節液(潤滑液)の分泌と循環が促進されます。
関節液の循環が促進されることにより、軟骨への栄養供給がスムーズになり、炎症や摩擦を軽減する働きがあります。
膝関節は動かさずにいると、関節液の循環も滞り、軟骨の劣化を早めてしまいます。
適度な運動は関節の「自己修復力」を助けます。
椅子に座って行う「椅子ヨガ」は全身の血流を促進し、心と身体をすっきりさせることができます。もちろん膝への負担も軽いので、心と身体の疲れをとりたいときにオススメです!

太ももの筋力維持ができる
スロージョギングでは、特に太もも前面の大腿四頭筋がしっかり使われます。
大腿四頭筋は、膝関節を支える役割を果たしており、筋力が衰えると膝にかかる負荷が増加します。筋力を維持することで、日常動作もスムーズになり、痛みの軽減にもつながります。
大腿四頭筋は膝関節の「天然のサポーター」と呼ばれています。
体重コントロールに役立つ
膝関節にかかる負担は、体重1kg増えるごとに約3kg分増加すると言われています。
スロージョギングは、ウォーキングよりもカロリー消費が高く、無理なく体重管理に貢献できます。体重が減れば、膝の負担も大幅に軽減され、痛みの悪循環から脱出するチャンスになります。
膝の負担を軽くするには「筋肉をつけて、脂肪を落とす」が基本。
スロージョギングのポイント

スロージョギングは、「笑顔で会話できるペース」でゆっくり走ることが基本です。
スピードは歩くよりも少し速いくらいでOK。膝や関節への負担を抑えつつ、有酸素運動としての効果がしっかり得られます。
スロージョギングの速さは歩く速さと同じくらいです。時速3~4㎞くらいです。スロージョギングはとにかくゆっくり、歩く速さと同じくらいの速さで行いましょう。
基本のフォーム
スロージョギングでは以下のフォームを意識することで、より効果的で安全に取り組むことができます。
背筋をまっすぐ伸ばす
猫背にならず、軽く胸を張るイメージで。視線は前方3~5m先を見ます。
歩幅は「小さく」、足の真下に着地

大股ではなく、足を真下に“ちょんちょん”と置くように着地。着地は指の付け根でで、かかとにドンと体重を乗せないように。
スロージョギングの歩幅は10~20cm程度です。これは、通常のジョギングの歩幅よりもかなり小さく、歩くのとほぼ同じくらいの歩幅です。
靴を目安に歩幅を調整しましょう。足の大きさが24㎝の場合は靴の半分くらいの歩幅に調整します。
一定のリズムで走る
スロージョギングは一定のリズムで行いましょう。一定の速さを維持することで長時間走ることができます。
走っていると気分が良くなり、ついついペースを上げたくなる時があります。気持ちはわかりますが、長い時間続けるためにペースを上げず、一定のペースで走りましょう
つまずかないように注意する

スロージョギングは指の付け根で着地をするため、つまずきやすい特徴があります。指の付け根での着地はつま先が下がるからです。
時間
初心者や膝痛がある方は、1日5〜10分、週2〜3回からのスタートがおすすめ。慣れてきたら、少しずつ時間を伸ばしていきましょう。
レベル | 時間 | 頻度 |
初心者 | 5~10分 | 週2~3回 |
馴れてきた人 | 15~30分 | 週3~5回 |
1日10分のスロージョギングでも、ウォーキングより約2倍のカロリーを消費できると言われています。運動効率が高いのも魅力です。
注意点と無理しないコツ
スロージョギングは膝にやさしい運動とはいえ、自己流で行うと逆に痛みが悪化してしまうケースもあります。無理をせず、自分の身体と対話しながら取り組むことが大切です。
運動前後のストレッチ
スロージョギング前後には、太もも・ふくらはぎ・膝周りの筋肉をしっかりほぐすストレッチが重要です。これにより、関節の可動域が広がり、筋肉や腱の緊張を和らげ、ケガや痛みの予防に効果的です。
膝の痛みをとる1つの方法として、膝まわりの筋肉のストレッチがあります!詳しくは下記の記事で!

膝サポーターの活用も◎
すでに膝に痛みや違和感がある場合は、膝関節をサポートするグッズの使用も検討しましょう。
特にスロージョギング初心者や変形性膝関節症が進行している方は、膝サポーターを着用することで安定性が増し、安心して運動に取り組めます。
サポーターの選び方:
- 着圧タイプ(動きを妨げずサポート)
- ヒンジ付きタイプ(膝にぐらつきがある場合)
長時間の装着は血行を妨げることがあるため、運動中のみの使用がベストです。
まとめ
スロージョギングは、変形性膝関節症に悩む中高年の方にとって、膝への負担を抑えつつ運動効果を得られる理想的な運動法です。
- 関節の循環促進
- 太ももの筋力維持
- 体重管理
といった多方面から膝の健康を守る効果が期待できます。
運動を始める際は、ストレッチやサポーターなどで事前準備をしっかり整え、無理のない範囲で少しずつ継続することが成功のカギ。
1日10分のスロージョギングで、膝と一緒に人生の歩みも軽やかに。膝痛のない未来を目指して今日から一歩を踏み出してみましょう!


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