- ランニング中の呼吸は「呼吸筋」の柔軟性を上げることで楽になります。
- 呼吸筋とは、名前の通り呼吸に関わる筋肉です。呼吸筋の柔軟性が低下すると呼吸がしにくいだけでなく、ランニングのパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。
- この記事では呼吸筋の柔軟性を向上させる「呼吸筋ストレッチヨガ」を紹介します。
ランニング中の呼吸は、「呼吸筋」の柔軟性を上げることで楽にすることができます。
呼吸筋とは、呼吸に関わる筋肉の総称です。呼吸筋の柔軟性が高いと、肺が伸縮や拡張が十分に行われて、呼吸を楽にすることができます。
しかし、呼吸筋の疲労や姿勢の悪さなどが原因で呼吸筋の柔軟性が低下すると、肺が十分に伸縮・拡張ができず、呼吸がしにくくなります。ランナーにとって呼吸がしにくいことは、パフォーマンスの低下に繋がります。
この記事では、呼吸筋の柔軟性を高める「呼吸筋ストレッチヨガ」を紹介します。ストレッチにヨガの呼吸法を組み合わせることで、より呼吸筋の柔軟性を高めることができます。呼吸筋ストレッチヨガでランニング中の呼吸を楽にしましょう。
呼吸筋とランニング
まずは呼吸筋とランニングについて紹介します。
呼吸筋とは
呼吸筋とは、呼吸に関わる筋肉の総称です。呼吸は肺が収縮・拡張することで行えますが、呼吸筋が肺を動かします。
呼吸筋は「主要な呼吸筋」と主要な呼吸筋を補助する「補助的な呼吸筋」の2つに大きく分けられます。
呼吸筋とされる筋肉
呼吸筋は主に肺のまわりに位置する筋肉を指します。
- 胸鎖乳突筋
- 大胸筋
- 腹斜筋
- 僧帽筋
- 菱形筋
- 脊柱起立筋
- 広背筋
呼吸筋の1つである僧帽筋は肩こりの筋肉です。そのため、肩こりは呼吸を浅くする原因にもなります。肩こりにお悩みの方は腕の筋肉が凝ってることが多いので、肩こり解消には腕ストレッチがおすすめです。
ランニング中の呼吸筋の役割
- 肺換気量の増加:肺に入る空気量を増やす
- 呼吸効率の向上:少ない労力で多くの酸素を取り込む
- 二酸化炭素の排出:運動中に発生した二酸化炭素を効率的に排出する
呼吸筋の柔軟性が低いと起こること
ラニング中の呼吸筋は重要な役割を担っています。
呼吸筋の柔軟性の低下は下記のような悪影響を引き起こします。
- 息切れ
- 易疲労感(疲れやすい)
- パフォーマンスの低下
呼吸筋が硬いことのデメリット
呼吸筋の柔軟性が低下することで、ランニングのパフォーマンスが低下しますが、これ以外にもデメリットがあります。
- 呼吸機能の低下
- 姿勢の悪化
- 睡眠の質の低下
- 免疫の低下
- 自律神経の乱れ
- ストレスの増大
免疫力を高め、風邪をひきにくい体をつくるには筋トレが効果的です。数種類の筋トレを組み合わせたインターバルトレーニングは短時間で効率良く体を鍛え、免疫力を上げることができます。
呼吸筋が硬くなる原因
呼吸筋が硬くなる主な原因は下記のとおりです。
- 運動不足
- ストレス
- 悪い姿勢
- 加齢
- 喫煙
- 睡眠不足
- 栄養不足
- デスクワーク
ストレス発散には大量の汗をかく「滝汗トレーニング」が効果的です。大量の汗をかけば、気持ちがリフレッシュでき、ストレス解消間違いなしです。
呼吸筋ストレッチヨガのポイント
呼吸筋ストレッチヨガのポイントは3つです。
- 呼吸を意識すること
- ランニングの前後に行うこと
- ヨガマットを敷くこと
呼吸を意識すること
呼吸筋ストレッチヨガを行っている最中は、とにかく呼吸に意識を向けましょう。
鼻呼吸をする
ヨガの呼吸の基本は「鼻呼吸」です。鼻で空気を吸って、鼻から吐きましょう。
鼻呼吸のメリット
鼻呼吸のメリットはたくさんあります。
- 免疫力の向上
- 喉の乾燥を防ぐ
- リラックス効果
- 集中力の向上
- 口臭の予防
- 歯周病の予防
- 顔の歪みの予防
- ダイエット効果
ヨガは呼吸筋の柔軟性を上げるだけでなく、集中力を上げる効果もあります。集中力を上げるヨガは下記の記事をご覧ください。
ランニングの前後に行うこと
呼吸筋ストレッチヨガはできるだけ、ランニングの前後に行いましょう。その理由は下記の2つです。
- ランニング前:ランニング中の呼吸が楽になるから。
- ランニング後:ランニングによる呼吸筋の疲労を解消するから
時間がない場合はランニングの前後、どちらかだけでも構いません。大切なことは呼吸筋ストレッチヨガを行うことです。
ヨガマットを敷くこと
ヨガを行う時はできるだけヨガマットを使いましょう。
ヨガマットを使うことで、
- 気持ちを「ヨガを行うこと」に切り替えることができる
- 関節を床にぶつけて痛める心配がない
- 仰向けやうつ伏せで行うポーズを行いやすい
といったメリットがあります。
ヨガマットがない場合はカーペットの上で行いましょう。
ランナーのための呼吸筋ストレッチヨガ
ここからは「ランナーのための呼吸筋ストレッチヨガ」を紹介します。
この記事で紹介する呼吸筋ストレッチヨガは「三日月のポーズ」を基本としています。まずは三日月のポーズを身につけましょう。
三日月のポーズ
- 四つ這いの状態から始める。
- 片足を両手の間に移動し、立ち膝の姿勢になる。
- 上半身を起こし、両手を上に挙げる。
- 腕はあげたまま、上半身を後方に倒す。
- 可能であれば、両手をあわせる。
三日月のポーズでは前足の膝がかかとの真上にくるように調整します。膝がつま先よりも前に出てしまうと、膝を痛めてしまうこともあるからです。どうしても膝がつま先よりも前に出てしまう場合は、歩幅が狭いことが考えられるので、歩幅を大きくしましょう。
腸腰筋を伸ばす
三日月のポーズでは後ろ足の腸腰筋の柔軟性を上げる効果があります。腸腰筋は腰椎と骨盤から大腿骨に付着する筋肉です。
腸腰筋はランニング中、下記の働きをします。
- 足を上げる
- 骨盤を安定させる
- 姿勢の保持
- ストライドの拡大
腸腰筋はランニング中の姿勢の保持に働きます。そのため、腸腰筋が硬いとランニング中の姿勢が崩れ、姿勢の乱れにより呼吸筋の柔軟性も低下してしまいます。
腸腰筋は日常生活で硬くなりやすい筋肉です。三日月のポーズで腸腰筋の柔軟性を高めつつ、呼吸筋も柔らかくしましょう。
ねじった三日月のポーズ
- 三日月のポーズの流れで行う。
- 胸の前で両手を合わせて合掌する。
- お腹をねじり、肘を膝の外側に当てる。目線は後ろに向ける。
- 鼻呼吸をゆっくり3回繰り返す。
- 両手は合掌したまま、左右反対にお腹をねじる。
- 肘を膝の外側にあて、鼻呼吸を3回繰り返し行う。
ねじった三日月のポーズは肋間筋(あばら骨の間)の筋肉をストレッチします。肋間筋ももちろん呼吸筋です。
膝は真っすぐ前に向ける
ねじった三日月のポーズでは、前足の膝が真っすぐ前を向くようにしましょう。
このポーズは肘を膝の外側にあてるため、膝が内側を向きやすい特徴があります。膝が内側を向いてしまうと膝を痛めてしまうこともあります。
つま先と膝が真っすぐ前を向いているか、確認を忘れずに行いましょう。
胸をはるポーズ
- 足の位置は三日月のポーズの状態を維持する。
- 両手を身体の後ろで組み、腕を後方に伸ばす。
- 鼻呼吸をゆっくり3回繰り返す。
- 前後の脚を入れ替え、「2」と「3」をもう一度行う。
胸を張るポーズは大胸筋(胸の筋肉)を伸ばします。肩を後ろに引き、左右の肩甲骨を中央に寄せることがポイントです。
肩を伸ばすポーズ
- 足の位置は三日月のポーズの状態を維持する。
- 片腕を横に伸ばし、もう一方の腕で横に伸ばした腕を下から抱える。
- 伸ばした腕を手前に引き寄せ、肩甲骨から肩の筋肉の伸びを感じる。
- 鼻呼吸をゆっくり3回繰り返す。
- 足と手を前後左右入れ替え、「2」~「4」を行う。
肩を伸ばすポーズ、おへそを真っすぐ前に向けて行うことがポイントです。おへそが横を向いてしまうと肩の筋肉を十分にストレッチできないからです。
体側を伸ばすポーズ
- 足の位置は三日月のポーズの状態を維持する。
- 両手を組んで、体を横に倒して体側をストレッチする。
- 鼻呼吸をゆっくり3回繰り返す。
- 足と手を前後左右入れ替えて「2」と「3」を行う。
体側を伸ばすポーズは姿勢を保持するのが少々難しいポーズです。姿勢を崩さないよう、少しずつ体を横に倒していきましょう。
まとめ
- ランニング中の呼吸は「呼吸筋」の柔軟性を上げることで楽になります。
- 呼吸筋とは、名前の通り呼吸に関わる筋肉です。呼吸筋の柔軟性が低下すると呼吸がしにくいだけでなく、ランニングのパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。
- この記事では呼吸筋の柔軟性を向上させる「呼吸筋ストレッチヨガ」を紹介しました。
コメント