【この記事でわかること】
- 褐色脂肪細胞を増やすとはどういうことか
- ダイエットで褐色脂肪細胞が注目される理由
- 科学的に認められている褐色脂肪細胞を増やす・活性化する方法
ダイエットを頑張っているのに、
- なかなか体脂肪が減らない
- 同じ食事と運動なのに結果に差が出る
と感じたことはありませんか?
そんな中で注目されているのが、「褐色脂肪細胞」です。
褐色脂肪細胞は、体内でエネルギーを熱として消費する働きを持ち、「燃える脂肪」とも呼ばれています。
この記事では、褐色脂肪細胞を増やすという言葉の正しい意味を整理しながら、科学的に認められている方法をダイエット実践者向けにわかりやすく紹介します。
褐色脂肪細胞とは?ダイエットで注目される理由

脂肪細胞には大きく分けて2種類あります。
- 白色脂肪細胞:脂肪を蓄える役割
- 褐色脂肪細胞:脂肪を燃やして熱を作る役割
ダイエットで褐色脂肪細胞が注目される理由は、「エネルギーを消費する脂肪」だからです。
「褐色脂肪細胞を増やす」の正しい意味
ここで大切なポイントがあります。
大人の場合、褐色脂肪細胞を単純に数として増やすことは簡単ではありません。
そのため、「褐色脂肪細胞を増やす」という表現は、
- 既存の褐色脂肪細胞を活性化する
- 白色脂肪細胞を褐色化(ベージュ化)させる
- 褐色脂肪細胞が働きやすい環境を作る
これらを含んだ意味で使われます。
つまりダイエットでは、褐色脂肪細胞を“よく働く状態”にすることが現実的で、効果的な目標になります。
下記の記事では科学的に認められた体脂肪率を落とす方法を10コ紹介しています。ダイエットに励む方はこちらも合わせてご覧ください。

科学的に認められている褐色脂肪細胞を増やす/活性化する方法10選
① 首・肩・鎖骨周囲への寒冷刺激

褐色脂肪細胞は、
- 首
- 鎖骨
- 肩甲骨周囲
に多く分布しています。
寒冷刺激を受けると交感神経が活性化し、褐色脂肪細胞がエネルギーを熱として消費するスイッチが入ります。この部位を刺激することで、効率よく褐色脂肪細胞を活性化できると考えられています。
首・肩・鎖骨周囲への寒冷刺激のポイント
- 冷たいタオルを首元に当てる
- 暑い季節でも首元を冷やしすぎない程度に活用
強い冷却は不要。「少しひんやり」を継続することが重要です。
② 空調に頼りすぎない生活

一年中、快適な温度環境にいると、体温調節の必要がなくなり、褐色脂肪細胞が働く機会が減ってしまいます。
軽い温度変化を感じる生活は、褐色脂肪細胞を“使う機会”を増やします。
- 冷暖房の設定温度を少し控えめにする
- 室温調整は空調より服装で対応する
- 朝夕など、空調を使わない時間を作る
我慢は不要、「快適すぎない」を意識することが大事。体調や季節に合わせて無理なく行いましょう。
③ サウナ(温冷交代刺激)

温→冷の刺激は、交感神経を一時的に活性化し、褐色脂肪細胞の反応性を高めると考えられています。
急激な温度変化が、体温調節機構を刺激する点がポイントです。
サウナのポイント
- サウナでしっかり体を温める
- サウナ後に足元へ短時間だけ冷水をかける
- サウナ後は無理のない範囲で冷水を使う
サウナでは無理は禁物。体調が良い日に行いましょう。サウナ前後の水分補給も忘れずに!
④ 有酸素運動
有酸素運動は、脂肪酸の利用を高めるだけでなく、褐色脂肪細胞の活性化や、白色脂肪の褐色化(ベージュ化)にも関与すると報告されています。
ダイエットとの相性が非常に良い方法です。
スロージョギング(有酸素運動)のポイント

スロージョギングとは、「会話ができるくらいのゆっくりしたペースで行うジョギング」のことを指します。
- 歩幅は小さく、足はかかとからではなく足の中央〜前足部で着地
- 腕は自然に振り、力を入れすぎない
- ニコニコできるくらいのペースで走る
- まずは 5〜10分 から始め、慣れたら時間を少しずつ延ばす
- 疲れたら歩いてもOK
スロージョギングは、無理なく続けられる有酸素運動として、褐色脂肪細胞の活性化とダイエットを同時に狙える方法です。
下記の記事はスロージョギングのより詳しい方法を紹介しています。

⑤ 筋トレ(レジスタンストレーニング)
筋トレにより分泌されるマイオカイン(イリシンなど)は、白色脂肪を褐色化させる可能性が示唆されています。
また、筋量増加は基礎代謝を支える要素にもなります。
スクワット

- 足は肩幅程度に開き、つま先はやや外向き
- お尻を後ろに引くように膝を曲げる
- 太ももが床と平行になる手前まで下げる
- かかとで床を押すように立ち上がる
膝がつま先より前に出ないように、かかとに重心をかけましょう。反動を使わず、ゆっくり動くのがポイントです。
バックエクステンション

- うつ伏せに寝て、両手は頭の横または体の横に置く
- 息を吐きながら、上半身と足をゆっくり持ち上げる
- 腰を反らしすぎない位置で止める
- 息を吸いながら、ゆっくり元に戻す
首を反らさず、視線は斜め下に向けます。痛みが出る場合は可動域を小さくして行いましょう。
ヒップリフト

- 仰向けに寝て膝を立てる
- 足は腰幅程度、かかとはお尻に近づける
- 息を吐きながらお尻を持ち上げる
- 肩・腰・膝が一直線になる位置で止める
- 息を吸いながら、ゆっくり下ろす
腰を反らさず、お尻を締める意識が大事。上げきったところで1秒止めると効果的です。
⑥ 朝の光を浴びる

褐色脂肪細胞の働きは、
- 体内時計
- 自律神経のリズム
と深く関係しています。
朝の光を浴びることで、交感神経が日中に適切に働きやすくなります。
朝日を浴びる際のポイント
- 起床後30分以内に日光を浴びる
- カーテンを開けて窓際で過ごす
- 晴れていれば短時間の屋外歩行
朝日を浴びることは毎日続けることが大切。
⑦ カプサイシン(唐辛子)

カプサイシンはTRPV1受容体を刺激し、交感神経を介して褐色脂肪細胞の活性化に関与します。
「食事でできる刺激」として取り入れやすい点が特徴です。
カプサイシン摂取のポイント
- 唐辛子を料理に少量加える
- キムチやスパイス料理を取り入れる
- 毎食でなく、無理のない頻度で
胃腸が弱い人は控えめに(少量でもOK)。
⑧ カテキン(緑茶)

緑茶カテキンは、エネルギー消費を高め、脂肪酸の利用を促進します。
その結果、褐色脂肪細胞の働きをサポートすると考えられています。
カテキン補給のポイント
- 無糖の緑茶を選ぶ
- 食事中や食後に飲む
- 1日数回に分けて飲む
就寝前は控えるようにしましょう。
⑨ 低GI食中心の食事

低GIとは、食品に含まれる炭水化物が消化・吸収される速さを示す指標であるグリセミック・インデックス(Glycemic Index)が低いことを指します。
血糖値の急上昇は、脂肪蓄積を促しやすい状態を作ります。
低GI食は、脂肪が燃えやすい代謝環境を整える点で、褐色脂肪細胞の働きを間接的に支えます。
GI値が低い食品は、食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待されます。
低GI食のポイント
- 白米を玄米や雑穀米に替える
- 精製されたパンや麺を減らす
- 食物繊維の多い食品を組み合わせる
完全に低GI食だけに制限する必要はありません。普段の食事の中に低GI食を少し入れましょう。
⑩ コーヒー(カフェイン)

カフェインは交感神経を刺激し、褐色脂肪細胞のエネルギー消費を高める作用が報告されています。
日常に取り入れやすい点もメリットです。
コーヒー(カフェイン)摂取のポイント
- ブラックコーヒーを選ぶ
- 朝〜昼の時間帯に飲む
- 1日1〜2杯を目安にする
コーヒー(カフェイン)は睡眠に影響しない時間帯に摂るようにしましょう。
下記の記事は、科学的に認められている睡眠の質を高める方法を10コ紹介しています。睡眠の質を高めたい方必見です!

褐色脂肪細胞が増えない逆効果な習慣
褐色脂肪細胞を増やす・活性化しようとして、実は逆効果になっている習慣もあります。
特に注意したいのは次の点です。
- 極端な食事制限 → 体が省エネモードになり、エネルギー消費が下がる
- 寒さを完全に避ける生活 → 褐色脂肪細胞が刺激される機会が減る
- 運動をせず、食事や成分だけに頼る → 褐色脂肪細胞は刺激があってこそ働く
- 睡眠不足・生活リズムの乱れ → 自律神経が乱れ、褐色脂肪細胞が働きにくくなる
- 「これだけで痩せる」と期待しすぎる → 継続できず、結果が出にくい
無理なく続けられる生活習慣の中でこそ活性化します。
まとめ|褐色脂肪細胞を増やす習慣はダイエットの土台
- 褐色脂肪細胞を増やすとは「よく働かせる」こと
- 運動・食事・生活環境の組み合わせが重要
- まずは1つ、無理なく続けられる習慣から
褐色脂肪細胞は、ダイエットを支える“体質改善の味方”です。今日からできることを、少しずつ始めてみましょう。
参考文献
- Cypess AM et al. Identification and Importance of Brown Adipose Tissue in Adult Humans.
- Nedergaard J, Cannon B. The Changed Metabolic World with Human Brown Adipose Tissue.
- van Marken Lichtenbelt WD et al. Cold-Activated Brown Adipose Tissue in Healthy Men.
- Yoneshiro T et al. Repeated Cold Exposure Induces Brown Adipose Tissue Activation in Humans.
- Blondin DP et al. Brown adipose tissue thermogenesis in humans.
- Stanford KI et al. Brown adipose tissue regulates glucose homeostasis and insulin sensitivity.
- Boström P et al. A PGC1-α–dependent myokine that drives brown-fat-like development of white fat.
- Buijs RM et al. The autonomic nervous system and metabolism.
- Kooijman S et al. Circadian control of brown adipose tissue activity.
- Yoneshiro T et al. Capsinoids activate brown adipose tissue and increase energy expenditure in humans.
- Hursel R et al. The effects of catechins on energy expenditure and fat oxidation.
- Velickovic K et al. Caffeine increases brown adipose tissue activity.
- Ludwig DS. The glycemic index: physiological mechanisms relating to obesity.
- Hall KD et al. Energy balance and metabolic adaptation.


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