体を整えて息を変える!科学が認めた口臭対策10の方法

【この記事でわかること】

  • 口臭の原因は「口の中」だけではなく、呼吸・姿勢・血流・内臓の働きなど体全体に関係していること
  • 科学的に効果が認められた、口臭を軽減する10の具体的な方法
  • 舌のトレーニング・呼吸筋ストレッチ・食習慣・顔マッサージなど、自宅で簡単にできる習慣
  • 有酸素運動や腹式呼吸によって、体の内側から臭いを減らす仕組み
  • 医学的エビデンス(論文)に基づく、安心して続けられるケア法

私は医療系運動指導士として、病院やスポーツジムで活動しています。

  • マウスウォッシュをしても、なんとなく口が臭う…
  • 朝の口臭が気になる
  • 人と話すのが不安

このような悩みを抱える人は少なくありません。

実は、口臭は“口の中”だけの問題ではなく、呼吸・姿勢・血流・筋肉・内臓の働きにも関係しています。
つまり、体を整えること=口臭を改善する第一歩です。

この記事では、運動や体の使い方を中心に、科学的に効果が認められた口臭対策10選を紹介します。

どれもすぐに始められる簡単な方法ばかりです。

目次

科学が認めた!運動と科学で改善する「口臭対策10選」

① 舌と口の筋トレ(オーラルエクササイズ)

舌や頬の筋肉が衰えると、唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥します。唾液は“天然のマウスウォッシュ”とも呼ばれ、細菌を洗い流す働きを持っています。

舌筋を鍛えることで唾液が出やすくなり、乾燥や臭い菌の繁殖を防ぐことができます。

舌と口の筋トレの方法

  • 舌先を上あごに押しつけて3秒キープ × 10回
  • 「いー・うー・ぱー」と口を大きく動かして10回
  • 舌を左右・上下にゆっくり動かす × 各5回

歯磨き後や就寝前に1分間行うのが効果的です。

② 呼吸筋ストレッチで胸を開く

猫背や前かがみ姿勢になると胸郭(きょうかく)が縮まり、呼吸が浅くなります。浅い呼吸は口呼吸を招き、口内の乾燥・臭気の原因に。

胸を開き、呼吸筋をやわらげることで、鼻呼吸しやすく深い呼吸ができるようになります。

呼吸筋ストレッチ(胸のストレッチ)

  1. 背筋を伸ばし、両手を体の後ろで組む
  2. 息を吸いながら、手を後ろ下方向にゆっくり引いて胸を開く
  3. 胸の前側(鎖骨の下あたり)が伸びている感覚で10〜15秒キープ

ポイント

  • 肩がすくまないように、首を長く保つ。
  • 「吸うときに胸を広げ、吐くときに肩を下ろす」意識を持つとより効果的。

呼吸筋ストレッチ(体側のストレッチ)

  1. 息を吸いながら、右手を斜め上に伸ばす
  2. 息を吐きながら、上体を左にゆっくり倒して右の体側を伸ばす
  3. 10〜15秒キープしたら、ゆっくり元に戻る
  4. 左右交互に2〜3回ずつ繰り返す

ポイント

  • 伸ばしている手の指先から腰まで「1本の線」ができるイメージで行う。
  • 倒す方向に無理をせず、呼吸を止めないこと

下記の記事では、より詳しく呼吸筋ストレッチを紹介しています!

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③ 鼻呼吸を意識して口呼吸を防ぐ

鼻呼吸は空気を加湿・除菌するフィルター機能があります。

一方、口呼吸は乾燥を招き、臭い物質(揮発性硫黄化合物)の発生源となります。

鼻呼吸を習慣にすることが、最も自然な口臭予防につながります。

鼻呼吸の方法

  • 日中は「舌を上あごにつけ、口を軽く閉じる」を意識
  • 寝る前に深い鼻呼吸(4秒吸う→6秒吐く)を3分間
  • 就寝時は“口閉じテープ”や“鼻呼吸トレーニング器具”も有効

朝起きたときに喉が乾いていなければ、鼻呼吸ができています。

④ 軽い有酸素運動で血流と代謝を高める

血流が悪いと唾液腺や内臓への酸素・栄養供給が低下し、老廃物が体内に滞って臭いの原因になります。

ウォーキングなどの軽い有酸素運動は血流と代謝を改善し、体の内外の臭いを抑制します。

有酸素運動の方法

  • 朝または夕方に20分のウォーキング。
  • 通勤時に「1駅分歩く」「階段を使う」。
  • 軽いストレッチ+深呼吸をセットで行う。

運動直後は唾液分泌が上がり、口内も潤います。

「有酸素運動するなら、体重も落としたい!」という方には「インターバル速歩」がおすすめ。特別な器具や服装は必要ありません。下記の記事で詳しく紹介しています!

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⑤ 舌苔(ぜったい)ケアを毎日のルーティンに

舌の表面に溜まる「白い汚れ=舌苔」は、口臭の最大の原因の一つ。

舌苔には細菌やタンパク質が蓄積し、揮発性硫黄化合物(VSC)を発生させます。舌クリーニングで舌苔を除去すると、即効性のある口臭対策になります。

舌苔ケアの方法

  1. 舌ブラシまたは専用クリーナーを用意
  2. 舌の奥から前へ、軽い力で2〜3回なでる
  3. 終わったら水でうがいをして仕上げ

朝の歯磨き前に行うのが最も効果的。

⑥ 緑茶・梅干し・ヨーグルトを取り入れる

  • 緑茶のカテキンは抗菌作用
  • 梅干しのクエン酸は代謝促進
  • ヨーグルトの乳酸菌は腸内環境を整える

といった効果があり、これらは臭いの原因物質を減らします。

食生活からアプローチすることで、体の中から口臭を防ぐことができます。

具体的な方法

  • 食後に緑茶を一杯
  • 朝に梅干しを1粒
  • 夜にヨーグルトを1カップ

発酵食品を組み合わせると腸内環境の改善がさらに促進されます。

緑茶は口臭だけでなく、癌を予防することも科学的に認められています。詳しくは下記の記事で!

note(ノート)
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⑦ 咀嚼(かむ)運動で唾液を出す

よく噛むことで唾液腺が刺激され、唾液量が増えます。唾液は臭気物質を中和する“天然の消臭液”。

咀嚼の回数を増やすだけでも口臭の改善効果があります。

具体的な方法

  • 一口につき30回を意識して噛む
  • キシリトールガムを5〜10分噛む
  • 左右均等に噛むことで筋バランスも改善

昼食後の“ガムタイム”を習慣に。

⑧ 笑う・会話する・歌うことで唾液を出す

笑いや会話で表情筋と唾液腺が刺激され、副交感神経が活性化します。

リラックス状態になると唾液が出やすくなり、口臭予防に直結します。

具体的な方法

  • 朝に鏡の前で笑顔トレーニング
  • 家族や同僚と積極的に会話
  • カラオケや鼻歌などで口を動かす

「笑う」だけでも自律神経が整い、唾液分泌が自然に増えます。

⑨ 顔マッサージで唾液腺を刺激し潤いを保つ

引用 https://thelatest.modere.co.jp/personalcare-feb17-1-2023/

唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)まわりを刺激すると、唾液の流れが促進されます。

研究では、顔や顎のマッサージで唾液量が有意に増加したと報告されています。

顔マッサージの方法

  1. 耳の前(耳下腺)を円を描くように10秒マッサージ
  2. 顎の下(顎下腺)を両手で押して10秒キープ
  3. あご先から耳下まで、指全体でやさしくさすり上げる

入浴中や寝る前のリラックスタイムに行うのが効果的。

就寝前の顔マッサージは睡眠の質も高めることが認められています。詳しくは下記の記事で!

note(ノート)
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⑩ 腹式呼吸&お腹ねじりで内臓を動かす

口臭の原因は腸内ガスや老廃物など“体の内側”にもあります。

腹式呼吸とお腹ねじりは横隔膜と内臓を刺激し、腸の動きを活発にします。内臓の働きを整えることで、体内由来の臭気物質を減らすことができます。

腹式呼吸の方法

  1. 床または椅子に背筋を伸ばして座る。
  2. 片手を胸、もう片方の手をお腹の上に置く。
  3. 鼻からゆっくり息を吸いながら、お腹をふくらませる
  4. 口からゆっくり息を吐きながら、お腹をへこませる
  5. 1回の呼吸を5〜6秒かけて、5〜10回繰り返す。

「胸」ではなく「お腹」が上下しているかを確認しましょう。

吐くときにお腹をしっかりへこませると横隔膜が動き、腸がマッサージされるように刺激されます。

お腹ねじりストレッチの方法

  1. 床にあぐらで座る(または椅子でもOK)。
  2. 息を吸いながら背を伸ばし、吐きながら上体をゆっくり右へねじる
  3. ねじった状態で5〜10秒キープし、吸いながら正面に戻る。
  4. 左右交互に2〜3回ずつ行う。

骨盤を動かさず、みぞおちから回す意識で行うと効果的です。

呼吸を止めないことで、内臓の動きと血流が高まり、体の中のガスや老廃物の排出が促進されます。

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【動画】呼吸筋ストレッチで息スッキリ!

この記事で紹介した呼吸筋ストレッチを、私のYouTubeチャンネルで動画解説しています。

胸を開き、体側を伸ばす3分間のストレッチで、鼻呼吸しやすい体づくりと口臭予防を同時にサポート。

まとめ:口臭ケアは「体を整える」ことで変わる

口臭は“口の問題”だけではなく、姿勢・呼吸・血流・筋肉・腸の動きなど、全身の健康と深くつながっています。

ストレッチや運動、食事の工夫を組み合わせることで、の内側から息が変わります。

「息がきれい=体が整っている証拠」。今日からひとつでも実践してみましょう。

参考文献

  • Matsumoto, M. et al., J Oral Rehabil, 2023
  • Lee, K. et al., Sci Rep, 2022
  • Elad, S. et al., Clin Oral Investig, 2019
  • Bianchini, M. et al., Front Oral Health, 2022
  • Faveri, M. et al., J Periodontol, 2006
  • Kato, H. et al., J Nutr Sci Vitaminol, 2019
  • Takahashi, T. et al., J Dent Res, 2013
  • Berk, L. S. et al., Am J Med Sci, 1989
  • Mori, N. et al., Int J Dent Hyg, 2023
  • Yoneda, M. et al., J Clin Biochem Nutr, 2017
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この記事を書いた人

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スポーツインストラクター|健康運動指導士|心臓リハビリテーション指導士|ヨガインストインストラクター|スポーツジム・病院勤務|読書好き|漫画も好き|名言が好き|運動・健康について情報発信|YouTubeでトレーニング動画配信中

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