【この記事でわかること】
- 健康診断で「中性脂肪が高い」と言われる理由
- 科学的に効果が認められている中性脂肪の下げ方10選
- 中性脂肪が高い人がやりがちな逆効果な習慣
健康診断で「中性脂肪が高いですね」と言われ、気になっていませんか?
中性脂肪はエネルギーとして必要な脂肪ですが、高い状態が続くと動脈硬化などのリスクが高まります。
とはいえ、中性脂肪が高い人の多くは、生活習慣を見直すことで数値の改善が期待できます。
この記事では、中性脂肪が高い原因を簡単に整理しながら、科学的に効果が認められている改善法を今日から実践できる形で紹介します。
科学的に認められている中性脂肪が高い人のための下げ方10選
① インターバル速歩
中性脂肪が高い人は、脂肪をエネルギーとして使う能力(脂質代謝)が低下していることが多くあります。
インターバル速歩は、
- 「ゆっくり歩く」時間に脂肪を使い
- 「やや速く歩く」時間に代謝全体を刺激する
という2つの作用を交互に起こすことで、「脂肪を使う力」と「脂肪をためにくい体質」の両方を同時に改善します。
一定ペースのウォーキングよりも、脂質代謝やインスリン感受性の改善が大きいとする研究報告があります。
インターバル速歩とは

インターバル速歩とは、「早歩き」と「ゆっくり歩き」を交互に繰り返す歩き方です。
一定のペースで歩き続けるウォーキングと違い、強度にメリハリをつけることで、
- 脂肪をエネルギーとして使う力
- 代謝全体を高める刺激
の両方を効率よく引き出せるのが特徴です。
インターバル速歩の方法
- ゆっくり歩きを3分
- 早歩きを3分
- 「ゆっくり歩き」と「早歩き」を交互に繰り返す
- 合計 20〜30分 を目安に行う
息が切れるほど速く歩く必要はありません、「ちょっときつい」と感じる程度で十分です。
最初は合計10〜15分から始め、慣れてきたら時間を延ばしましょう
インターバル速歩のより詳しい方法は下記の記事で紹介しています!

② 筋トレ
筋肉は、血中の脂肪酸や中性脂肪を取り込み、エネルギーとして消費する重要な組織です。
筋トレによって筋肉量が増えると、安静時でも中性脂肪を処理しやすい体になります。さらに、筋トレはインスリン抵抗性を改善し、
肝臓での中性脂肪合成を抑える方向に働くことも分かっています。
筋トレ① スクワット

- 足を肩幅程度に開いて立つ
- 背すじを伸ばしたまま、お尻を後ろに引くように腰を落とす
- 太ももが床と平行になる手前で止める
- かかとで床を押す意識で立ち上がる
- 10〜15回 × 2セット
膝がつま先より大きく前に出すぎないようにしましょう。椅子に座る・立つ動作から始めてもOK。
筋トレ② ヒップリフト

- 仰向けになり、膝を立てる
- 足は腰幅、かかとはお尻の近くに置く
- 息を吐きながらお尻を持ち上げる
- 肩・腰・膝が一直線になったところで止める
- ゆっくりお尻を下ろす
- 10〜15回 × 2セット
腰を反らしすぎず、呼吸を止めずに繰り返しましょう。
筋トレ③ カーフレイズ

- 背すじを伸ばして立ち足は腰幅程度に開く
- かかとをゆっくり持ち上げ、つま先立ちになる
- ふくらはぎに力が入ったところで止める
- ゆっくりかかとを下ろす
- 10〜20回 × 2セット
反動を使わず、上下動をゆっくり行うのがポイント。
③ 食後の軽い運動
食後は血液中に中性脂肪が増えやすく、中性脂肪が高い人ほどこの上昇が大きくなりやすい傾向があります。
食後に軽く(5~15分)体を動かすことで、筋肉が血中の脂質を優先的に取り込み、食後高トリグリセリド血症を抑える効果が期待できます。
これは「横にならない」以上に、積極的な改善策といえます。
食後の軽い運動① 股関節まわし

- 背すじを伸ばして立つ
- 片脚を軽く持ち上げ、膝を曲げる
- 股関節から円を描くように、脚を後ろ・横・前へ回す
- 無理のない範囲で大きく動かす
- 左右それぞれ 5〜10回 行う
膝ではなく「股関節を動かす」意識を持つ。ゆっくり行うことで血流促進効果が高まります。
「股関節まわし」は股関節のつまりを解消する効果もあり。下記の記事では科学的に認められた股関節のつまりを解消する方法を紹介しています!

食後の軽い運動② 万歳ステップ

- 足を腰幅に開いて立つ
- 片脚を後ろに引き、軽くかかとを浮かせる
- 同時に両腕を頭の上に持ち上げる(万歳)
- 胸を軽く開く意識で上体を反らす
- 元の姿勢に戻り、左右交互に行う
- 左右5〜10回 目安に
太もも・股関節・体幹を同時に使える全身運動です。呼吸を止めず、腕を上げるときに息を吸いましょう。
食後の軽い運動③ グッドモーニング

- 足を腰幅に開いて立つ
- 背筋を伸ばし、股関節から上体を前に倒す
- お尻を後ろに引くイメージで体を折りたたむ
- 太もも裏が伸びたところで止める
- ゆっくり元の姿勢に戻る
- 5〜10回 行う
背中を丸めず、一直線を保つのがポイント。食後は深く倒しすぎなくてもOK。
④ 十分な睡眠

睡眠不足は、脂質代謝を調整するホルモンバランスを乱します。
その結果、
- インスリン抵抗性が高まり
- 中性脂肪が合成されやすい状態
が続いてしまいます。
十分な睡眠を確保することで、中性脂肪を下げるための“土台”が整うことが分かっています。
睡眠の質を高めるポイント
- 平日・休日ともにできるだけ同じ時間に寝て起きる
- 就寝1時間前からスマホ・PCの使用を控える
- 寝る直前の飲酒や夜食を避ける
- 寝室を暗く・静かに保つ
「長く寝る」よりも睡眠のリズムを整えることが重要
下記の記事では、科学的に認められた睡眠の質を高める方法を10コ紹介しています。

⑤ 夜遅い食事を避ける

夜間は体内時計の影響で、脂質を処理する能力が低下します。
この時間帯に食事をすると、摂取したエネルギーが中性脂肪として蓄積されやすくなります。特に中性脂肪が高い人では、「夜食」が数値悪化の引き金になっているケースが少なくありません。
夕食のポイント
- 夕食は就寝の3時間前までを目安にする
- 帰宅が遅い日は「主食を少なめ」で「脂質の多い料理を控える」
- どうしても空腹な場合は、消化の良いものを少量にする
夜は脂質を処理する能力が低下します。
⑥ アルコールを控える/休肝日を設ける

アルコールは肝臓での中性脂肪合成を強く促進します。
中性脂肪が高い人は、もともと肝臓での脂質処理が追いついていないため、少量の飲酒でも数値が上がりやすくなります。
休肝日を設けることで、肝臓が脂質代謝を立て直す時間を確保できます。
休肝日を設ける際のポイント
- 週に2日以上の休肝日を作る
- 「量を減らす」より「飲まない日を作る」ことを優先
- 晩酌が習慣の人は、まず頻度を見直す
中性脂肪が高い人は、少量の飲酒でも影響を受けやすい特徴があります。
休肝日は肝臓を休ませ、脂質代謝を立て直す時間になります。
⑦ 炭水化物の質と量を見直す

精製された炭水化物は血糖値を急上昇させ、余った糖が肝臓で中性脂肪へ変換されやすくなります。
炭水化物の「質」を全粒タイプに変えることで、血糖上昇が緩やかになり、中性脂肪が作られにくい代謝環境を作ることができます。
炭水化物を避ける際のポイント
- 白米・白パン・菓子パンの量を控えめにする
- 主食を玄米、雑穀米にする
- 一食あたりの量を「少し減らす」ことから始める
炭水化物は完全に抜かなくてOK。血糖の急上昇を抑えることで、中性脂肪が作られにくくなります。
⑧ 地中海食に近づける

地中海食は、脂質の「量」を減らすのではなく、脂質の「質」を改善する食事パターンです。
- 魚
- 野菜
- オリーブオイル
を中心とした食事は、中性脂肪の低下だけでなく、動脈硬化リスクの軽減にもつながることが示されています。
地中海食のポイント
- 魚・豆類・野菜を意識的に増やす
- 肉は「量を減らす・脂身を避ける」
- 調理油はオリーブオイルを選ぶ
- 揚げ物・加工肉は頻度を下げる
完璧な地中海食を目指す必要はありません。「今の食事を少しだけ地中海食に寄せる」だけでも効果が期待できます。
下記の記事では「地中海食」の特長を詳しく紹介しています!

⑨ 果物ジュースを避け、果物は丸ごと食べる

果物ジュースは、果糖を短時間で大量に摂取しやすく、肝臓で中性脂肪が作られやすい形になります。
一方、果物を丸ごと食べると、食物繊維が吸収スピードを抑え、中性脂肪の急上昇を防ぐ働きをします。
果物摂取のポイント
- 果物ジュース・スムージーを控える
- 果物は皮ごと、噛んで食べる
- 量は1日1〜2回、適量を意識する
ジュースは果糖を一気に摂りやすく、中性脂肪が上がりやすい特徴があります。
果物を丸ごと食べると、食物繊維が吸収を緩やかになります。
⑩ 朝食を抜かない

朝食を抜くと、次の食事で血糖と脂質の反応が過剰になり、中性脂肪が合成されやすくなることがあります。
特に中性脂肪が高い人では、この影響が強く出やすいため、「欠食しないこと」自体が改善策になります。
朝食のポイント
- 完璧な朝食でなくてよい
- たんぱく質+食物繊維を少し意識
- 例:卵+野菜、ヨーグルト+果物
- 時間がない日は少量でも口にする
朝食を抜くと、次の食事で脂質合成が過剰になりやすくなります。「朝食を抜かないこと」自体が中性脂肪対策になります。
中性脂肪が高い人がやりがちな逆効果な習慣
中性脂肪が高いと言われると、良かれと思って行っている習慣が、かえって改善を妨げていることがあります。
- 糖質を極端に抜く → 脂質代謝が乱れ、中性脂肪が下がりにくくなることがある
- サプリメントだけに頼る→ 生活習慣が変わらなければ効果は限定的
- 急激なダイエット → 一時的に中性脂肪が上昇するケースも
- 食後すぐ横になる → 食後の脂質処理が遅れやすくなる
中性脂肪対策は、無理なく続けられる習慣を積み重ねることが大切です。
まとめ|中性脂肪が高いと言われたら、まずできることから
中性脂肪が高い原因は、特別な病気ではなく、日々の生活習慣の積み重ねであることが多くあります。
- すべてを一度に変える必要はありません
- できることを1つ選び、続けることが大切です
- 運動・食事・睡眠のバランスを意識しましょう
中性脂肪は、正しい習慣を続ければ改善が期待できる数値です。今日からできる一歩を、ぜひ始めてみてください。
参考文献
- 日本動脈硬化学会:脂質異常症診療ガイドライン(最新版)
- 厚生労働省:e-ヘルスネット(脂質異常症・生活習慣病)
- American Heart Association:Triglycerides and Cardiovascular Risk
- European Society of Cardiology / European Atherosclerosis Society: Guidelines for the management of dyslipidaemias
- Physical Activity Guidelines for Americans:Exercise and lipid metabolism
- Effects of aerobic and resistance exercise on triglycerides: Systematic review
- Mediterranean diet and triglyceride levels: Meta-analysis
- Fructose intake and triglyceride metabolism: Review articles
- Sleep duration and lipid metabolism: Recent observational studies


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