- 5分ストレッチを行えば、血圧が下がります。
- ストレッチは高血圧の原因である自律神経の乱れやストレスを改善する効果があるため、高血圧の改善に効果的です。
- この記事では5分でできる高血圧を改善するストレッチを5つ紹介します。
高血圧は5分間のストレッチで改善することができます。ストレッチは高血圧の原因を改善する効果があるからです。
この記事では高血圧を改善するストレッチを5つ紹介します。すべて行っても5分で終わります。毎日のストレッチで高血圧を改善しましょう!
私は以前、高齢者を対象とした「高血圧改善運動教室」を行っていました。高血圧改善に有効だったストレッチをこの記事で紹介します。
高血圧とストレッチについて
まずは簡単に高血圧とストレッチについて紹介します。
高血圧について
そもそも血圧とは
そもそも血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管の壁(血管壁)に与える圧力のことを指します。血圧を決定する因子は下記の通りです。
- 心拍出量:心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量
- 血管の弾力性:血管のしなやかさ
- 血管抵抗:血液が血管に流れ込む際の末梢血管の抵抗力
- 血液の粘度
血圧には「収縮期血圧」と「拡張期血圧」の2つがあります。収縮期血圧は、心臓が収縮して血液を送り出す時に血管にかかる圧力で、拡張期血圧は心臓が拡張して血液を受け取るとき、血管にかかる圧力です。
血圧の正常値
血圧の正常値は、
- 収縮期血圧 120㎜Hg未満
- 拡張期血圧 80㎜Hg未満
とされています。しかし、既往歴や年齢によって目標とする血圧の数値は異なります。
収縮期血圧が140 mmHg以上、または拡張期血圧が90 mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。
高血圧は血管や臓器に負担をかけている状態
高血圧は正常な状態よりも心臓と血管に負担をかけている状態です。高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状がなく、気づかないうちに脳卒中や心臓病、慢性腎臓病などの生活習慣病を引き起こします。
心臓病が重症化すると「心不全」を起こし、心不全は日常生活に大きな悪影響を与えます。心不全はヨガで予防しましょう。
高血圧の原因
高血圧の主な原因は下記の通りです。
- 加齢
- 運動不足
- 肥満
- 喫煙
- 寝不足
- 過度の飲酒
- 塩分の摂り過ぎ
- ストレス
- 遺伝
上記の高血圧の原因が血管を硬くする「動脈硬化」を引き起こします。動脈硬化は心臓病や脳卒中を引き起こします。
上記の高血圧の原因の内、遺伝以外は自律神経を乱す原因となります。自律神経を乱すことで高血圧を引き起こします。自律神経については下記の記事を参考にして下さい。
ストレッチについて
ストレッチとは
そもそもストレッチとは、筋肉を意図的に伸ばす運動のことです。ストレッチは筋肉の柔軟性を高め、関節可動域をひろげる効果があります。
筋肉は筋膜という膜に覆われています。筋肉と筋膜が硬くなると疲労感が強くなったり、肩こりや腰痛を引き起こします。
ストレッチが高血圧を改善する理由①血流を改善するから
ストレッチを行うと筋肉が柔らかくなります。これに伴い血管が広がって、血流が改善します。血流が改善することで心臓の負担が軽くなり、高血圧を改善することができます。
血液中に老廃物がたまると血液がドロドロした状態になります。ドロドロした血液は粘度が高く、血液の流れが悪いので心臓に負担をかけることになります。
ストレッチが高血圧を改善する理由②自律神経を整えるから
ストレッチは自律神経を整える効果があります。自律神経は不規則な生活で乱れます。不規則な生活とは、
- 乱れた食生活
- 運動不足
- 睡眠不足
- ストレス
などを指します。これらは自律神経を乱す原因でもありますが、高血圧を招く原因でもあります。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つがあります。交感神経は血圧を上げ、筋肉を緊張させるなどの働きがあり、副交感神経は血圧を下げ、筋肉を弛緩させるなどの働きがあります。
ストレッチを行うことで筋肉の緊張がほぐれ、副交感神経の働きが活発になります。副交感神経の働きが活発になると、血圧が下がり、リラックスした状態になります。
ストレッチのポイント
呼吸を意識すること
ストレッチは息をこらえずに行いましょう。腕ストレッチは深いゆっくりとした呼吸と組み合わせて行うことで、より筋膜と筋肉を柔らかくすることができます。
深いゆっくりとした呼吸はヨガのテクニックでもあります。深い呼吸やヨガに興味のある方は下記の記事を参考にして下さい。
1つ30秒行うこと
ストレッチは1つ30秒行いましょう。30秒ストレッチを行うことで、しっかり筋肉と筋膜を柔らかくすることができます。
ストレッチの際はスマホでタイマーのアプリを使うと便利です。好きな時間を設定できるので、30秒に設定してストレッチを行いましょう。
気持ち良い強さで行うこと
ストレッチは「痛気持ちいい」強さで行いましょう。痛気持ちいい強さで行うことで、筋肉と筋膜をしっかり柔らかくすることができます。
ストレッチは「痛い」と感じる強さで行うと、かえって逆効果です。ストレッチが強すぎないように注意して行いましょう
お風呂上りに行うと効果的
ストレッチはお風呂上りなど体が温まった状態で行うと、より効果的です。体が温まった状態は筋肉と筋膜も柔らかくなっていて、筋肉をしっかり伸ばすことができるからです。
高血圧と診断されている場合や入浴前の血圧が140㎜Hg以上ある場合はぬるま湯がオススメです。温度の高いお風呂に浸かると、却って血圧を上げてしまいます。
体を温めるにはシャワー浴ではなく、湯船につかることがポイントです。入浴剤を使うとより体を温めることができます。
ストレッチマットを使うこと
ストレッチを行う際、可能であればストレッチマット(ヨガマット)を準備しましょう。
ストレッチマットがあると、関節や骨を床にぶつけることなく、安心してストレッチに集中することができます。ストレッチマットがない場合はカーペットの上で行いましょう。
5分でできる 高血圧を改善する5つのストレッチ
ここからは高血圧を改善するストレッチを5つ紹介します。全て行っても5分以内で行えます。
背中のストレッチ
- 椅子、または床に座って行う。
- 両手を組んで、真上に腕を伸ばす。
- 背筋を伸ばしてストレッチを行う。
- 次に両手を組んだまま、横に倒して脇腹のあたりをストレッチする。
- 左右反対側も行う。
両手を真上に伸ばし背筋を伸ばと脊柱起立筋(背骨の横に位置する筋肉)のストレッチに、横に両手を倒した時は脇腹や背中(広背筋)のストレッチになります。
上を向くとストレッチ感が強くなる
両手を上の伸ばすストレッチでは、真上(または斜め上)に顔を向けることで背中のストレッチ感が強くなります。
横に倒した勢いでお尻が浮かないよう注意する
両手を横に倒した際、お尻が床から浮かないように注意しましょう。
お尻が床から浮いてしまうと脇腹のストレッチが弱くなってしまいます。
胸のストレッチ
- 床、または椅子に座って行う。
- 両手を体の後ろで組んで、斜め下に両手を伸ばす。
- 両肩を後ろに引いて、胸の筋肉のストレッチを行う。
両肩を後ろに引く
胸のストレッチのポイントは両肩を後ろに引くことです。両肩を後ろに引くことで胸のストレッチ感を強めることができます。
デスクワークの方やスマホをよく使う方は肩が前にでてしまう「巻き肩」になっている可能性が高いです。しっかり肩を後ろに引いて、胸をストレッチしましょう。
首のストレッチ
- 椅子、または床に座って行う。
- 背筋を伸ばし、頭を前に傾ける。
- 両手を組んで後頭部に乗せる。
- 首の後ろ側がストレッチされていることを意識する。
背筋を伸ばす
首を前に倒す前に坐骨で座り、背筋を伸ばして座りましょう。坐骨とはお尻を触った時にゴツっとする骨です。坐骨を床にあて、背筋を伸ばします。
背筋を伸ばしてから首のストレッチを行うことで、ストレッチの効果が高くなります。
両手は後頭部にのせるだけでOK
首のストレッチでは両手は後頭部に「のせるだけ」でOKです。両手に力を入れて、頭を前に倒すと首を痛めてしまうことがあるからです。
両手の重みで頭を前に倒して、首のストレッチを行いましょう。
太もも後面のストレッチ
- 床に座って行う。
- 両脚を前に伸ばし、背筋を伸ばす。
- 股関節を折り目とイメージして、上半身を前に倒す。
- 両手は軽く前に伸ばす。
- 太ももの後面がストレッチされていることを意識して行う。
背筋を伸ばす
上半身を前に倒す前に坐骨で座り、背筋を伸ばして座りましょう。坐骨とはお尻を触った時にゴツっとする骨です。坐骨を床にあて、背筋を伸ばします。
背筋を伸ばしてから太もも後面のストレッチを行うことで、ストレッチの効果が高くなります。
手を前に伸ばすことよりも上半身を前に倒すことを意識する
太もも後面のストレッチは、両手を前に伸ばすことよりも上半身を前に倒すことを意識して行いましょう。
上半身を前に倒すことで太もも後面の筋肉をしっかりストレッチできるからです。
ふくらはぎのストレッチ
- 壁などに両手をつき、ストレッチしたい方の脚を一歩後ろに引く。
- 後ろ足のかかとは床につけたまま、前足に体重をのせ、ふくらはぎをストレッチする。
- 左右反対側も同様に行う。
壁やテーブルを使う
壁やテーブル、椅子の背もたれに手をついて足を前後にひらいて行いましょう。
後ろ足のつま先とかかとがポイント
- 後ろ足のつま先 → 真っすぐ前を向ける
- 後ろ足のかかと → 床につける(床から浮かさない)
後ろ足のつま先とかかとがふくらはぎのストレッチのポイントです。つま先の向きとかかとの状態を確認しましょう。
歩幅を大きくしてストレッチ感を強くする
ふくらはぎのストレッチの強度を強くしたい場合は、歩幅を大きくしましょう。
まとめ
- 高血圧の改善にストレッチを行いましょう。
- ストレッチは高血圧の原因である自律神経の乱れやストレスを改善する効果があります。
- この記事では高血圧を改善するストレッチを7つ紹介しました。
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