【この記事でわかること】
- 血管年齢が実年齢より老けてしまう理由
- 科学的に認められている血管年齢の改善方法
- 40〜60代からでも無理なく続けられる実践ポイント
40〜60代になると、
- 血管年齢が高いと言われた
- 動脈硬化が心配になってきた
と感じる人が増えてきます。
血管年齢とは、血管のしなやかさや内皮機能の状態を年齢に換算した指標です。実年齢より高い場合、
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- 慢性腎臓病
- 高血圧
のリスクが高まることが知られています。
大切なのは、血管年齢は生活習慣によって改善できる可能性があるという点です。一気に若返るものではありませんが、正しい方法を続ければ、40〜60代からでも血管機能の改善は十分に期待できます。
この記事では、科学的に認められている血管年齢を若返らせる方法を10個、わかりやすく紹介します。


科学的に認められている血管年齢を若返らせる方法10選
① 定期的な有酸素運動
有酸素運動は、血管の内側にある血管内皮細胞に適度な刺激を与え、一酸化窒素(NO)の産生を促すことで血管を広がりやすくします。
これにより、血管のしなやかさが保たれ、動脈硬化の進行を抑える効果が期待できます。
定期的な有酸素運動のポイント

- 息が少し弾む程度の強度
- 1回20〜40分
- 週合計150分以上を目標
速さよりも「一定のリズムで続けること」が血管への刺激として重要です。
② 軽〜中等度の筋トレを取り入れる
軽〜中等度の筋トレは、
- 血流の改善
- インスリン感受性の向上
といった効果があり、間接的に血管への負担を減らします。
過度な高負荷でなければ、動脈硬化を悪化させる心配はほとんどありません。
① スクワット

- 足は肩幅程度に開く
- 椅子に座るようにお尻を後ろへ引く
- 太ももが床と平行になる手前まで下ろす
- 立ち上がるときに息を吐く
- 10〜15回 × 1〜2セットを目安
下半身の大筋群を使うことで全身の血流が増えやすく、血管への良い刺激になります。
軽〜中強度で行えば血圧の急上昇を抑えながら、代謝改善にもつながります。
② ヒップリフト

- 仰向けになり、膝を立てる
- お尻をゆっくり持ち上げ、肩〜膝が一直線になる位置まで上げる
- 1〜2秒キープして、ゆっくり下ろす
- 動作中は呼吸を止めない
- 10〜15回 × 1〜2セット
仰向け姿勢で行うため血圧が上がりにくく、安全性が高い筋トレです。骨盤まわりが安定し、有酸素運動や歩行の質を高める効果も期待できます。
③ レッグオープン

- 横向きに寝て、下の腕で頭を支える
- 上の脚をゆっくり持ち上げ、ゆっくり下ろす
- 反動を使わず、一定のリズムで行う
- 左右それぞれ10〜15回 × 1〜2セット
中殿筋(お尻の側面)を鍛えることで骨盤・股関節が安定し、歩行時の血流効率が向上します。
軽い負荷でも効かせやすく、血管に負担をかけにくいのが特徴です。
③ 禁煙・受動喫煙を避ける
喫煙は、血管内皮を直接傷つけ、一酸化窒素(NO)の働きを低下させます。その結果、血管は収縮しやすくなり、炎症や動脈硬化が進行します。
受動喫煙でも同様の影響が起こることが分かっています。
禁煙・受動喫煙を避けるポイント
- 可能であれば完全禁煙を目指す
- 喫煙環境(家庭・職場・外出先)を意識的に避ける
- 禁煙補助(外来・ガム等)を活用するのも有効
禁煙後、数週間で血管機能の改善が始まると報告されています。
「今さら遅い」は誤解で、血管は何歳からでも反応します。
下記の記事では電子タバコの人体への危険性を紹介しています。電子タバコを吸う方必見です!

④ 地中海食・DASH食など食事パターンの改善

地中海食・DASH食とは、野菜・果物・魚・全粒穀物を中心に、塩分や加工食品を控える「血管にやさしい食事パターン」のことです。
これらの食事は、抗炎症・抗酸化作用を通じて、血管内皮のダメージを減らし、動脈硬化の進行を抑えることが示されています。
ポイントは、単品の食品ではなく“食事全体の組み立て”です。
地中海食・DASH食のポイント
- 野菜・果物・魚・豆類を日常的に取り入れる
- 脂質は量より「質(魚・植物性)」を意識
- 塩分は控えめを心がける
「毎日完璧」でなくてOK。週の中で地中海食・DASH食を摂る日を増やすだけでも血管には十分プラスです。
下記の記事では、科学的に認められている地中海食の特長を紹介しています。

⑤ 食物繊維を十分に摂取する

食物繊維には、
- 食後血糖の急上昇を抑える
- LDLコレステロールを低下させる
ことで、血管への慢性的な刺激を減らす効果があります。特に動脈硬化が気になる世代では重要性が高まります。
食物繊維摂取のポイント
- 野菜・きのこ・海藻・豆類を意識
- 主食を精製度の低いものに置き換える
- 1日20g以上を目標にする
一気に増やすとお腹が張ることがあります。「1品追加」から始めるのが続けるコツです。
⑥ 定期的に血圧・血糖・脂質をチェックする

血管年齢の悪化は、自覚症状がないまま静かに進むのが特徴です。
- 血圧
- 血糖
- 脂質(コレステロール)
の数値は、血管にかかっている負担を客観的に知るための重要なサインです。
血圧・血糖・脂質の管理方法
- 健診結果は「異常なし」でも数値を確認する
- 家庭血圧は朝・夜に測定すると変化に気づきやすい
- 境界域(やや高め)の段階から生活改善を始める
「治療が必要になってから」ではなく、数値が上がり始めた段階で手を打つことが血管を守る近道です。
とにかく血圧を下げたい方にはストレッチがオススメ!下記の記事で紹介しているストレッチを行いましょう!

⑦ 運動のタイミングを朝に寄せる
朝は自律神経が睡眠モードから活動モードへ切り替わる時間帯です。
このタイミングで軽く体を動かすと、自律神経の切り替えが整いやすくなり、血圧の日内リズムが安定しやすくなります。
結果として、血管の収縮と拡張のバランスが保たれ、血管への負担が軽減されます。
朝の運動のポイント
- 起床後〜午前中に軽く体を動かす
- ウォーキングや体操など負担の少ない運動
- 5〜15分程度でも効果は期待できる
毎日でなくてもOK。週に数回でも朝の刺激を入れることが血管に良いリズムを作ります。
⑧ 食後すぐに軽く体を動かす
食後に血糖値が急激に上がると、血管内皮に一時的なダメージが起こります。
食後に軽く体を動かすことで筋肉が糖を取り込み、血糖の上昇が緩やかになります。これは脂肪燃焼よりも、血管を守る目的で重要な行動です。
食後すぐに身体を動かすポイント
- 食後10〜15分以内に行う
- ゆっくり歩く、立って家事をする程度
- 5〜10分でも十分
「運動しなきゃ」と考えず、座りっぱなしを避ける意識だけでも血管にはプラスです。
⑨ 口腔環境を整える
歯周病などの口腔内の慢性炎症は、炎症性物質を通じて全身に影響を及ぼします。
研究では、歯周病と動脈硬化や心血管疾患との関連が報告されています。口腔ケアは炎症を抑え、血管老化の進行を間接的に防ぐと考えられています。
口内環境を整えるポイント
- 毎日の歯磨きを丁寧に行う
- 歯間ブラシやフロスを活用する
- 定期的に歯科でチェックを受ける
歯科受診は「歯のため」だけでなく、血管を守る予防行動の一つと考えてみてください。
⑩ ゆっくりした呼吸(呼吸数を減らす)
呼吸数をゆっくりにすると副交感神経が働きやすくなり、血管の緊張が和らぎます。その結果、血圧が下がりやすくなり、血管へのストレスが軽減されます。
特にストレスが多い人ほど、血管を休ませる効果が期待できる方法です。
ゆっくりとした呼吸のポイント
- 1分間に6〜8回の呼吸を目標
- 吐く息を吸う息より長めにする
- 座ったまま・寝たままでOK
1日1〜2分でも十分。「短く・こまめに」行う方が習慣化しやすいです。
こんな症状がある場合は医療機関へ
血管年齢や動脈硬化が気になる人の中でも、以下のような症状がある場合は、自己判断で運動や生活改善を続けるのではなく、早めに医療機関を受診してください。
- 安静にしていても胸の痛み・圧迫感がある
- 少し動いただけで強い息切れや動悸が出る
- めまい・立ちくらみ・ふらつきが頻繁に起こる
- 血圧が急に高くなった、または大きく変動する
- 健診で動脈硬化や心血管疾患のリスクを指摘されている
これらは、血管や心臓に負担がかかっているサインの可能性があります。安全に血管年齢を改善するためにも、専門家の判断を優先しましょう。
YouTubeで運動|高血圧・血管ケアにおすすめのエクササイズ
血管年齢の改善には、「きつすぎない・続けられる運動」を選ぶことが重要です。私のYouTubeチャンネルでは、高血圧が気になる人や、血圧を下げたい人向けのやさしいエクササイズを紹介しています。
まとめ
血管年齢は、年齢とともに一方的に悪化するものではありません。運動・食事・生活習慣を少しずつ整えることで、40〜60代からでも改善は十分に可能です。
大切なのは、
- 無理をしない
- 科学的に妥当な方法を選ぶ
- 続けられる形で積み重ねる
こと。
今日できそうなことを一つ選び、血管にやさしい生活を始めてみましょう。
参考文献
- Green DJ et al. Exercise and vascular adaptation(2017)
- Ashor AW et al. Effects of exercise on arterial stiffness(2014)
- Cornelissen VA et al. Exercise training and blood pressure(2013)
- Appel LJ et al. Effects of the DASH diet on blood pressure(1997)
- Widmer RJ et al. Mediterranean diet and endothelial function(2015)
- Reynolds HR et al. Smoking and endothelial dysfunction(2006)
- Brook RD et al. Beyond medications and diet: lifestyle approaches to blood pressure(2013)
- Thijssen DHJ et al. Assessment of flow-mediated dilation(2011)
- Tonetti MS et al. Periodontitis and cardiovascular risk(2017)
- Lehrer PM et al. Slow breathing and cardiovascular regulation(2003)




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