ハムストリングスの硬さはストレッチだけでは変わらない?科学的に効果を高める10のコツ

【この記事でわかること】

  • ハムストリングスが硬くなる本当の理由
  • 科学的に正しいストレッチ方法
  • ストレッチの効果を高める10のポイント

私は医療系運動指導士として病院やスポーツジムで活動しています。

「毎日ストレッチしているのに、ハムストリングスがなかなか柔らかくならない…」という経験はありませんか?

ハムストリングスは、太ももの裏側にある大きな筋肉ですが、「伸ばすだけ」ではすぐに戻ってしまう特徴があります。

実は、腸腰筋や骨盤の角度、股関節の動きまでセットで考えると、柔らかくなりやすい状態をつくることができます。

この記事では、科学的に効果を高める10の方法をわかりやすく解説します。

目次

ハムストリングスが硬くなる理由と体への影響

引用 https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/lifestyle/beauty/19204/

ハムストリングスが硬くなる理由

ハムストリングスは太ももの裏側にある大きな筋肉ですが、普段の生活習慣によって短縮しやすい特徴があります。

  • デスクワーク
  • 長時間の座位
  • 猫背姿勢
  • 骨盤後傾(骨盤が後ろに倒れた姿勢)
  • 腸腰筋(股関節の前側)の硬さ

上記が原因となってハムストリングスは硬くなってしまいます。

ハムストリングスや腸腰筋が硬いと「股関節のつまり」も招きます。股関節のつまりでお悩みの方は下記の記事必見です!

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硬いことで何が起こる?

ハムストリングスが硬いと、骨盤が後傾し姿勢が丸くなりやすく、腰や股関節に負担がかかりやすくなります。

歩く・立ち上がるなどの日常動作でも、太もも裏が突っ張る、股関節がつまるなどの違和感につながる場合があります。

ハムストリングスは膝にも繋がるため、硬さが続くと膝の負担が増えたり、運動時のケガにつながることがあります。

ストレッチだけではハムストリングスの硬さが戻りやすい理由

ハムストリングスは、伸ばした直後は柔らかくなるものの、筋肉自体が短縮しやすい特徴があるため、時間が経つと元の硬さに戻りやすくなります。

これは「筋肉だけの問題」ではなく、

  • 骨盤の角度
  • 股関節の動き
  • 体幹の安定性

などが影響しています。

つまり、ハムストリングスだけを伸ばしても根本改善にならず、「伸ばす+整える+使う」の組み合わせが必要になります。

ハムストリングスを伸ばした後に“軽く動く”ことで柔らかさが維持しやすくなります。

ハムストリングスのストレッチ 科学的に効果を高める10の方法

① 温めてから伸ばす(温熱療法)

ハムストリングスは冷えて硬くなると、筋肉の伸び縮みが悪くなります。

入浴後やホットパックで温めてからストレッチを行うと筋肉の粘性が下がり、より伸びやすい状態になります。実際、温めてから行うと関節の可動域が向上するという研究もあります。

温熱療法のポイント

  • 入浴後に行う
  • ホットタオルを当ててから伸ばす

温めてから行うと、痛いくらい伸ばさなくても筋肉はしっかり伸びます。

下記の記事では「体温を上げる方法」を紹介しています。体温が上がれば「痩せやすく太りにくい体」に変わったり、免疫力が上がる等の効果があります。

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② 20〜30秒キープ(スタティックストレッチ)

ストレッチの効果を高めるためには、短すぎる時間では不十分です。

研究では20〜30秒を目安にキープすることで筋肉が伸びやすくなり、柔軟性が改善しやすいと報告されています。

スタティックストレッチのポイント

  • 反動をつけずにじんわり
  • 気持ちいい強さ

10秒以下だと効果がほぼ出ないことが分かっています。

③ 呼吸とストレッチを合わせる

呼吸が浅いと体が緊張状態になり、筋肉が伸びにくくなります。ゆっくり息を吐きながらストレッチすることで腹横筋が働き、骨盤が安定しやすくなります。

呼吸を合わせたストレッチのポイント

  • 息を吐きながら伸ばす
  • 力を抜くことを意識

吐く息と一緒に“筋肉がふわっと伸びる感覚”を感じられます。

④ 骨盤の角度を整える

引用 https://yogajournal.jp/17124

骨盤が後傾(丸まり姿勢)になるとハムストリングスが常に短縮します。骨盤を少し前傾(お腹を軽く前に倒す)させると、ストレッチが入りやすくなります。

骨盤の角度を整えるポイント

  • 腰を丸めない
  • お腹を軽く前に倒す

腰を丸める=伸びてる感じがしても効果は低いです。

⑤ 腸腰筋を先に緩める

引用 https://egao-do.com/sasaduka/condition/

前側が硬いと後ろ(ハム)が伸びないため、腸腰筋→ハムの順番がベスト。

腸腰筋が短縮していると骨盤が引っ張られ、ハムが常に縮む状態になります。

腸腰筋ストレッチのポイント

  1. 片足を大きく前に出して片膝が立てる
  2. 後ろ脚のつま先は床につける
  3. 身体を少し前にスライドさせ、後ろ足の付け根が伸びる位置でキープ
  4. 20〜30秒行う

背中が丸まると伸びにくいので、軽く胸を張るようにするのがポイント。

更に「おへそを前に出す意識」でストレッチを行うと腸腰筋がしっかり伸びます。

⑥ ストレッチの前に股関節をまわす

ハムストリングスは太もも裏だけでなく、股関節の動きとも深く関係しています。

股関節まわしを行うと、股関節まわりの筋肉(大臀筋・中臀筋・腸腰筋など)がほぐれ、股関節の可動域が広がります。

その結果、ハムストリングスのストレッチが入りやすくなり、伸びがスムーズになります。

股関節まわしのポイント

  1. 片脚で立ち、もう片方の膝を軽く持ち上げる
  2. 持ち上げた膝を外側へ大きく開く
  3. そのまま後ろへ回すように股関節を大きく円を描くように動かす
  4. ゆっくり3〜5回まわす
  5. 反対側も同様に行う

「できるだけ大きく円を描く」ことが股関節の可動域を広げ、ハムの伸びにつながります

回す方向(外回し→内回し)を変えるとより効果的

⑦ 寝た姿勢で行う

立って伸ばすと腰が丸まり、ハムストリングスにストレッチが入りにくいことがあります。寝た姿勢なら骨盤が安定し、純粋に太もも裏が伸びやすくなります。

寝て行うハムストリングスのストレッチのポイント

  1. 仰向けに寝て片脚を伸ばす
  2. もう片方の脚をゆっくり持ち上げる
  3. 太ももの裏が伸びる位置で20〜30秒
  4. 息を吐きながらキープする

タオルを脚に引っかけて行ってもOK。

腰が浮かない位置で、気持ちよく伸びる角度を見つける。伸ばす脚のつま先を上に向けると、裏側がしっかり伸びます。

⑧ 痛みのない角度を選ぶ

痛い角度で伸ばすと、筋肉が防御反応(伸張反射)で余計に硬くなります。ストレッチは“気持ち良い強さ”が最も効果的です。

痛みなくストレッチを行うポイント

  • 7割くらいの強度
  • 痛みはゼロを基準に
  • 呼吸は自然に

筋肉は痛みで“守ろう”として硬くなります

⑨ 伸ばした後に軽く動く

ストレッチした後に軽い運動を行うと、伸びた状態が維持しやすくなります。筋肉は“伸ばす→使う”の順番で柔らかくなりやすいです。

歩く際のポイント

  1. かかとから着地するイメージ
  2. 歩幅は“少し広め”を意識
  3. 腕を自然に振る
  4. 息を止めない

歩くことで、股関節と膝が自然に動き、ハムストリングスが伸び縮みしながら機能的に使われます。

歩幅が小さいと裏側が使われにくいので“気持ち広め”がコツです。

スクワットのポイント

  1. 足は肩幅程度
  2. つま先は軽く外に向ける
  3. お尻を後ろに引くようにしゃがむ
  4. 息を吐きながら立ち上がる
  5. 10〜15回をゆっくり

スクワットで大殿筋も同時に使えると、股関節の動きが改善し、結果的にハムストリングスの柔軟性が定着しやすくなります。

“お尻を後ろ”の意識でハムが使われます。

スクワットはダイエットにも効果的。下記の記事ではスクワットで痩せるためのポイントを紹介しています!

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⑩ 片脚ずつストレッチを行う

左右のハムストリングスは、姿勢や歩き方の癖で硬さが違うことがよくあります。

両脚同時に伸ばすストレッチだと硬い側が伸びにくいため、片脚ずつ丁寧に行うほうが柔軟性が上がりやすくなります。また、骨盤の傾きによる左右差を補いやすいというメリットもあります。

片脚ずつ行うハムストリングス ストレッチのポイント

  1. 片脚を前に伸ばし、もう片方は軽く曲げる
  2. 背筋を伸ばしたまま、少し前に倒れる
  3. 太ももの裏が伸びる位置で20〜30秒キープ
  4. 反対側も同じように行う

背中が丸まると伸びる方向が変わるので「背筋を軽く伸ばしたまま」がコツ。

左右差が大きい人は、硬い側を少し長めに行うのが効果的。

まとめ|“伸ばすだけ”は卒業しよう

ハムストリングスは、ただ伸ばすだけでは柔らかくなりにくい筋肉です。

“伸ばす+整える+使う”の3つのポイントを意識すると、ストレッチの効果が高まり、姿勢や動きが改善しやすくなります。

毎日全部を行う必要はなく、1〜2つでも続けることで変化が出てきます。

参考文献

  • Sports Medicine
  • Journal of Strength and Conditioning Research
  • Clinical Biomechanics
  • Physical Therapy Journal
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この記事を書いた人

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スポーツインストラクター|健康運動指導士|心臓リハビリテーション指導士|ヨガインストインストラクター|スポーツジム・病院勤務|読書好き|漫画も好き|名言が好き|運動・健康について情報発信|YouTubeでトレーニング動画配信中

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