【この記事でわかること】
- 腰痛がなかなか改善しない根本的な理由
- 筋トレが腰痛改善に効果的な3つの理由
- 腰痛持ちでもできる安全な筋トレメニュー5選
- 避けた方がいい腰に負担のかかる筋トレとは?
「また腰が痛くなってきた…」
そう思いながら、湿布やマッサージでなんとかごまかしていませんか?
でも実は、その場しのぎの対処だけでは、腰痛は繰り返す一方です。
根本から腰痛を改善したいなら、「筋トレ」が鍵になります。
この記事では、腰痛の本当の原因や、筋トレが効果的な理由、安全にできる具体的な筋トレまで、わかりやすく解説します。


なぜ腰痛は繰り返す?根本原因とは
腰そのものが悪いとは限らない
腰が痛いと「腰の骨に問題があるのでは?」と思いがちですが、実際にはレントゲンやMRIで異常が見つからないケースが多くあります。
その場合、痛みの本当の原因は
- 周囲の筋肉の硬さ
- 左右のバランスの崩れ
- 日常生活の動作のクセ
にあることが少なくありません。
特に、長時間同じ姿勢を続けるデスクワークやスマホ操作などで、筋肉が緊張し続ける状態が腰痛を引き起こしやすくなります。
実は「腰痛の85%以上」は、画像診断で明確な異常が見つからない「非特異的腰痛」と言われています。つまり、筋肉や神経の不調によるケースがほとんどなのです。
心と身体の健康に深く関わる自律神経も腰痛に関わっています。自律神経について、詳しくは下記の記事をご覧ください!

筋力の低下が痛みを生む
体を支える筋肉、とくに体幹(腹筋・背筋・骨盤周り)が弱ってくると、姿勢が崩れたり、動作のたびに腰に余計な負担がかかるようになります。
たとえば、腹筋の力が弱いと、上半身の重さを腰で支えざるを得なくなり、その結果腰椎の関節や筋肉にストレスが集中します。
また、お尻や太もも裏の筋肉が弱くなることで、日常の動作(立ち上がり・歩行など)も腰主導になり、慢性的な痛みにつながります。
腰痛改善には「腹筋」だけでなく「お尻の筋肉(大臀筋)」や「もも裏(ハムストリングス)」の筋力アップも重要です。体幹全体で支える意識を持ちましょう。
お尻を重点的に鍛えたいなら、下記の記事の筋トレも行いましょう!

一時しのぎの対処では改善しない理由
湿布・マッサージ・痛み止めなどの方法は、「痛みを和らげる」ためには有効ですが、痛みの根本的な原因にアプローチすることはできません。
むしろ、痛みが引いたことで「治った」と勘違いし、また同じ生活を続けてしまうことで、腰痛は再発します。
再発を防ぎ、将来的にも腰痛に悩まされない身体を作るには、筋力強化と姿勢改善が不可欠です。
運動の教科書にはよく「慢性腰痛には、運動療法が最も効果的」とされています。運動こそが、最も根本的な治療と言えます。
腰痛を根本から改善するおすすめ筋トレ5選
ドローイン

- 仰向けの状態で、両膝を立てる。
- 腰と床(マット)の隙間に両手を入れる。
- 大きく息を吸う。
- 息を長く吐きながら、腰を床(マット)に押し当てる。
- 「息を吸う」と「息を吐く」を1分間繰り返す。
ドローインは、お腹の奥深くにある「腹横筋(ふくおうきん)」を鍛えるトレーニングです。
この筋肉は天然のコルセットのような働きをしており、体幹を安定させて腰椎への負担を軽減してくれます。
腰を反らす・丸めるといった動きの安定にもつながり、腰痛の再発予防に効果的です。
プランク

- 仰向けの状態から肘と前腕、つま先をマットにつく。
- 肩の下に肘がくるように肘の位置を調整する。
- 腹筋やお尻に力を入れて、頭~かかとを真っすぐにする。
- 体が真っすぐの状態を15秒維持する。
プランクは、お腹・背中・肩・お尻・脚など、全身の筋肉を使う体幹トレーニングです。
姿勢保持に重要な筋肉が連動して働き、腰がそもそも痛くなりにくい安定した身体を作ります。
ヒップリフト

- 仰向けの状態で両膝を立てる。
- お尻に力を入れて、お尻を持ち上げて、膝から頭まで斜め一直線になるようにする。
- ゆっくりお尻を下げる。
- お尻の上げ下ろしを繰り返し20回行う。
お尻の筋肉(大臀筋)と体幹の筋肉を同時に使います。
骨盤の位置を正しく保つために必要な筋力が高まり、腰へのストレスが減少。
特に反り腰や座りすぎによる腰痛の改善に効果的です。
ワイドスクワット

- 足を肩幅よりも大きくひらき、つま先と膝を斜め45度に向ける。
- 膝を90度曲げ、お尻を下げる。
- 膝の曲下伸ばしを繰り返す。
- 20回行う。
太もも・お尻・内ももをバランスよく鍛えます。これにより骨盤を支える筋力が高まり、腰への負担が減少します。
歩行や立ち上がり動作が楽になるなど、日常生活にも好影響をもたらします。
キャット&カウ

- 四つ這いになる。
- 手は肩の下、膝は股関節の下にくるように調整する。
- 深い呼吸に合わせて「背中を反る」と「背中をまるめる」を繰り返す。
背骨・骨盤の動きをゆっくり引き出す動作で、可動域を広げて筋肉のこわばりを緩和します。
筋トレというよりは準備運動やコンディショニングに近いですが、姿勢改善や呼吸の安定化にもつながるため、腰痛予防に効果的です。
呼吸に合わせて背中を動かす

キャットアンドカウは呼吸にあわせて背中を動かしましょう。
- 背中を反る:息を吸う
- 背中をまるめる:息を吐く
背中を反る時は「斜め上を見る」、背中をまるめる時は「おへそを覗きこむ」ことで背中が動かしやすくなります。
注意!腰痛改善のために避けたい筋トレ
腰痛を改善したいと思って筋トレを始めることは素晴らしい第一歩です。
しかし、やり方を間違えると、かえって腰に負担をかけてしまうリスクもあります。
特に以下のような筋トレは、フォームが難しかったり、過度な負荷がかかったりするため、腰痛がある方は注意が必要です。
上体起こし(古典的な腹筋運動)
寝た状態から反動をつけて起き上がる「上体起こし」は、腰椎に強い屈曲ストレスをかけます。
腰の筋肉よりも股関節の前側(腸腰筋)ばかり使われやすく、腰を引っ張る力が加わるため、かえって腰痛を悪化させることも。
腹筋を鍛えるなら、「ドローイン」や「プランク」など、腰を反らさずに行える体幹トレーニングが安全で効果的です。
腹筋トレーニングでは「動かす」よりも「固定する」ことで深層筋が鍛えられ、腰痛改善に繋がります。
過度な背筋運動(反動をつけるバックエクステンション)
うつ伏せで上体を大きく反らす「背筋運動(バックエクステンション)」は、腰を反らしすぎると椎間関節に圧力が集中します。
反動をつけたり、可動域を過剰に広げると、筋肉ではなく腰椎に負担が集中してしまいます。
筋トレでは「大きく動かす」よりも「ゆっくり・丁寧に使う」ことがケガ予防のコツです。
ゆっくり体を動かす「ヨガ」は心と身体を癒す効果があります。腰痛の原因の一つはストレスです。ヨガでストレスを解消しましょう!

まとめ|腰痛の根本改善には「筋トレ習慣」が必要
「もう腰痛は治らないかも」と感じている方も、あきらめないでください。
湿布やマッサージでは届かない部分に、筋トレはしっかりアプローチできます。
無理なくできる簡単な筋トレでも、続ければ体は確実に変わります。
まずは今日紹介した中から、ひとつだけでも始めてみましょう。
その一歩が、腰痛のない日常への第一歩になります。


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