ベンチプレスの正しいフォームとは?科学的に認められたポイント10選【初心者〜中級者向け】

【この記事でわかること】

  • 科学的に正しいベンチプレスフォーム
  • ケガを防ぎながら胸に効かせる方法
  • 今日から修正できる具体ポイント

私は医療系運動指導士として病院やスポーツジムで活動しています。

ベンチプレスは胸・肩・腕を効率よく鍛えられる代表的なトレーニング種目です。

しかし、

  • ベンチプレスをしても胸に効かない
  • 肩や肘が痛くなる
  • 重量が伸びない

と感じている人も多いのではないでしょうか。

その原因の多くは、ベンチプレスの正しいフォームが身についていないことです。

ベンチプレスは、単にバーを上下させるだけの種目ではありません。フォーム次第で、筋活動量・安全性・挙上重量が大きく変わることが研究でも示されています。

この記事では、筋電図研究(EMG)やバイオメカニクス研究で支持されている内容をもとに、ベンチプレス 正しいフォームのポイントを10個に厳選して解説します。

目次

ベンチプレスでフォームが重要な理由

ベンチプレスではフォームが変わるだけで、

  • 大胸筋の筋活動量
  • 肩関節や肘関節へのストレス
  • 発揮できる力の大きさ

が大きく変化します。

正しいフォームを身につけることで、胸にしっかり効かせながら、安全に重量を伸ばすことが可能になります。

科学的に認められているベンチプレス 正しいフォームのポイント10選

ここからは、エビデンスに基づいたベンチプレス 正しいフォームの重要ポイントを紹介します。

① 握り幅を適切に設定する

握り幅は、

  • 大胸筋
  • 三角筋前部
  • 上腕三頭筋

の関与割合を左右します。

筋電図研究では、中程度の握り幅が大胸筋の筋活動を高めやすいことが示されています。広すぎると肩関節への外転・外旋ストレスが増え、狭すぎると腕主導になりやすくなります。

握り幅のポイント

  • 肩幅の約1.3〜1.5倍を目安に握る
  • バーを胸に下ろした時、前腕が床に対して垂直になる位置
  • 左右の指の位置を必ず揃える

違和感がある場合は、1cm単位で微調整すると最適位置が見つかります。

② 肩甲骨を寄せて下制する

肩甲骨を寄せて下制(下げる)することで、肩関節の安定性が高まり、上腕骨頭が前方へズレるのを防ぎます。

これによりインピンジメントリスクが低下し、大胸筋がより有利な長さで力を発揮できるようになります。

また、肩甲骨が固定されることで、胸郭が安定し、バーの軌道もブレにくくなります。

肩甲骨を下げるポイント

  • ベンチに座った状態で肩甲骨を軽く寄せる
  • そのまま肩甲骨を下方向へ引く
  • 位置を保ったままベンチに寝る
  • セット中も力を抜かない

「胸を張る」より背中でベンチを挟み続ける感覚

③ 胸を軽く張る(アーチ形成)

胸を軽く張ってアーチを作ることで、肩関節が過度に伸展した状態になるのを防ぎます。

また、軽いアーチによって

  • 大胸筋が働きやすい筋長になる
  • 肩よりも胸がバーに近づく

という状態が作られ、胸主導の動作になりやすくなります

アーチ形成のポイント

  • 肩甲骨セットの結果として胸が上がる
  • 腰は自然なカーブを保つ
  • お尻はベンチから浮かさない

腰主導で反らすのはNG。

④ 足を床にしっかり接地する

ベンチプレスは上半身種目ですが、実際には全身運動です。足で床を踏むことで体幹が安定し、ベンチ上での体のズレやブレが減少します。

安定した土台があると、

  • バーの軌道が安定する
  • 上半身の筋出力が高まる
  • 余計な補正動作が減る

という効果が得られます。

いわゆるレッグドライブ(足の踏ん張り)は、重量を伸ばすうえでも重要な要素です。

レッグドライブのポイント

  • 両足を床に置く
  • 足裏全体で踏む
  • 膝の角度は無理に揃えなくてOK

踏む力は常に一定

⑤ 手首を立てる

手首が折れると、バー → 手 → 前腕 → 肘 → 肩 という力の伝達ラインが崩れます。

その結果、

  • 前腕の負担増加
  • 肘関節へのストレス増加
  • 出力低下

が起こります。

手首を立てることで、バーの重さが骨格で支えられる状態になり、筋肉への余計な負担が減ります。

手首を立てる際のポイント

  • バーは手のひらの付け根に乗せる
  • 手首はほぼ真っ直ぐ

違和感があるならリストラップ(手首に巻く布製のギア)使用。

⑥ 前腕を床に対して垂直にする

前腕が傾くと、バーと肘の位置がずれ、関節に余分な回転トルクが発生します。

これにより

  • 力のロス
  • 関節ストレス増大

が起こります。

前腕が垂直になると、最短距離で力をバーに伝えられるため、効率のよいプレス動作になります。

前腕を垂直にする際のポイント

  • ボトムで肘の真上にバー
  • 横から動画撮影

違和感があれば、握り幅を微調整。

⑦ バーは胸の中〜下部に下ろす

バーを上部(首側)に下ろすと、肩関節の屈曲角度が大きくなり、三角筋前部の関与が増えます。

一方、胸の中〜下部に下ろすことで、

  • 大胸筋の関与が高まる
  • 肩前部ストレスが減る

というメリットがあります。

バーを胸の中~下部に下ろす際のポイント

  • 乳頭ライン付近
  • 毎回同じ位置を狙う

首側に行くほど肩リスク増。

⑧ 肘をやや内側に向ける

肘を真横に開くと、肩関節が強い外転・外旋位になり、肩前方組織に大きな剪断力が加わります。

肘をやや内側に向けることで、

  • 肩関節の安定性向上
  • 大胸筋のラインと力の方向が一致

しやすくなります。

肘をやや内側に向けるポイント

  • 乳頭ライン付近
  • 毎回同じ位置を狙う

首側に行くほど肩リスク増。

⑨ 下ろす動作をコントロールする

筋肉は伸ばされながら力を発揮する局面(バーを下ろす動作)で、大きな刺激を受けます。

コントロールせずに落とすと、

  • 筋刺激が減る
  • フォームが崩れる
  • ケガのリスク増

につながります。

バーを下ろす際のポイント

  • 2〜3秒で下ろす
  • 底で止めてもOK

重すぎる重量はNG。バーを下ろす際にコントロールできる重量に設定しましょう。

⑩ 挙上は斜め後方へ押す

人体構造上、最も力を発揮しやすいバー軌道は完全な直線ではありません

胸から肩の上方向へわずかにカーブすることで、

  • 肩関節のモーメントが最小化
  • 大胸筋と三角筋前部の協調が取りやすい

状態になります。

バーを上げる際のポイント

  • 胸から肩方向へ
  • 肩の真上付近で終了

真上だけを意識しないのがポイント。

初心者がまず意識したい3つのポイント

ベンチプレス初心者はまず次の3つを意識しましょう。

  • 肩甲骨を寄せて下げる
  • 手首を立てる
  • 足で床を踏む

正しいフォームには多くのポイントがありますが、最初からすべてを完璧にしようとすると混乱してしまいます。

まとめ|正しいフォームでベンチプレスを続けよう

ベンチプレスを正しいフォームで行うことは、怪我を防ぎながら筋肥大・筋力向上を最大化するために必須です。

特に重要なのは、

  • 肩甲骨を寄せて下げる
  • 胸を軽く張る
  • 手首と前腕の位置を整える
  • 足でしっかり踏ん張る

この基本ができるだけで、ベンチプレスの効き方は大きく変わります。

まずは軽めの重量でフォーム作りを最優先し、少しずつ重量を上げていきましょう。

参考文献

  1. Schoenfeld BJ. (2010). The biomechanics of the bench press. Journal of Strength and Conditioning Research.
  2. Barnett C, Kippers V, Turner P. (1995). Effects of variations of the bench press exercise on muscle activity. Journal of Strength and Conditioning Research.
  3. Lehman GJ. (2005). The influence of grip width and forearm pronation/supination on muscle activity during bench press. Journal of Strength and Conditioning Research.
  4. Duffey MJ, Challis JH. (2007). Fatigue effects on barbell kinematics during the bench press. Medicine & Science in Sports & Exercise.
  5. Escamilla RF et al. (2001). Shoulder muscle activity and function in common weight training exercises. Sports Medicine.
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スポーツインストラクター|健康運動指導士|心臓リハビリテーション指導士|ヨガインストインストラクター|スポーツジム・病院勤務|読書好き|漫画も好き|名言が好き|運動・健康について情報発信|YouTubeでトレーニング動画配信中

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