【この記事でわかること】
- 夜中に何度もトイレに起きる主な原因とメカニズム
- 運動で改善できる理由とその根拠
- 自宅でできる骨盤底筋トレーニングの具体的な方法
- 続けるための工夫と生活習慣の見直し方
- 関連YouTube動画で実践できる方法
「夜中に何度もトイレに行ってしまい、ぐっすり眠れない…」
この悩みは、年齢を重ねるほど多くの方が経験します。眠りが分断されることで、翌朝のだるさや集中力低下、日中の眠気にもつながります。
しかし、この「夜中のトイレ問題」は、薬だけに頼らず運動と生活習慣の工夫で改善できる可能性があります。
この記事では、夜中にトイレで目が覚める原因と、自宅でできる改善トレーニングを詳しく解説します。


夜中にトイレに起きる原因

加齢による膀胱機能の変化
加齢とともに、膀胱の「尿をためられる量」が少なくなります。本来なら300〜500mlためられる膀胱が、200ml程度でも尿意を感じやすくなり、夜中に目が覚めてしまいます。
また、夜間は尿を濃縮して量を減らす働きを持つ「抗利尿ホルモン」の分泌が減少するため、夜でも尿がたくさん作られやすくなります。
昼間の活動量を増やすと膀胱の血流が改善し、機能低下の予防につながります。
骨盤底筋の衰え

骨盤底筋は、骨盤の底にハンモックのように広がり、膀胱や尿道、子宮、直腸を支える筋肉群です。
- 加齢
- 出産
- 運動不足
などで衰えると、尿道を締める力が弱くなり、尿意を我慢しづらくなります。特に、座りっぱなしや立ちっぱなしの生活、肥満傾向のある方は負担がかかりやすいです。
骨盤底筋は見えない場所にありますが、トレーニング次第で何歳からでも強化できます。
冷えや血流不足
冷えは膀胱や尿道の感覚を過敏にし、尿意を感じやすくします。
冬場だけでなく、夏でも冷房や冷たい飲み物で下半身が冷えることがあります。血流不足は膀胱の機能低下や筋肉のこわばりを招き、夜間の頻尿を悪化させます。
ふくらはぎを動かす簡単な運動を日常に取り入れると、血流改善に効果的です。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれており、血流を良くするためにふくらはぎのトレーニングは欠かせません。ふくらはぎのトレーニングについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

生活習慣(寝る前の水分・アルコール・カフェイン)
寝る直前の大量の水分は、そのまま夜間の尿量を増やします。
さらにアルコールやカフェインは利尿作用が強く、膀胱を刺激するため、夜中のトイレ回数を増やします。
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- エナジードリンク
などは特に注意。
夜は麦茶やルイボスティーなどのカフェインレス飲料に切り替えるだけでも改善することがあります。
コーヒーなどに含まれる「カフェイン」は睡眠の質を下げることが明らかとなっています。下記の記事では、カフェインが睡眠に与える具体的な影響や睡眠何時間前にカフェインを摂ると睡眠に影響するのか紹介しています。

運動で夜中のトイレを改善できる理由
骨盤底筋を鍛えることで尿漏れや頻尿を予防
骨盤底筋が強化されると、尿道の締まりが良くなり、夜間の尿意を我慢しやすくなります。
特に「尿意はあるのに少量しか出ない」「トイレに行ったばかりなのにまた行きたくなる」などの症状は改善が期待できます。
毎日数分でも継続すれば、1〜2か月で変化を感じやすくなります。
血流改善で膀胱機能をサポート
ウォーキングや下半身の筋トレで血流が改善されると、膀胱や尿道周辺の組織に栄養や酸素が行き渡りやすくなります。
これにより、筋肉や神経の働きが向上し、尿意のコントロールがしやすくなります。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、ポンプのように血液を心臓に押し戻します。
自律神経を整え、尿意を感じにくくする
自律神経の乱れは、膀胱の過敏な収縮を引き起こし、少ない尿量でも尿意を感じやすくします。
適度な運動は交感神経と副交感神経のバランスを整え、膀胱の過剰反応を抑えます。
運動後の深呼吸やストレッチを組み合わせると、自律神経の安定効果がさらに高まります。
ヨガの深い呼吸とゆったりした動きは自律神経を整えるのに効果的。下記の記事では自宅で行える「自律神経を整えるヨガ」を紹介しています。

自宅でできる夜中のトイレ対策トレーニング
ヒップリフト

- 仰向けで膝を立て、足は腰幅に開く
- ゆっくりお尻を持ち上げ、肩〜腰〜膝を一直線にする
- 5秒キープして下ろす
- 10回×2セット
骨盤底筋とお尻の筋肉は連動して働くため、同時に鍛えると効率的です。
スクワット

- 足を肩幅に開く
- 背筋を伸ばし、お尻を後ろに引くようにゆっくりしゃがむ
- 太ももが床と平行になるまで下げたら、ゆっくり立ち上がる
- 10回×2セット
ゆっくり行うことで骨盤底筋にも負荷がかかります。
スクワットのより詳しい方法は下記の記事を参考にして下さい。

ドローイン(腹横筋と骨盤底筋を同時に鍛える)

- 仰向けに寝て、膝を立て、両手をお腹の上、または腰の下に置く
- 鼻から息を吸い、お腹を軽く膨らませる
- 口からゆっくり息を吐きながら、お腹をへこませる
- この時、肛門と尿道を軽く引き上げるよう意識
- 5〜10秒キープ → ゆっくり緩める
- 10回を目安に行う
腰や肩に余計な力が入らないよう、呼吸を止めずに行います。腹横筋と骨盤底筋は「体幹の深層部」で連動して働くため、ドローインは見えない筋肉の引き締めにとても効果的です。
戦士のポーズⅡ(股関節と骨盤底筋の安定性アップ)

- 両足を肩幅の約2倍に広げる
- 右足を外に90度、左足はやや内側に向ける
- 息を吸いながら両腕を肩の高さに広げ、手のひらは下向き
- 息を吐きながら右膝をゆっくり曲げ、太ももが床と平行になるまで腰を落とす
- 目線は右手の先へ、背筋はまっすぐ
- 5〜10呼吸キープしたら反対側も行う
腰を落とした状態で、軽く骨盤底筋を引き上げる意識を持つと効果倍増。
戦士のポーズⅡは下半身の大きな筋肉を使いながら、骨盤底筋の持続的な収縮も促せるため、筋持久力の向上にも役立ちます。
夜中のトイレ対策トレーニングを続けるコツと注意点
生活習慣とセットで改善する
運動は生活習慣の見直しと一緒に行うと効果的。寝る前のカフェイン・アルコール制限、体を温める習慣などと組み合わせましょう。
寝る前に白湯を少量飲むと、冷え防止とリラックス効果が期待できます。
水分・塩分の摂り方を工夫する
日中はしっかり水分を摂り、夕方以降は控えめに。塩分過多は体に水分をため込みやすくし、夜間の尿量を増やします。
夕食の塩分を減らすだけでも、夜間尿量が減るケースがあります。
無理せず続けられる時間・回数を決める
毎日同じ時間に、短時間でもOK。大事なのは「続けられること」。体調に合わせて行いましょう。
テレビを見ながらや歯磨き中にできる動きを選ぶと継続率が上がります。
YouTubeで一緒にトレーニングしよう
夜中にトイレに起きてしまう原因の一つに、下半身やお腹まわりの冷えがあります。身体が冷えると血流が悪くなり、膀胱や腎臓の働きにも影響が出てしまいます。
そんなときにおすすめなのが、身体を芯から温めるエクササイズです。
私のYouTubeチャンネルでは、特別な道具を使わず、8分でできる温活エクササイズをご紹介しています。
激しい運動ではなく、誰でも取り組めるやさしい動きばかりなので、運動が苦手な方や体力に自信がない方でも安心です。
身体を動かしているうちに、じんわり汗ばみ、全身がポカポカしてきます。
まとめ|運動と生活習慣で快適な夜を取り戻そう
夜中のトイレで眠りが妨げられると、日中のパフォーマンスにも影響します。
骨盤底筋を中心にした運動と生活習慣の見直しは、自然な改善方法としておすすめです。
今日から無理のない範囲で始め、ぐっすり眠れる夜と快適な毎日を手に入れましょう。


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