【この記事でわかること】
- 科学的にメンタルを強くする効果がある方法だけを厳選して紹介
- どの方法がどのような仕組みでメンタルに効くのか、専門的に理解できる
- 今日からできる「やり方」と「ワンポイント」がわかり、実践できる
ストレスに負けない“折れない心”は、特別な才能ではなく、科学的に効果が確認された習慣を積み重ねることで誰でも育てることができます。
実は、多くの人が気づいていないだけで、メンタルは 、
- 脳
- 自律神経
- 呼吸
- 行動の仕方
によって変えられることが研究で明らかになっています。
この記事では、他の記事ではほとんど紹介されていない独自性のあるメンタル強化法だけを10個厳選し、
- なぜ効果的なのか(科学的根拠)
- 具体的な方法
- ワンポイント
の3点セットでわかりやすくまとめました。。今日から「あ、これやってみよう」と思えるものが必ず見つかります。
科学的に認められた“メンタルを強くする方法”10選
1.HIIT(筋トレ)|複数の筋トレを組み合わせたトレーニング
HIIT(高強度インターバルトレーニング)は、スクワット・腕立て・ジャンプなどの筋トレを短い時間だけ全力で行い、その後に休憩(または軽い動き)を挟む運動法です。
1セット数分ででき、短時間で体も心もスッと軽くなるのが特徴です。
HIITは、
- メンタルを強くする物質 BDNF(脳由来神経栄養因子) を増やす
- HIIT中に生み出される乳酸は前頭前野エネルギー源で、不安・イライラを解消する
- 自己肯定感を高める
- ストレスへの回復力を高める
時間設定
もっとも取り組みやすい時間配分は以下のとおりです。
- 20秒:しっかり動く(やや息が上がる強度)
- 10秒:休憩 or 軽い足踏み
- 上記を3種目行うと約2分
- 余裕があれば 2〜3セット(4〜6分) に増やすと効果アップ
時間の管理はスマホアプリを活用すると便利です。

スクワット

- 足を肩幅に開く
- お尻を後ろへ引くようにしゃがむ
- 膝がつま先より前に出ないように注意
- 20秒間、できるペースで繰り返す
背筋を伸ばすと太もも・お尻が使われ、達成感が高い種目です。
バーピージャンプ

- 立位 → 手を床につきプランク姿勢
- すぐに足を戻して立ち上がり、小さくジャンプ
- 20秒間可能な範囲で繰り返す
飛ぶのが大変な方は「ジャンプなしバーピー」でOK。息が上がりやすいので、脳の活性化効果が高い種目です。
クランチ

- 仰向けで膝を立て、手は頭の横
- ゆっくり肩を浮かせ、腹筋に力を入れる
- 20秒間、自分のペースで繰り返す
「おへそを見るように上がる」と腹筋に効きやすい。最後がクランチだと呼吸が整いやすく、セットを続けやすくなります。
2.腹式呼吸 ×ため息呼吸
腹式呼吸は、お腹をふくらませながらゆっくり吸い、胸ではなくお腹を使って呼吸する方法です。腹式呼吸に“ため息をつくように長く吐く”要素を加えることで、より深いリラックス効果が得られます。
長く吐く動きが副交感神経を高め、扁桃体(不安中枢)の活動を抑えます。短時間で心拍や緊張が落ち着くことが科学的に確認されています。
座っていても、寝ながらでも、どこでもできるシンプルな呼吸トレーニングです。
腹式呼吸×ため息呼吸のポイント

- 4秒吸う
- 6〜8秒かけて吐く
- 1〜3分ゆっくり続ける
吐くときは“ため息をつくように”。一気に心がほぐれます。
3.コーピングレパートリー(気分が上がる行動リスト)
自分が「ちょっと楽になる行動」を20個ほどリスト化し、落ち込んだ時はそこから選ぶ方法です。
ストレスが強いと“何をすれば楽になるか”判断できにくくなります。リストがあると考えずに行動でき、気分の回復が早くなると研究で示されています。
心理療法でも実際に使われている方法で、誰でも気軽に取り組めるのが特徴です。
コーピングレパートリーの方法
- 気分が少し上がる行動を20個書き出す
- 落ち込んだらその中から1つ選んで実行する
“すぐできる行動”を混ぜると成功率が上がります。
メンタルを強くするには「気分を上げる」のも大事ですが、「心を癒す」のも大事。心を癒したい時は下記の記事で紹介している「科学的に認められている疲れた心を癒す方法10選」も行いましょう!

4. 筋トレ後のセルフ・アファメーション
スクワットなど軽い筋トレを行った直後に、自分にポジティブな言葉をかける「自己肯定の小さな儀式」です。
運動後は前頭前野が働きやすく、ポジティブな言葉が入りやすい状態。自己効力感(自分はできる感覚)が高まりやすくなります。
運動の余韻が残っているタイミングを活かすことで、普段よりも言葉が心に入りやすくなるのが特徴です。
セルフ・アファメーションの方法
- 軽い筋トレ直後に「今日も頑張れた」などの言葉をかける
- 自分の思考や行動を声に出して誉める
短く・肯定的な言葉の方が効果が高いです。
日本には「言霊」という考えがあるように、言葉には力があります。しかも、言葉には力があることは科学的にも証明されています。詳しくは下記の記事へ!

5. 自然 exposure+自然への接触(外気・散歩・緑視)
- 朝に外気に触れる
- 緑のある道を歩く
- 自然音を聴く
- 観葉植物を眺める
“自然とつながる時間”をつくる方法です。
大自然に行く必要はなく、身近な環境でOK。日常の中で自然に触れる工夫をする方法です。
自然とつながる時間を作るポイント
- 朝5〜10分、外へ出る
- 緑の多い道を歩く or 自然音を聞く
“風を感じる”だけでも効果があります。
下記の記事では科学的に認められている森林浴の効果を10コ紹介しています!

6. ジャーナリング(書き出し)+紙を破る
頭の中のモヤモヤや今感じている気持ちを紙に書き出し、最後にその紙を破って“区切り”をつける感情整理の方法です。
書くことで感情が整理され、紙を破る行動で“心理的に距離を置ける”ことが研究で示されています。気持ちの流れがスッと軽くなります。
ジャーナリングのポイント
- 今の気持ちを2分書く
- 書いた内容は誰も見ないので自分の感情を思うままに書く
- 単語や箇条書きでもOK(文章でなくてもいい)
- 書いた紙をビリビリ破る
書いた内容は上手でなくてOK。“書き出す”こと自体が効果です。
7. 1日10分読書(ビブリオセラピー)
ビブリオセラピーは「読書を通じて心を整える」心理療法の一つで、
- 物語(小説)
- エッセイ
- 自己啓発
など“自分にとって読みやすい本”を10分だけ読むという、とても取り入れやすい方法です。◎ なぜ効果的?
読書にはストレスを約68%減らす効果があると報告されており、音楽や散歩よりもリラックス効果が高いというデータもあります。
文字を追う動作は前頭前野の活動を整え、過剰な不安・思考の暴走を抑える作用があるとされます。
ビブリオセラピーのポイント
- 毎日10分だけ本を読む
- ジャンルは自由(物語・エッセイ・短編集など)
- 朝・昼・夜、どの時間帯でもOK
- 長時間読もうとせず「10分だけ」を守る
難しい本はNG。スッと入るものがベスト。同じ本を何回読んでもOK。
誰かと一緒に読書をすることも心を軽くすることが科学的に認められています。詳しくは下記の記事で!

8. 三行感謝日記
寝る前に、その日にあった“少し良かったこと”を3つ書き出す日記習慣です。
大きな出来事でなくてOK。小さな嬉しさや安心を言葉にして残すことで、自然と前向きな視点が育つ方法です。感謝に意識を向けると、脳が「良いもの」を見つける回路が強化されます。
ネガティブ思考の偏りが弱まり、不安が減ることが研究で確認されています。
三行感謝日記のポイント
- 寝る前に今日の「よかったこと」を3つ書く
- 些細なことでOK
“些細なことほど良い”。脳が変化しやすくなります。
9. マインドフル・イーティング(ゆっくり噛んで食べる)
テレビやスマホを見ずに食事そのものに意識を向け、一口をゆっくり丁寧に味わって食べる方法です。
噛む動きは迷走神経を刺激し、体が落ち着きモードに入ります。“今ここ”に意識が戻ることで、不安や考えすぎから脳が離れやすくなります。
マインドフル・イーティングのポイント
- 一口20回を目安に噛む
- 食感・味・温度などに意識を向ける
ながら食べはNG。食事だけに集中すると効果が倍増します。
10. コミットメントデバイス(宣言して自己管理力UP)
「今日は○○をする」と自分に宣言し、SNSや手帳に書くことで行動を約束する方法です。
宣言すると前頭前野が活性化し、行動の優先順位が明確になります。やるべきことに沿って動けるため、
- 自己管理力
- 継続力
が自然と強化されます。
コミットメントデバイスのポイント
- 今日やることを1つ宣言
- SNS or 手帳に書く(どちらでもOK)
宣言は「短く・具体的」にすると成功しやすいです。
短時間で心も体も整う|「隙間時間のスクワット」もおすすめ
メンタルを改善するには、短い運動習慣がとても効果的です。私のYouTubeチャンネルでは、忙しい日でも取り入れやすい「隙間時間のスクワット」を配信しています。
スクワットは下半身の大きな筋肉を使うため、
- 脳の活性化
- ストレス軽減
- 気分の切り替え
に特に効果的。わずか数分でも、メンタルの強化に効果的です。
まとめ|小さな習慣が“強いメンタル”をつくる
メンタルを強くするのは、特別な努力ではなく日常の小さな習慣です。
今回紹介した10の方法はどれも短時間ででき、ストレスに強い心の土台づくりに役立ちます。
まずは気になるものを1つだけでもOK。小さな一歩が、心を安定させる大きな変化につながります。
参考文献
- Kabat-Zinn J. Mindfulness-Based Stress Reduction and Health Benefits.
- Grossman P. et al. Mindfulness-based interventions in stress reduction.
- Hillman CH. The relationship of physical activity to brain health and cognition.
- Ratey JJ. Spark: The Revolutionary New Science of Exercise and the Brain.
- Tsafou KE et al. The effectiveness of coping planning in emotion regulation.
- Richards R, et al. Bibliotherapy for stress reduction and mental health.
- Ulrich RS. Nature and stress recovery theory.
- Fredrickson BL. Positive emotions broaden-and-build theory.
- Porges SW. Polyvagal Theory and emotional regulation.
- Baumeister RF & Tierney J. Willpower: Understanding self-control.


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