- 歩き始めのかかとやアキレス腱の痛みは「アキレス腱炎」の症状の1つです。
- アキレス腱炎はアキレス腱が炎症を起こした状態です。改善せずに重症化すると、アキレス腱断裂や痛みの慢性化を起こします。
- この記事ではアキレス腱炎を改善するストレッチを5つ紹介します。
- 歩き始めた時、かかとやアキレス腱が痛い
- 階段を登っている時、かかとが痛い
- アキレス腱に腫れや痛みがある
上記のような症状が1つでも当てはまる場合は「アキレス腱炎」である可能性が非常に高いです。
アキレス腱炎は運動の頑張り過ぎや運動不足、加齢などが原因で起こります。アキレス腱炎は重症化するとアキレス腱断裂や痛みの慢性化などを起こすため、早めの対象が必要です。
この記事では「アキレス腱を解消するストレッチ」を5つ紹介します。ストレッチでアキレス腱炎を解消しましょう。
アキレス腱炎とは
まずは「アキレス腱炎」についての理解を深めましょう。
アキレス腱とは
アキレス腱は、下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)の腱が合わさって踵の骨に付着したものです。
アキレス腱はコラーゲン線維で構成されています。コラーゲン線維は、強い引張力に耐えることができるタンパク質繊維です。アキレス腱は、約1トンの力にも耐えることができると言われています。
下腿三頭筋とは
下腿三頭筋は、ふくらはぎを構成する筋肉のグループです。
- 腓腹筋の内側
- 腓腹筋の外側
- ヒラメ筋
上記の3つの筋肉で下腿三頭筋は構成されています。
アキレス腱の構成
アキレス腱は、以下の3つの部分から構成されます。
- 腓腹筋腱:腓腹筋の腱。アキレス腱の約70%を占める。
- ヒラメ筋腱:ヒラメ筋の腱。アキレス腱の約30%を占める。
- 腱膜: 腓腹筋腱とヒラメ筋腱を包み込む膜。
アキレス腱の役割
アキレス腱は、 ふくらはぎの筋肉(腓腹筋とヒラメ筋)の力をかかとに伝える腱です。アキレス腱は、下記の動作の際に働きます。
- 体重の支持
- 歩行
- ランニング
- ジャンプ
ジャンプは筋肉と骨を強化するのに適したトレーニングです。下記の記事で紹介しているジャンプトレーニングで筋肉と骨を強くしましょう。
アキレス腱炎とは
アキレス腱炎とは、アキレス腱が炎症や損傷を起こした状態を言います。
ランニングを頻繁に行う人は、アキレス腱に繰り返し負担がかかるため、アキレス腱炎になりやすいとされています。
アキレス腱炎の症状と原因
症状
アキレス腱炎は主に下記のような症状があらわれます。
- 歩き始めや階段昇降時のかかとやアキレス腱の痛み
- 腫れ
- 圧痛
- 朝のこわばり
アキレス腱炎の症状の1つである「運動開始時のかかとやアキレス腱の痛み」は運動を続けると徐々に軽減することが特徴です。
原因
アキレス腱の原因は主に繰り返しアキレス腱に負担がかかることです。下記のような動作や状況はアキレス腱炎の原因となります。
- ジャンプやランニングなどの高負荷の運動
- 運動不足からの急な運動
- 硬い靴・サイズの合わない靴
- 加齢
- 扁平足
- 肥満
扁平足の原因の1つは足裏の筋力低下です。下記の記事で紹介している足裏トレーニングで扁平足を改善しましょう。
アキレス腱炎が重症化すると…
アキレス腱炎が重症化すると、下記のような状態となってしまいます。
- アキレス腱断裂
- 痛みの慢性化
- 再発
- 機能障害
アキレス腱を改善するストレッチのポイント
アキレス腱炎を改善するストレッチのポイントは4つです。
- 息をこらえないこと
- 1つ30秒行うこと
- ストレッチマットを使うこと
- アキレス腱やかかとの痛みがひどい時は休む
息をこらえない
ストレッチは息をこらえずに行いましょう。筋肉が伸びていて痛いからといって息をこらえてしまうと、ストレッチの効果が得られません。自然な呼吸が続けられる強さでストレッチを行いましょう。
筋肉を伸ばす際、息を細く長く吐きながら行うと筋肉をより伸ばすことが出来ます。
1つ30秒行うこと
ストレッチは1種目30秒行いましょう。1つのストレッチ30秒かける理由は下記の通りです。
- 筋肉を十分に伸ばすため
- 筋肉の緊張をほぐすため
- 筋肉だけでなく筋膜もほぐすため
- 血液の巡りを良くするため
- 筋肉の柔軟性を高めるため
ストレッチの時間はタイマーを使いましょう。
ストレッチマットを使うこと
ストレッチを行う際はストレッチマットを敷いて行いましょう。ストレッチマットを使うメリットは2つあります。
- 関節や骨を床にぶつけても痛くない
- ストレッチマットを敷くことで「やる気スイッチ」が入る
ストレッチマットがない場合は絨毯の上で行いましょう。
アキレス腱やかかとが痛みがひどい時は休む
アキレス腱やかかとの痛みが強い場合はストレッチを中止しましょう。痛みが強い時に無理にストレッチを行うと、アキレス腱炎をかえってひどくしてしまいます。
アキレス腱やかかとの痛みが強い時は、下記の処置を行いましょう。
- アイシング
- 湿布を貼る
- 圧迫(腫れが強い場合)
- 超音波による治療
アキレス腱炎を改善する5つのストレッチ
ここからは「アキレス腱炎を改善する5つのストレッチ」を紹介します。
腓腹筋①
- 脚を伸ばして床に座る。
- つま先を顔の方に向ける。
- 次につま先を顔と反対側に向ける。
- つま先を顔と反対側交互に合計10回動かす。
つま先を顔の方に向ける時がふくらはぎのストレッチです。つま先を顔と反対側に向けることでふくらはぎの筋肉をリラックスさせることができます。
腓腹筋②
- 両手を壁などにつき、足を前後にひらく。
- 後ろ足のかかとを床につけたまま、前足の体重をかける。
- 左右それぞれ行う。
このストレッチはふくらはぎの表面の筋肉(腓腹筋)のストレッチです。歩幅を大きくするとストレッチの強度が高くなります。
つま先を前に向ける
後ろ足のつま先を真っすぐ前に向けましょう。後ろ足のつま先が斜め内側、または外側を向いているとふくらはぎ全体がストレッチされません。
歩幅でストレッチの強さを調整する
歩幅でふくらはぎのストレッチ感を調整しましょう。
- 歩幅を狭くする → ストレッチ感が弱くなる
- 歩幅を広くする → ストレッチ感が強くなる
前脚に体重をかけるほどストレッチ感が強くなります。歩幅と前足への体重の掛け具合でふくらはぎのストレッチ感を調整しましょう。
ヒラメ筋
- ストレッチしたい方の膝を立てて座る。
- 膝を立てた方の足に体重をのせる。
- 左右それぞれ行う。
このストレッチはふくらはぎの内側にある「ヒラメ筋」を伸ばすストレッチです。
つま先を前に向ける
このストレッチのポイントは、ストレッチしたい方のつま先を真っすぐ前に向けることです。
つま先を真っすぐ前に向け、足に体重をかけることでふくらはぎの筋肉がしっかりストレッチされます。
足底筋
- 立ち膝の姿勢で、足の指の腹をマットにつける。
- かかとの上にお尻をのせる。
- かかとにのせる体重の掛け具合で、足の裏のストレッチの強さを調整する。
足の裏とアキレス腱は繋がっています。足の裏が硬くなるとアキレス腱にも悪影響を与えるため、足の裏のストレッチが必要となります。
手を使ってもOK
お尻をかかとにのせるストレッチでは足の裏が痛すぎる場合、手で足の指を反らして足の裏をストレッチしましょう。
手の人差し指と親指で足の指を掴み、足の指を反らせましょう。
太もも後面
- 両足を伸ばして座る。
- 上半身を前に倒し、両手も前に伸ばす。
- 息をこらえないように注意する。
太ももの後面の筋肉とふくらはぎの筋肉は繋がっているため、アキレス腱とも太もも後面の筋肉は繋がっています。そのため、太もも後面のストレッチもアキレス腱炎の改善には必要となります。
膝を曲げてもOK
どうしても太ももの後面のストレッチが「キツイ」、「苦しい」、「辛い」と感じる場合は膝を曲げて行いましょう。膝を曲げることで上半身を前に倒しやすくなります。
膝を曲げてストレッチする場合も、骨盤を立てて座りましょう。
まとめ
- 歩き始めのかかとやアキレス腱の痛みは「アキレス腱炎」の症状の1つです。
- アキレス腱炎はアキレス腱が炎症を起こした状態です。改善せずに重症化すると、アキレス腱断裂や痛みの慢性化を起こします。
- この記事ではアキレス腱炎を改善するストレッチを5つ紹介しました。
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