- 様々な研究で日本人の1日の水分摂取量が十分ではないことが指摘されています。
- 水分不足は血液の流れを悪くするだけでなく、内臓に負担を掛け、疲れやるさやだるさ、むくみ、肌荒れなどを起こします。
- この記事では水分補給の重要性とメリット、適切な水分補給の方法を紹介します。
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日本人は水分摂取量が少ない
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日本人は1日の水分摂取量が少ないとされていいます。
日本人の平均水分摂取量
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成人が1日に必要とする水分摂取量は「約2.5ℓ」です。
しかし、厚生労働省の調査によると、日本人成人(30〜76歳)の平均的な水分摂取量は、
- 男性:2,423ℓ/日
- 女性:2,037ℓ/日
と報告されており、男女共に多くの日本人が推奨される水分量を摂取していないことがわかります。
職場における平均水分摂取量
飲料水メーカーのサントリーの調査によると、オフィスで働く人々の約4割が、1日に飲料として摂取する水分量が2.0L未満であることが判明しています。
更に約9割の人々が「水」の摂取量が1.2L未満であり、目安とされる量を下回っています。
子供の水分摂取量
新潟大学が行った研究では、多くの日本の子ども達が水分不足であることを指摘しています。
小学校・中学校の児童・生徒349名を対象に、春(4月)と夏(7月)に尿検査を行い、子ども達の「体水分状態」を調べました。その結果、世界の子ども達の傾向と同様に日本の子ども達の多くも体水分状態がやや不足気味で、その傾向は夏より春に顕著になると指摘しています。
水分不足が身体に与える影響
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水分不足は身体と心に悪影響を与えます。
- 疲労感の増大
- 集中力の低下
- 目の乾燥
- 肌の乾燥・肌荒れ
- 便秘
- 心拍数の上昇
- 肝臓・腎臓への負担増
- めまい・立ち眩み
人間の脳は約75%が水分で構成されており、神経細胞の活動や情報伝達には水分が欠かせません。水分が不足すると、神経伝達やエネルギー供給に悪影響を及ぼし、集中力低下を招きます。
集中力を磨きたいならヨガをしましょう。ヨガを行うことで雑念を頭・心から解き放ち、自分自身と向き合えるようになり、自然と集中力も向上します。
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東洋医学は「水」が重要
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「東洋医学」の観点でも水分補給は健康と美容に必要不可欠です。
東洋医学の概念で、
- 気(き)
- 血(けつ)
- 水(すい)
は体内を巡り、互いに作用し合いながら生命活動を維持するだけでなく、健康や美容にも重要な要素とされています。
「東洋医学」とは、中国や日本、タイなどの東アジア地域で古代から発展してきた伝統医学の総称です。
東洋医学は西洋医学と異なり、身体全体のバランスを重視し、自然との調和やエネルギーの流れを健康の基盤と考えています。
東洋医学は「気」・「血」・「水」の流れが大事
健康や美容を保つために「気」、「血」、「水」の流れが良い状態を保つことが大切です。
この記事のテーマである「水」は「気」と「血」に影響を与えます。
「気」とは
「気(き)」は「生命エネルギー」や「活動力」を指します。
水分(水)が不足すると「気」の巡りも滞りやすくなり、
- 疲れやすさ
- だるさ
- 集中力の低下
を招きます。
「血」とは
「血(けつ)」は血液や栄養を運ぶ役割があります。
水分(水)が不足すると「血」がドロドロになりやすく、栄養や酸素の運搬が滞ります。
「水」とは
「水(すい)」とは体内の水分や体液そのものを指し、「血」や「気」の巡りを支えています。
水分が不足すると「水滞(すいたい)」という状態が起こり、
- むくみ
- 乾燥
- 基礎代謝の低下
などが現れます。
「水」不足が引き起こす症状
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「水」が不足すると、東洋医学では「陰虚」と「湿邪」といった状態を引き起こします。
陰虚(いんきょ)
陰虚は水分が不足し、体内が乾燥している状態です。
- 肌の乾燥
- 喉の渇き
- 便秘
などが起こります。
湿邪(しつじゃ)
湿邪は水分の巡りが悪く、体内に余分な水分が滞った状態です。
- むくみ
- 重だるさ
- 冷え
が生じる状態です。
「水」が足りると「気」・「血」も改善する
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水分補給によって「水」が充足すると、「気」と「血」の流れも改善されます。
- 「水」が改善:基礎代謝が改善
- 「気」が改善:エネルギーや活力が高まる
- 「血」が改善:血圧がさらさらになり、身体の隅々に栄養が行き届く
適切な水分補給のメリット
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水分補給で体内の水分量を満たすことで、
- 健康面
- 美容面
- 運動能力
それぞれにメリットがあります。
健康面のメリット
水分補給による健康面へのメリットは下記のようなものがあります。
- 血液循環の改善
- 老廃物の排出
- 腎臓・肝臓の負担軽減
- 便秘の解消
- 消化機能の促進
- 免疫力の向上
深い呼吸は便秘の解消に効果的です。便秘の原因は水分不足やストレスですが、深い呼吸はストレスを解消する効果があります。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
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美容面のメリット
水分補給による美容面へのメリットは下記のようなものがあります。
- 肌の潤いの向上
- 肌の弾力性向上
- むくみの改善
- デトックス効果
- 髪の健康改善効果
- 爪の改善効果
足ツボマッサージでデトックスしましょう。足ツボを刺激することで内臓が元気になり、体内に溜まった毒素や老廃物が排出されます。
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運動能力へのメリット
水分補給は運動能力にもメリットをもたらします。
- パフォーマンス向上
- 怪我の予防
- 熱中症の予防
- 回復力の向上
水分補給は運動能力を高めるため、やはり運動中の水分補給は重要です。
足を速くしたければ下記の記事で紹介している筋トレを行いましょう!下記の記事では「絶対足が速くなる筋トレ」を5つ紹介しています。
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適切な水分補給のポイント
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適切な水分補給のポイントは5つです。
- 適切な水分摂取量
- 水分補給のタイミング
- 水分の種類
- 水分の温度
- 水分摂取の記録
適切な水分摂取量
適切な水分摂取量は「体重1kgあたり約30〜40ml」とされています。
- 50㎏の人:1.5~2.0ℓ
- 60㎏の人:1.8~2.4ℓ
- 70㎏の人:2.1~2.8ℓ
また、飲料水だけでなく食べ物からも水分は摂取できますが、やはり水分補給の中心は飲料水となります。そのため、約2リットルは飲料水での摂取が必要となります。
適切な水分摂取量は年齢や環境(気温)によって異なります。
- 高温多湿の状況は水分摂取量が増える
- 高齢者や妊娠中の方は積極的な水分摂取を心がける
水分補給のタイミング
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水分補給は細目に行うことが大切ですが、
- 起床後
- 食事中・食後
- 就寝前
- 喉が渇く前
が特に水分補給が重要なタイミングです。
起床後
起床後はの水分補給は就寝中に失われた水分を補う目的があります。コップ一杯の水分を摂りましょう。
食事中・食後
食事中・食後の水分補給は食べ物の消化を助ける効果があります。食事中・食後の水分補給もしっかり行いましょう。
就寝前
就寝中は寝汗を防ぐため、就寝前に水分補給を行いましょう。コップ一杯の水分を摂るようにしましょう。
喉が渇く前に
喉が渇く前に水分補給を行いましょう。喉の渇きを感じる時点で、体は軽度の脱水状態になっているため、定期的に少量ずつ飲むことが理想です。
水分の種類
理想的な水分補給では、目的に応じた飲み物を選ぶことが重要です。
健康を高める
- お水(常温・ぬるめ):消化器官に負担を掛けない
- お茶:抗酸化・抗菌作用等がある
- 炭酸水:胃の働きを補助
美容を高める
- ミネラルウォーター:代謝の促進
- レモンウォーター:美肌効果
- ハーブティー:リラックス効果・抗酸化作用
水分の温度
適切な水分補給は、目的によって水分の温度を変える必要があります。
目的 | 温度 | 理由 |
---|---|---|
健康全般の維持 | 常温(20〜25℃) | 負担をかけず、吸収が良いため日常の水分補給に最適。 |
冷え性・胃腸ケア | 白湯(40〜50℃) | 血流促進や冷え改善、消化機能サポート。 |
美容(デトックス・潤い) | 白湯(40〜50℃) | 代謝を促し、老廃物の排出を助け、肌のトーンアップをサポート。 |
運動中・熱中症予防 | やや冷たい水(10〜15℃) | 体温調節や疲労回復を促進。ただし冷たすぎると胃腸に負担。 |
睡眠の質向上 | 常温〜ぬるめ(30〜40℃) | リラックス効果が高まり、副交感神経を刺激する。 |
水分摂取量の記録
1日の水分摂取量の記録をとりましょう。水分摂取量の記録をとることで、十分水分補給が出来ているか確認することができます。
下記は水分摂取量記録の方法です。
- 紙に記録
- カレンダーに記録
- パソコンで記録
- スマホアプリで記録
下記のサイトでは水分補給を記録・管理ができるアプリを紹介しています。アプリのメリットとデメリットも紹介してくれているので、大変わかりやすいサイトです。
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まとめ
- 様々な研究で日本人の1日の水分摂取量が十分ではないことが指摘されています。
- 水分不足は血液の流れを悪くするだけでなく、内臓に負担を掛け、疲れやるさやだるさ、むくみ、肌荒れなどを起こします。
- この記事では水分補給の重要性とメリット、適切な水分補給の方法を紹介しました。
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