- ストレッチが高血圧改善に効果的な理由とは?
- 血圧を下げるためにおすすめのストレッチ5選
- 続けるコツと注意点も紹介

- 血圧を薬だけに頼りたくない
- リラックスしながら血圧を下げたい
- 自力で血圧を下げたい
——そんなあなたにおすすめなのが“ストレッチ”。
実はゆったりとしたストレッチには、血圧の改善につながるさまざまな効果があるのです。
この記事では、高血圧とストレッチの関係、効果的な実践法、そして続けるコツまでわかりやすくご紹介します。


なぜストレッチが高血圧に効果的なのか?

高血圧は、血管が硬くなったり、交感神経が過剰に働いたりすることで引き起こされるケースが多くあります。
ストレッチは、筋肉や関節を柔らかくするだけでなく、「血管の柔軟性」や「自律神経のバランス」にも働きかけてくれる心強いセルフケア法です。
ここでは、その3つのメカニズムを詳しく解説します。
血管の柔軟性がアップする
ストレッチで筋肉がほぐれると、その周囲を走る血管もやわらかくなり、拡張しやすくなります。
血管がしなやかに広がることで、血流の抵抗が減り、結果的に血圧の上昇を抑える効果が期待できます。
特に、太ももやお尻、ふくらはぎなど大きな筋肉のストレッチは、全身の血流改善につながります。
20~30代の頃は柔軟だった血管も、加齢や運動不足で徐々に硬くなります。柔らかい血管=“しなやかなホース”を目指しましょう。
血管の柔軟性向上=動脈硬化の改善です。動脈硬化の改善にはストレッチだけでなく、ヨガも効果的!ヨガの基本的な動きを組み合わせた「太陽礼拝」で血管の柔軟性を向上させましょう!

副交感神経が優位になる(リラックス効果)
ストレッチをすると、呼吸が深まり、身体の緊張がゆるみます。
これにより自律神経のうち「副交感神経」が優位になり、心拍や血圧が自然と落ち着いていきます。
忙しい日々の中で緊張が続くと、交感神経が過剰に働き、血圧が高くなりやすい状態になります。
ストレッチは「自律神経のスイッチ」を切り替える効果もあります。
自律神経の整え方を詳しく知りたい方は下記の記事をチェックして下さい!

筋ポンプ作用で血流が改善
ふくらはぎや太ももの筋肉が縮んだり伸びたりすることで、まるで“ポンプ”のように血液が心臓に戻されやすくなります。
この「筋ポンプ作用」は、特に下半身のストレッチで活性化され、血流が滞りにくくなるため、血圧の安定にもつながります。長時間座りっぱなしの人にも効果的です。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれています。ここを動かすことは、血圧コントロールのカギを握ります。
5分でできる 高血圧改善5つのストレッチ
ここからは高血圧を改善するストレッチを5つ紹介します。全て行っても5分以内で行えます。
背中のストレッチ

- 椅子、または床に座って行う。
- 両手を組んで、真上に腕を伸ばす。
- 背筋を伸ばしてストレッチを行う。
- 次に両手を組んだまま、横に倒して脇腹のあたりをストレッチする。
- 左右それぞれ30秒行う。
背中のストレッチは姿勢の改善に直結し、胸郭の動きをスムーズにすることで呼吸が深くなり、副交感神経が優位になりやすくなります。
横に倒した勢いでお尻が浮かないよう注意する
両手を横に倒した際、お尻が床から浮かないように注意しましょう。
お尻が床から浮いてしまうと脇腹のストレッチが弱くなってしまいます。
胸のストレッチ

- 床、または椅子に座って行う。
- 両手を体の後ろで組んで、斜め下に両手を伸ばす。
- 両肩を後ろに引いて、ストレッチを30秒行う。
胸のストレッチは猫背や肩の巻き込みを防ぎ、胸を開く姿勢を取りやすくします。
この姿勢は肺を広げて呼吸を深くするため、リラックス効果が高まり、自律神経の安定を促します。
両肩を後ろに引く

胸のストレッチのポイントは両肩を後ろに引くことです。両肩を後ろに引くことで胸のストレッチ感を強めることができます。
デスクワークの方やスマホをよく使う方は肩が前にでてしまう「巻き肩」になっている可能性が高いです。しっかり肩を後ろに引いて、胸をストレッチしましょう。
首のストレッチ

- 椅子、または床に座って行う。
- 背筋を伸ばし、頭を前に傾ける。
- 両手を組んで後頭部に乗せる。
- 首の後ろ側がストレッチされていることを意識する。
- 30秒ストレッチを行う。
首・肩(僧帽筋)の緊張は交感神経を刺激しやすく、高血圧に関与します。この筋肉を緩めることで、首肩のコリを和らげ、緊張による血圧の上昇を抑える効果が期待できます。
肩こりに悩んでいるなら「脇」を伸ばそう!脇をストレッチすることで肩こりが劇的に楽になります。詳しくは下記の記事で!

両手は後頭部にのせるだけでOK
首のストレッチでは両手は後頭部に「のせるだけ」でOKです。両手に力を入れて、頭を前に倒すと首を痛めてしまうことがあるからです。
両手の重みで頭を前に倒して、首のストレッチを行いましょう。
太もも後面のストレッチ

- 床に座って行う。
- 両脚を前に伸ばし、背筋を伸ばす。
- 股関節を折り目とイメージして、上半身を前に倒す。
- 両手は軽く前に伸ばす。
- 太ももの後面がストレッチされていることを意識して行う。
- 30秒ストレッチを行う。
太ももの筋肉を伸ばすことで、下半身の血流が改善します。座りっぱなしによる血流停滞を防ぎ、血圧を下げるサポートになります。
手を前に伸ばすことよりも上半身を前に倒すことを意識する
太もも後面のストレッチは、両手を前に伸ばすことよりも上半身を前に倒すことを意識して行いましょう。
上半身を前に倒すことで太もも後面の筋肉をしっかりストレッチできます。
ふくらはぎのストレッチ

- 壁などに両手をつき、ストレッチしたい方の脚を一歩後ろに引く。
- 後ろ足のかかとは床につけたまま、前足に体重をのせ、ふくらはぎをストレッチする。
- 左右それぞれ30秒行う。
ふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に戻す重要なポンプの役割を果たします。
腓腹筋の柔軟性を保つことで、全身の血流がスムーズになり、血圧の負担を軽減します。
後ろ足のつま先とかかとがポイント
- 後ろ足のつま先 → 真っすぐ前を向ける
- 後ろ足のかかと → 床につける(床から浮かさない)
後ろ足のつま先とかかとがふくらはぎのストレッチのポイントです。つま先の向きとかかとの状態を確認しましょう。
高血圧改善ストレッチを毎日続けるためのコツと注意点

ストレッチは一度やっただけで劇的な変化が出るものではなく、少しずつ、毎日続けることが大切です。
とはいえ「続けなきゃ」と無理に頑張りすぎると、かえってストレスや体の負担になり逆効果に。
ここでは、無理なく習慣にするためのコツをご紹介します。
無理しない・呼吸を止めない
ストレッチ中に「筋肉を伸ばそう!」と頑張りすぎると、筋肉が緊張して逆に血圧が上がることもあります。
体が硬いと感じる方は、伸びて気持ちいいところでストップするのがコツ。
また、息を止めると交感神経が刺激されてしまうので、「吐く」ことを意識した深い呼吸を心がけましょう。
息を吐きながら筋肉を伸ばすと、副交感神経が優位になりやすく、より効果的にリラックスできます。
お風呂上がりや朝に取り入れる
ストレッチのタイミングは、体が温まり筋肉がほぐれている「お風呂上がり」や、「朝起きた直後」がおすすめです。
特にお風呂上がりは血流がよくなっているため、無理なく深く筋肉を伸ばせます。
朝は交感神経が優位になる時間帯なので、軽めのストレッチで1日を穏やかにスタートできます。
ストレッチの前後にコップ1杯の水を飲むことで、血液の流れがよりスムーズになりやすいです。
朝のウォーキングは高血圧の改善はもちろん、ダイエットにも効果的!詳しくは下記の記事で!

「気持ちよさ」を優先する
ストレッチで大切なのは「どれだけ伸ばしたか」ではなく、「どれだけ気持ちよく行えたか」。
痛みを感じるほどの強度は逆効果。
心地よいと感じる範囲でゆっくりと行うことで、血流も自律神経も整いやすくなります。
毎日少しでも「気持ちいいな」と感じることが、継続の最大のポイントです。
「気持ちいい」と感じると脳内にリラックス物質(セロトニン)が分泌され、自律神経の安定にもつながります。
森林浴はセロトニン「幸せホルモン」を分泌し、高血圧を改善する効果もあります。詳しくは下記の記事で!

まとめ
高血圧の改善には、薬や食事だけでなく、毎日の「ちょっとした習慣」が大きな力になります。
ストレッチは血管をしなやかに保ち、自律神経を整え、血流をスムーズにすることで、自然なかたちで血圧の安定をサポートします。
「無理なく・気持ちよく・呼吸を忘れずに」——この3つを意識して、毎日の暮らしにストレッチを少しずつ取り入れてみてください。
今日の1分が、明日の血圧と心を穏やかに整える第一歩になります!


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